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ヴァレンと見習いたち 1
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「ヴァレン兄さんって、両方いけるんですか?」
「ブラム君、その両方っていうのは、何と何のことかな?」
期待に満ちた眼差しを向けるブラムに、ヴァレンは問い返す。
「突っ込む側と突っ込まれる側です」
「女に突っ込んだことはあるけれど、男に突っ込んだことはないな。逆に男に突っ込まれたことはあるけれど、女に突っ込まれたことはない」
ヴァレンがそう答えると、ブラムは軽く首を傾げた。
「どうして男に突っ込んだことがないんですか?」
「俺、多分異性愛者なんだと思う。男に突っ込みたいと思ったことがない」
この答えに、ブラムの首を傾ける角度がより深くなる。
「突っ込まれるのは平気なんですか?」
「それは別に平気。流されていれば、その場のノリで何とかなる。快楽を得られるよう仕込まれてもいるし」
「それなのに、男に突っ込むのはダメなんですか?」
眉根が寄り、訝しげな顔になるブラム。
「うーん……女の子のようだとか綺麗な相手だったら、まだいけるかも。おっさん相手は無理」
「じゃあ、例えばミゼアス兄さんならどうですか?」
「絶対無理」
即答だった。おっさん相手は無理と言ったときよりも、断固たる態度である。
「ミゼアス兄さん、綺麗じゃないですか。どうして無理なんですか?」
「……確かにミゼアス兄さんは綺麗だよ。中身を知らなかったら、いけるかもしれない。でも、俺が今までミゼアス兄さんから受けた仕打ちを考えると、絶対無理。恐怖で萎える」
微かに身を震わせるヴァレン。
「ブラム君、きみはミゼアス兄さんのお仕置きを受けたことはあるかな?」
「お説教はありますけれど、他は……えっと、お菓子抜きにされたことはあります」
「……それ、お仕置きに入らないだろう。せめて食事抜きだっていうのならまだしも」
ヴァレンは呆れたような声を出す。
「食事と睡眠はきちんととらないとダメだそうです」
「うん……ミゼアス兄さん、そういう面では常識人だからね」
乾いた笑いを浮かべ、ヴァレンは呟く。
「じゃあ、他は非常識なんですか?」
「ブラム君、きみも突っ込むねぇ。とりあえず、ミゼアス兄さんの仕事っぷりは非常識だから。あれが普通の白花だと思わないほうがいいよ」
「それ、ヴァレン兄さんが言うんですか……」
「ブラム君、その両方っていうのは、何と何のことかな?」
期待に満ちた眼差しを向けるブラムに、ヴァレンは問い返す。
「突っ込む側と突っ込まれる側です」
「女に突っ込んだことはあるけれど、男に突っ込んだことはないな。逆に男に突っ込まれたことはあるけれど、女に突っ込まれたことはない」
ヴァレンがそう答えると、ブラムは軽く首を傾げた。
「どうして男に突っ込んだことがないんですか?」
「俺、多分異性愛者なんだと思う。男に突っ込みたいと思ったことがない」
この答えに、ブラムの首を傾ける角度がより深くなる。
「突っ込まれるのは平気なんですか?」
「それは別に平気。流されていれば、その場のノリで何とかなる。快楽を得られるよう仕込まれてもいるし」
「それなのに、男に突っ込むのはダメなんですか?」
眉根が寄り、訝しげな顔になるブラム。
「うーん……女の子のようだとか綺麗な相手だったら、まだいけるかも。おっさん相手は無理」
「じゃあ、例えばミゼアス兄さんならどうですか?」
「絶対無理」
即答だった。おっさん相手は無理と言ったときよりも、断固たる態度である。
「ミゼアス兄さん、綺麗じゃないですか。どうして無理なんですか?」
「……確かにミゼアス兄さんは綺麗だよ。中身を知らなかったら、いけるかもしれない。でも、俺が今までミゼアス兄さんから受けた仕打ちを考えると、絶対無理。恐怖で萎える」
微かに身を震わせるヴァレン。
「ブラム君、きみはミゼアス兄さんのお仕置きを受けたことはあるかな?」
「お説教はありますけれど、他は……えっと、お菓子抜きにされたことはあります」
「……それ、お仕置きに入らないだろう。せめて食事抜きだっていうのならまだしも」
ヴァレンは呆れたような声を出す。
「食事と睡眠はきちんととらないとダメだそうです」
「うん……ミゼアス兄さん、そういう面では常識人だからね」
乾いた笑いを浮かべ、ヴァレンは呟く。
「じゃあ、他は非常識なんですか?」
「ブラム君、きみも突っ込むねぇ。とりあえず、ミゼアス兄さんの仕事っぷりは非常識だから。あれが普通の白花だと思わないほうがいいよ」
「それ、ヴァレン兄さんが言うんですか……」
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