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借金を返そう4
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「……きみ、借金返し終わったのに何でいるんだい?」
賭博により借金を返し終わったヴァレン。それでも普通どおり過ごしている彼に、ミゼアスは呆れつつ尋ねた。
「え? だって、出て行く理由もありませんし」
きょとんとした顔でヴァレンが答える。
「行く場所がないっていう意味だったら僕もそうだけれどね。でも、きみはそういうわけでもないだろう?」
「ここのほうが色々な話が聞けて面白そうですし。情報の宝庫ですもん」
ヴァレンは噂好きだ。といっても積極的に噂話に加わるわけではなく、色々な話を集めてそれらの因果関係を推測するのが好きらしい。
「まあ、娼館っていうのはそういうものだけれどね……。でも、それだったら急いで借金を返す必要もなかったんじゃないのかい?」
「変なものがくっついているのは気になるんで。さっさと返してすっきりしたかったんです」
「そう……」
ミゼアスは疲れたようにため息を漏らした。ここ数日でどのくらいのため息を吐き出したのか、もうわからないくらいだ。
最初からヴァレンの家はヴァレンを売らず、賭博を仕込んだほうがよかったのではないだろうか。きっと身を売るよりも稼げたはずだ。そんなことも、ふと浮かぶ。
「じゃあ、借金が無くなったお祝いで食事に行きましょう。俺がおごりますから。今までおごろうとしても借金返済にまわしなさいって言って、おごらせてくれなかったじゃないですか。でも、もういいですよね?」
ヴァレンが朗らかに笑いながらミゼアスを見る。
「きみねぇ……」
呆れたような声を出しつつ、ミゼアスは口元が綻んでいくのを止められなかった。
頭が痛くなるようなこともあるが、やはりヴァレンはいつまでも可愛い弟のような存在だ。
賭博により借金を返し終わったヴァレン。それでも普通どおり過ごしている彼に、ミゼアスは呆れつつ尋ねた。
「え? だって、出て行く理由もありませんし」
きょとんとした顔でヴァレンが答える。
「行く場所がないっていう意味だったら僕もそうだけれどね。でも、きみはそういうわけでもないだろう?」
「ここのほうが色々な話が聞けて面白そうですし。情報の宝庫ですもん」
ヴァレンは噂好きだ。といっても積極的に噂話に加わるわけではなく、色々な話を集めてそれらの因果関係を推測するのが好きらしい。
「まあ、娼館っていうのはそういうものだけれどね……。でも、それだったら急いで借金を返す必要もなかったんじゃないのかい?」
「変なものがくっついているのは気になるんで。さっさと返してすっきりしたかったんです」
「そう……」
ミゼアスは疲れたようにため息を漏らした。ここ数日でどのくらいのため息を吐き出したのか、もうわからないくらいだ。
最初からヴァレンの家はヴァレンを売らず、賭博を仕込んだほうがよかったのではないだろうか。きっと身を売るよりも稼げたはずだ。そんなことも、ふと浮かぶ。
「じゃあ、借金が無くなったお祝いで食事に行きましょう。俺がおごりますから。今までおごろうとしても借金返済にまわしなさいって言って、おごらせてくれなかったじゃないですか。でも、もういいですよね?」
ヴァレンが朗らかに笑いながらミゼアスを見る。
「きみねぇ……」
呆れたような声を出しつつ、ミゼアスは口元が綻んでいくのを止められなかった。
頭が痛くなるようなこともあるが、やはりヴァレンはいつまでも可愛い弟のような存在だ。
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