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第97話 旅立ち
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あれから一ヶ月が経過してクリス達は、
水の都テティスに向かうためルミナスを立った。
テティスは、海の真ん中に浮かぶ島国で正確な軍事力や科学力は未知数だ。
鎖国はしていないが入国には厳正な審査が行われる。
そして、テティスに向かうには魔列車に乗り水中トンネルを通過するしかない。
魔列車とは魔力を動力とする列車だ。
水中トンネルが都市へと繋がっており海の中から街へと入る。
そして今、魔列車の客席にクリス達は座っている。
「ようやく落ち着いたわね…」
シャルロットがため息を吐き口を開いた。
魔王軍襲撃から一ヶ月程度でルミナスを立つことになり慌しかった。
シャルロットは、ようやく落ち着けると思い椅子に深く腰掛けている。
「テティスって大きいんですか?」
アリスは初めての国外への移動となる。
ルミナスでの行動範囲は屋敷や学園が
主だったため、外の世界に興味津々だ。
「ルミナスと同じくらいに大きく、
相当科学も進んでるみたいよ」
シャルロットの情報網は広い。
更にテティスについて知り得た情報を説明していく。
「まず水の都の象徴なのが水の神殿、
名前くらいは聞いたことあるでしょ?」
テティスの中央に建つ水の神殿、
水の神殿で殆どの儀式や祈りが行われる。
女神教において重要な施設であることは間違いない。
そして、その美しい神殿を見るために多くの人が集まるという。
「後は教会本部、魔導具研究所
この二つが特に施設として大きいわね」
「魔導具研究所…」
シャルロットの目的の一つである。
今回、交渉により研究所視察が許可された。
シャルロットの魔導具開発のヒントを得るために視察するのだ。
クリスもその研究内容に興味が湧いてきた。
そしてクリス達が乗っている魔列車は、
水中トンネルを通過していく。
「そろそろトンネルに入るみたい」
クリスがそう伝えると、
マリアはその景色に目を輝かせた。
「綺麗……」
水中トンネルから海中の景色が見えてくると魔列車の乗客はその景色に目を奪われる。
トンネルはライトアップされており透明のガラスを通して幻想的な景色が見える。
自由に泳ぐ魚や海藻に光が照らされ神秘的な雰囲気を醸し出す。
クリス達は決して外の世界では見れない景色を目に焼きつけた。
「この景色を見れただけでも、
来た甲斐があったわね…」
そして走る魔列車を出迎えるようにその景色は美しく広がっていく。
クリス達は、魔列車での旅を心ゆくまで楽しんでいた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
クリス達を見送ったクレアは城に呼ばれた。
ユーリは目に見えるほどに落ち込んでおり、
見兼ねたクレアは外に連れ出した。
宮廷魔術師の用事を済ませた後、
城の訓練場で二人で話をしている。
「辛いのか?」
「あねご…」
ユーリはクレアの問いに無言で頷いた。
ルミナス魔宝祭をクリスと周れたが聖剣の契約者になったクリスを放っておかない。
クリスだと分かった途端に人だかりができてしまい、ゆっくりと二人で祭を周ることが出来なかったのだ。
クレアはユーリの苦しむ姿を見てられない。
自分の子供と思える程に可愛がってきた。
そして考え抜いた結果、クレアは閃いてしまう。
「そういえば、エルフの救出の任務がある。
そこにお前も向かわなければならない」
「へ?」
クレアの瞳は優しさに満ち溢れている。
ユーリを悲しませないためなら何でもする。
そう誓って生きてきたのだ。
「ちょうどテティスで、
エルフが捕まっているらしい」
「あ、あねご」
クレアはエルフ救出作戦の名目でユーリを、テティスまで連れ出してしまおうと考えた。
「誰にも文句は言わせないぞ!
聖剣の同行者としてじゃない、
私たちはエルフのために行くのだ」
ユーリは感極まって瞳に涙が溢れてしまう。
やはりクレアは自分にとって最愛の人物に、他ならない。
「あねご…
ありがとう」
その頬を涙が落ちていく…
クリスに会えることが嬉しくて仕方ない。
そしてクレアの言葉が胸に響いて涙が止まらないのだ。
だが、ここは城である。
クレアとユーリの波動を感知して会話を聞いていた人物がいる。
それは賢者である。
「お前達…
面白そうな話をしてるじゃないか…」
「し、師匠…」
クレアはまさか賢者に話を聞かれているとは思いもしない。
魔女狩りの件で反対されるかもしれない。
そう思ったクレアは戸惑いを隠せない。
「国王は私が説得してやろう」
「へ?」
予想外の言葉にクレアは更に戸惑う。
まさか国王を説得してくれるとは思わない。
テティスに行くには魔列車が必要だ。
国王と無理矢理交渉しようと思っていたのだ。
そして賢者はニヤリと笑みを浮かべる、
「その代わり、私も連れて行け」
「し、師匠…」
クレアは感動していた。
予想外の賢者の同行に感極まってしまう。
賢者の知識と力があれば百人力だ。
「ちょうど、城の生活にも飽きていたんだ」
そして、気持ちが昂ったクレアはまた閃いてしまう。
「そうだ!
アイツも連れて行こう」
賢者を守るために更に戦力補強を考えた。
すると、うってつけの奴がいたと思い出し、
本人の意思関係なく連れていくと決めてしまったのだ。
そしてそれぞれがテティスへと旅立つ。
話を何も聞いていないカートは、
子供を残して出張が決まり途方に暮れる。
しかし後にカートを連れ出したことがクレアの英断となるとは誰も思いもしなかったのだった…
水の都テティスに向かうためルミナスを立った。
テティスは、海の真ん中に浮かぶ島国で正確な軍事力や科学力は未知数だ。
鎖国はしていないが入国には厳正な審査が行われる。
そして、テティスに向かうには魔列車に乗り水中トンネルを通過するしかない。
魔列車とは魔力を動力とする列車だ。
水中トンネルが都市へと繋がっており海の中から街へと入る。
そして今、魔列車の客席にクリス達は座っている。
「ようやく落ち着いたわね…」
シャルロットがため息を吐き口を開いた。
魔王軍襲撃から一ヶ月程度でルミナスを立つことになり慌しかった。
シャルロットは、ようやく落ち着けると思い椅子に深く腰掛けている。
「テティスって大きいんですか?」
アリスは初めての国外への移動となる。
ルミナスでの行動範囲は屋敷や学園が
主だったため、外の世界に興味津々だ。
「ルミナスと同じくらいに大きく、
相当科学も進んでるみたいよ」
シャルロットの情報網は広い。
更にテティスについて知り得た情報を説明していく。
「まず水の都の象徴なのが水の神殿、
名前くらいは聞いたことあるでしょ?」
テティスの中央に建つ水の神殿、
水の神殿で殆どの儀式や祈りが行われる。
女神教において重要な施設であることは間違いない。
そして、その美しい神殿を見るために多くの人が集まるという。
「後は教会本部、魔導具研究所
この二つが特に施設として大きいわね」
「魔導具研究所…」
シャルロットの目的の一つである。
今回、交渉により研究所視察が許可された。
シャルロットの魔導具開発のヒントを得るために視察するのだ。
クリスもその研究内容に興味が湧いてきた。
そしてクリス達が乗っている魔列車は、
水中トンネルを通過していく。
「そろそろトンネルに入るみたい」
クリスがそう伝えると、
マリアはその景色に目を輝かせた。
「綺麗……」
水中トンネルから海中の景色が見えてくると魔列車の乗客はその景色に目を奪われる。
トンネルはライトアップされており透明のガラスを通して幻想的な景色が見える。
自由に泳ぐ魚や海藻に光が照らされ神秘的な雰囲気を醸し出す。
クリス達は決して外の世界では見れない景色を目に焼きつけた。
「この景色を見れただけでも、
来た甲斐があったわね…」
そして走る魔列車を出迎えるようにその景色は美しく広がっていく。
クリス達は、魔列車での旅を心ゆくまで楽しんでいた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
クリス達を見送ったクレアは城に呼ばれた。
ユーリは目に見えるほどに落ち込んでおり、
見兼ねたクレアは外に連れ出した。
宮廷魔術師の用事を済ませた後、
城の訓練場で二人で話をしている。
「辛いのか?」
「あねご…」
ユーリはクレアの問いに無言で頷いた。
ルミナス魔宝祭をクリスと周れたが聖剣の契約者になったクリスを放っておかない。
クリスだと分かった途端に人だかりができてしまい、ゆっくりと二人で祭を周ることが出来なかったのだ。
クレアはユーリの苦しむ姿を見てられない。
自分の子供と思える程に可愛がってきた。
そして考え抜いた結果、クレアは閃いてしまう。
「そういえば、エルフの救出の任務がある。
そこにお前も向かわなければならない」
「へ?」
クレアの瞳は優しさに満ち溢れている。
ユーリを悲しませないためなら何でもする。
そう誓って生きてきたのだ。
「ちょうどテティスで、
エルフが捕まっているらしい」
「あ、あねご」
クレアはエルフ救出作戦の名目でユーリを、テティスまで連れ出してしまおうと考えた。
「誰にも文句は言わせないぞ!
聖剣の同行者としてじゃない、
私たちはエルフのために行くのだ」
ユーリは感極まって瞳に涙が溢れてしまう。
やはりクレアは自分にとって最愛の人物に、他ならない。
「あねご…
ありがとう」
その頬を涙が落ちていく…
クリスに会えることが嬉しくて仕方ない。
そしてクレアの言葉が胸に響いて涙が止まらないのだ。
だが、ここは城である。
クレアとユーリの波動を感知して会話を聞いていた人物がいる。
それは賢者である。
「お前達…
面白そうな話をしてるじゃないか…」
「し、師匠…」
クレアはまさか賢者に話を聞かれているとは思いもしない。
魔女狩りの件で反対されるかもしれない。
そう思ったクレアは戸惑いを隠せない。
「国王は私が説得してやろう」
「へ?」
予想外の言葉にクレアは更に戸惑う。
まさか国王を説得してくれるとは思わない。
テティスに行くには魔列車が必要だ。
国王と無理矢理交渉しようと思っていたのだ。
そして賢者はニヤリと笑みを浮かべる、
「その代わり、私も連れて行け」
「し、師匠…」
クレアは感動していた。
予想外の賢者の同行に感極まってしまう。
賢者の知識と力があれば百人力だ。
「ちょうど、城の生活にも飽きていたんだ」
そして、気持ちが昂ったクレアはまた閃いてしまう。
「そうだ!
アイツも連れて行こう」
賢者を守るために更に戦力補強を考えた。
すると、うってつけの奴がいたと思い出し、
本人の意思関係なく連れていくと決めてしまったのだ。
そしてそれぞれがテティスへと旅立つ。
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