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(元)人妻姫菜さん26歳。初デートです。
姫菜さん、隠れ美形であることが判明
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二人は、リュウのアパートに到着した。建物の入り口横に、『大下宿館』と大きな看板が付いている。貧乏学生リュウの住まいである、風呂無し・トイレ・炊事場・洗濯機共同の下宿風四畳半アパートだ。
姫菜さんは物珍しげに建物を見ている。別に見下している風ではなく、こんなアパートに住む友人を訪れるのは初めてで、珍しくて興味しんしんといった様子だ。
さっそく上がっていただく。カラカラと引き戸を開けて建物に入ると、玄関というか靴脱ぎ場である。靴を脱いでスノコに上がり、脱いだ靴を下足箱に置いて、廊下に上がる。廊下は年季の入った木製の廊下で、長い。管理人さんの掃除が行き届いていて埃が無く、ツヤツヤしている。
木製の廊下の両側に部屋が並んでいる。ギシギシとかすかに音鳴りのする廊下を歩いて、リュウは姫菜さんを自室に招き入れた。
部屋に入り手荷物を下ろし、ちゃぶ台の前に並んで腰を下ろす。リュウは姫菜さんが汗ばんでいる様子なのに気づいて、しばらくウチワでパタパタと扇いであげた。
「あー涼しい。」姫菜さんは襟を開いて、ウチワの前にんー、と顔を突き出している。
「ありがと、汗もひいたからもういいよ。」数分して、姫菜さんが言う。
「リュウくんはやさしいね。」
「汗、乾くと、ベトベトしません?」リュウがきく。
「まぁ、それはね。」姫菜さんは肯定する。
「こんなアパートなんで、シャワーとかないんですけど。」
「ただ顔くらいは洗えます。よかったら。」
リュウはチェストからなるべく新しいタオルを選んで取り出し、姫菜さんと廊下に出た。
廊下を突き当たりまで歩くと、突き当たりに共同炊事場、右側はトイレ、左側は外の洗濯機スペースに降りていけるようになっている。
共同炊事場は流しの正面の壁には顔くらいの高さのところに白いガス給湯器が備え付けてあり、ツマミをひねって点火すると、お湯が出せるようになっている。令和ではほとんど見かけなくなったシステムである。
リュウは姫菜さんのためにお湯を出してやった。パシャパシャとお湯で顔を洗う姫菜さん。そしてリュウからタオルを受け取り、顔を拭いたりうなじをポンポンしたりした。
「ありがとう。さっぱりした。これだけでもだいぶ違うね。」
部屋に戻ると、リュウは冷蔵庫から冷たい烏龍茶を取り出し、グラスに注いで姫菜さんに提供した。
「ありがと。リュウくんは色々気がきくね。」
姫菜さんは、頭頂部で団子状に束ねていた髪をといておろし、グラスに唇をつけた。髪は結構長い。蒸し暑くて鬱陶しかったので、全部まとめて顔や首を出し、なるべく涼しくしていたらしい。
顔を洗い、髪を下ろすと、姫菜さんは別人のように見えた。ツヤツヤした白い肌は血色が良く、その顔に大粒の瞳がキラキラしている。くっきりした二重、まつ毛は長く、彫りの深い顔立ちである。ボリューミィな長い黒髪。
雲城院家は鹿児島のご出身ということだ。九州の人、特に鹿児島の人には、濃い顔立ちの人が多い。姫菜さんもエチゾチチックな顔立ちである。
「姫菜さん、結構可愛いじゃん…。」リュウは呟いた。
「第一印象がダサかったから、正直こんなポテンシャル高いとは知らなかったわ。」
「隠れ美形じゃん。」
「雑に扱ったり、海のあと理由付けて帰したりしなくてよかった!」
全てリュウの心の声である。
エキゾチックな顔立ち、可愛い瞳、大きめの胸、波打つブラウスの合わせ目、ボタンとボタンの間の隙間から見える胸チラ。
「抱きて~!」リュウは強く思った。
姫菜さんは物珍しげに建物を見ている。別に見下している風ではなく、こんなアパートに住む友人を訪れるのは初めてで、珍しくて興味しんしんといった様子だ。
さっそく上がっていただく。カラカラと引き戸を開けて建物に入ると、玄関というか靴脱ぎ場である。靴を脱いでスノコに上がり、脱いだ靴を下足箱に置いて、廊下に上がる。廊下は年季の入った木製の廊下で、長い。管理人さんの掃除が行き届いていて埃が無く、ツヤツヤしている。
木製の廊下の両側に部屋が並んでいる。ギシギシとかすかに音鳴りのする廊下を歩いて、リュウは姫菜さんを自室に招き入れた。
部屋に入り手荷物を下ろし、ちゃぶ台の前に並んで腰を下ろす。リュウは姫菜さんが汗ばんでいる様子なのに気づいて、しばらくウチワでパタパタと扇いであげた。
「あー涼しい。」姫菜さんは襟を開いて、ウチワの前にんー、と顔を突き出している。
「ありがと、汗もひいたからもういいよ。」数分して、姫菜さんが言う。
「リュウくんはやさしいね。」
「汗、乾くと、ベトベトしません?」リュウがきく。
「まぁ、それはね。」姫菜さんは肯定する。
「こんなアパートなんで、シャワーとかないんですけど。」
「ただ顔くらいは洗えます。よかったら。」
リュウはチェストからなるべく新しいタオルを選んで取り出し、姫菜さんと廊下に出た。
廊下を突き当たりまで歩くと、突き当たりに共同炊事場、右側はトイレ、左側は外の洗濯機スペースに降りていけるようになっている。
共同炊事場は流しの正面の壁には顔くらいの高さのところに白いガス給湯器が備え付けてあり、ツマミをひねって点火すると、お湯が出せるようになっている。令和ではほとんど見かけなくなったシステムである。
リュウは姫菜さんのためにお湯を出してやった。パシャパシャとお湯で顔を洗う姫菜さん。そしてリュウからタオルを受け取り、顔を拭いたりうなじをポンポンしたりした。
「ありがとう。さっぱりした。これだけでもだいぶ違うね。」
部屋に戻ると、リュウは冷蔵庫から冷たい烏龍茶を取り出し、グラスに注いで姫菜さんに提供した。
「ありがと。リュウくんは色々気がきくね。」
姫菜さんは、頭頂部で団子状に束ねていた髪をといておろし、グラスに唇をつけた。髪は結構長い。蒸し暑くて鬱陶しかったので、全部まとめて顔や首を出し、なるべく涼しくしていたらしい。
顔を洗い、髪を下ろすと、姫菜さんは別人のように見えた。ツヤツヤした白い肌は血色が良く、その顔に大粒の瞳がキラキラしている。くっきりした二重、まつ毛は長く、彫りの深い顔立ちである。ボリューミィな長い黒髪。
雲城院家は鹿児島のご出身ということだ。九州の人、特に鹿児島の人には、濃い顔立ちの人が多い。姫菜さんもエチゾチチックな顔立ちである。
「姫菜さん、結構可愛いじゃん…。」リュウは呟いた。
「第一印象がダサかったから、正直こんなポテンシャル高いとは知らなかったわ。」
「隠れ美形じゃん。」
「雑に扱ったり、海のあと理由付けて帰したりしなくてよかった!」
全てリュウの心の声である。
エキゾチックな顔立ち、可愛い瞳、大きめの胸、波打つブラウスの合わせ目、ボタンとボタンの間の隙間から見える胸チラ。
「抱きて~!」リュウは強く思った。
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