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(元)人妻姫菜さん26歳。初デートです。
大下宿館 (だいげしゅくかん) の浴場は、むかし混浴だった?
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「このアパート、『大下宿館』じゃないですか。」リュウはこのアパートについて話し始めた。
「もともとは下宿屋で、20数年前まではそのスタイルで営業してたらしいです。」
「朝と夜の一日二回、賄いも出してたらしいです。」
「靴脱いで廊下に上がってすぐ横に、なんか寛ぎスペースみたいのありますよね。」
「あそこ、もともとは食堂として使われてたらしいです。」
姫菜さんは、へーっという様子で話を聞いている。
「大家のばあさん、近所の実家にいるんですけど。」リュウは月一回大家のところに家賃を払いに行く。
「下宿屋の時代は、旦那さんと管理人室に住んでたそうですよ。今は管理人さんを雇って任せてますけど。」
「大家さんがそうやっておかみさんとして働いてたのは、20~30代の頃みたいなんですけど。」
「賄い用意したり、掃除したり、毎日忙しかったらしいです。」
「例えばですけど、もし俺がここの大家で、姫菜さんが俺のお嫁さんだったら」
「おかみさんなんて勤まります?」
リュウは聞いてみた。
「姫菜さんは良家の人だから、そんなのできないんじゃないですか?」
「えーっ、失礼な。できるよー。」姫菜さんはぷうっとふくれた。
「下宿生の皆さんを、精一杯お世話します。」姫菜さんは可愛く猫手でガッツポーズをした。
「今でこそ女性も入居してますけど、当時は男しかいなかったらしいですよ。」
「しかも若い男ばっかり。」野獣に囲まれてるようなもんじゃん。リュウは思った。
「あら。可愛くていいじゃない。」それ何か問題?という風に、姫菜さんは答えた。
「洗濯とかも、ある程度はおかみさんがやってくれてたみたいですよ。」
「洗濯機の前のカゴに朝入れておくと、おかみさんが洗って、洗濯機の前の物干し台で干しておいてくれて。」
「下宿生は夜、自分で自分のを取り込むシステムらしいです。」
「朝の賄いが終わった後も、忙しいのね。」姫菜さんはいう。
「でもやれるよ。夫婦で営業してるんでしょ?奥さんも頑張らないとね。」
「あと」リュウは続ける。「昔は浴場もあって」
「浴場で下宿生の背中を流してあげたりもしてたそうですよ。」
「えっ。」姫菜さんは少し驚いた。
「昭和ですから。50年代、60年代の」とリュウ。
「まだ『金のタマゴ」とかいわれる、中学を出てすぐ地方から働きに来る人とかいた時代じゃないですかね?よく知りませんが。」
「そういう時代の下宿屋ですからね。」
「そんなの、下宿生さんたちは恥ずかしくないのかしら…。」
ピヨピヨした下宿生たちが恥ずかしそうにしている姿を想像しているかのように、姫菜さんは首を捻った。
「あ、そっち?」リュウはつぶやいた。
「姫菜さんは平気なのね…。そうか、純真な人はそう思うのか。」俺が汚れてるのか。リュウは思った。
「あと」更にリュウは続ける。
「浴場は、最後に大家さんも使うんで。」
「時々、おかみさんが入ってるときに下宿生も入って来ちゃうことがあったらしいです。」
「浴場は2~3人入れる大きさだったんで。たまに知らずに入って来ちゃう人いたんですって。」
「えーっ。」姫菜さんは手のひらを口元でパーの形に開いて、ポッと顔を赤らめた。
「それは…ちょっと…恥ずかしいね…。」姫菜さんは恥ずかしそうに笑う。
「全裸、見られちゃいますもんね。」とリュウは続ける。つい姫菜さんの反応を観察してしまう。
「あー。いやぁ…。それは恥ずかしいなぁ…。」ともじる姫菜さん。
「まぁ、でも、明らかに狙ってじゃなかったら、まぁ仕方ないかな。」
「弟みたいな年頃の若い子ばっかりなんでしょ?」
「気まずくならないよう、弟だと思って、努めて明るく対応しよう、うん。」姫菜さんはまた、猫手でガッツポーズをした。
リュウは一瞬、オッパイがプルンとした裸の姫菜さんが、下宿生である自分と浴場で明るく会話してくれている姿をイメージしてしまった。エッチな雰囲気にならないよう、自分が恥ずかしいと思ってるのが伝わり、そのことで下宿生が申し訳ないと気後れしないよう、オッパイやアンダーヘアをあえて全く隠さない姫菜さんである。
「マジかぁ。そんな下宿屋、最高じゃん。こんな可愛い若奥さんと混浴できるなんて。」リュウは下半身が強烈に熱くなるのを感じた。
「姫菜さん。お風呂の話は、実は嘘です。」リュウは言った。
「ここ、今も昔も風呂はないんです。」
「大家さんが近所で銭湯も経営してて、入居者は格安で利用できるんで」
「みんなそこ通ってますね。」
「あ、そうなの?よかったぁ。」姫菜さんはホッとした様子である。
「もうっ。からかっちゃだめ。」姫菜さんは照れくさそうにリュウの腕をぺちっとはたいた。
「そうか、状況によっては混浴許すのか…。」姫菜さんの無自覚にエッチな回答に、リュウはもうムラムラが止まらない。
「姫菜さん…。」リュウは姫菜さんの両腕をそっと掴み、唇を姫菜さんの唇に近づけていった。姫菜さんは受け入れてくれて、目を閉じてキス待ちの口になった。姫菜さんも実はエッチな気持ちになっちゃってしまっていたのかどうかは、わからない。
これが、第一話に至るいきさつである。
次回、押し倒します。
「もともとは下宿屋で、20数年前まではそのスタイルで営業してたらしいです。」
「朝と夜の一日二回、賄いも出してたらしいです。」
「靴脱いで廊下に上がってすぐ横に、なんか寛ぎスペースみたいのありますよね。」
「あそこ、もともとは食堂として使われてたらしいです。」
姫菜さんは、へーっという様子で話を聞いている。
「大家のばあさん、近所の実家にいるんですけど。」リュウは月一回大家のところに家賃を払いに行く。
「下宿屋の時代は、旦那さんと管理人室に住んでたそうですよ。今は管理人さんを雇って任せてますけど。」
「大家さんがそうやっておかみさんとして働いてたのは、20~30代の頃みたいなんですけど。」
「賄い用意したり、掃除したり、毎日忙しかったらしいです。」
「例えばですけど、もし俺がここの大家で、姫菜さんが俺のお嫁さんだったら」
「おかみさんなんて勤まります?」
リュウは聞いてみた。
「姫菜さんは良家の人だから、そんなのできないんじゃないですか?」
「えーっ、失礼な。できるよー。」姫菜さんはぷうっとふくれた。
「下宿生の皆さんを、精一杯お世話します。」姫菜さんは可愛く猫手でガッツポーズをした。
「今でこそ女性も入居してますけど、当時は男しかいなかったらしいですよ。」
「しかも若い男ばっかり。」野獣に囲まれてるようなもんじゃん。リュウは思った。
「あら。可愛くていいじゃない。」それ何か問題?という風に、姫菜さんは答えた。
「洗濯とかも、ある程度はおかみさんがやってくれてたみたいですよ。」
「洗濯機の前のカゴに朝入れておくと、おかみさんが洗って、洗濯機の前の物干し台で干しておいてくれて。」
「下宿生は夜、自分で自分のを取り込むシステムらしいです。」
「朝の賄いが終わった後も、忙しいのね。」姫菜さんはいう。
「でもやれるよ。夫婦で営業してるんでしょ?奥さんも頑張らないとね。」
「あと」リュウは続ける。「昔は浴場もあって」
「浴場で下宿生の背中を流してあげたりもしてたそうですよ。」
「えっ。」姫菜さんは少し驚いた。
「昭和ですから。50年代、60年代の」とリュウ。
「まだ『金のタマゴ」とかいわれる、中学を出てすぐ地方から働きに来る人とかいた時代じゃないですかね?よく知りませんが。」
「そういう時代の下宿屋ですからね。」
「そんなの、下宿生さんたちは恥ずかしくないのかしら…。」
ピヨピヨした下宿生たちが恥ずかしそうにしている姿を想像しているかのように、姫菜さんは首を捻った。
「あ、そっち?」リュウはつぶやいた。
「姫菜さんは平気なのね…。そうか、純真な人はそう思うのか。」俺が汚れてるのか。リュウは思った。
「あと」更にリュウは続ける。
「浴場は、最後に大家さんも使うんで。」
「時々、おかみさんが入ってるときに下宿生も入って来ちゃうことがあったらしいです。」
「浴場は2~3人入れる大きさだったんで。たまに知らずに入って来ちゃう人いたんですって。」
「えーっ。」姫菜さんは手のひらを口元でパーの形に開いて、ポッと顔を赤らめた。
「それは…ちょっと…恥ずかしいね…。」姫菜さんは恥ずかしそうに笑う。
「全裸、見られちゃいますもんね。」とリュウは続ける。つい姫菜さんの反応を観察してしまう。
「あー。いやぁ…。それは恥ずかしいなぁ…。」ともじる姫菜さん。
「まぁ、でも、明らかに狙ってじゃなかったら、まぁ仕方ないかな。」
「弟みたいな年頃の若い子ばっかりなんでしょ?」
「気まずくならないよう、弟だと思って、努めて明るく対応しよう、うん。」姫菜さんはまた、猫手でガッツポーズをした。
リュウは一瞬、オッパイがプルンとした裸の姫菜さんが、下宿生である自分と浴場で明るく会話してくれている姿をイメージしてしまった。エッチな雰囲気にならないよう、自分が恥ずかしいと思ってるのが伝わり、そのことで下宿生が申し訳ないと気後れしないよう、オッパイやアンダーヘアをあえて全く隠さない姫菜さんである。
「マジかぁ。そんな下宿屋、最高じゃん。こんな可愛い若奥さんと混浴できるなんて。」リュウは下半身が強烈に熱くなるのを感じた。
「姫菜さん。お風呂の話は、実は嘘です。」リュウは言った。
「ここ、今も昔も風呂はないんです。」
「大家さんが近所で銭湯も経営してて、入居者は格安で利用できるんで」
「みんなそこ通ってますね。」
「あ、そうなの?よかったぁ。」姫菜さんはホッとした様子である。
「もうっ。からかっちゃだめ。」姫菜さんは照れくさそうにリュウの腕をぺちっとはたいた。
「そうか、状況によっては混浴許すのか…。」姫菜さんの無自覚にエッチな回答に、リュウはもうムラムラが止まらない。
「姫菜さん…。」リュウは姫菜さんの両腕をそっと掴み、唇を姫菜さんの唇に近づけていった。姫菜さんは受け入れてくれて、目を閉じてキス待ちの口になった。姫菜さんも実はエッチな気持ちになっちゃってしまっていたのかどうかは、わからない。
これが、第一話に至るいきさつである。
次回、押し倒します。
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