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こぼれ話
あつくなってきたなぁ
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「あづ~い」
最近気温が高くなってきたのでシロもバテ気味だ。
「ガウッ!」
「あ、だめよエンペラー。今エンペラーとくっついたらシロは溶ける」
「キューン」
シロにくっつこうとしたら断られ、エンペラーはションボリと耳と尻尾を垂れさせる。そんなエンペラーをシロはよちよちと撫でてあげた。
「シロちゃんが溶けたら俺が袋に入れて持ち歩いてあげるよ」
「おいロリコン、暑さでサイコパスにジョブチェンジしたか」
ペシッとエルヴィスに頭を叩かれるアニ。
アニも暑さにやられて机の上にダラリと伏せっている。
「しろ……」
クロもシロとべったりくっつきたいのだが暑さで躊躇っている様子だ。
「おー、クロがシロにひっつかないなんて珍しいな」
「……ぐっ……」
悔しそうにシロとはちょっと離れて座るクロ。クロも暑いのは苦手らしい。
「おーい、みんな~お仕事の時間だぞ~」
むしむしとした所に、衣替えをして薄着になった殿下がやって来た。
「お~、シロ今日もかわいいな」
「でろりんちょ」
溶けかけのシロを迷いなく抱き上げる殿下。
「でんか? あちゅい」
体温が伝わって暑いのか、シロは殿下に上目遣いで離してと訴える。
「かわいいかわいいかわいい」
「はなちて~」
だがそれは殿下に伝わらず、殿下は全力でシロに頬ずりした。摩擦熱がさらにシロに汗をかかせる。
シロは嫌そうに殿下の肩をぺちぺち叩いたが、殿下に効果はない。
「殿下、シロが溶ける」
「あっ」
ブレイクが背後から近付き、熱源(殿下)からシロを引き離した。殿下が恨めしい顔をして振り返る―――。
「……ブレイク、お前は何をしてるんだ……」
そこには、ブレイクにべったりと抱きつくシロ。
そして、ブレイクは体の要所要所に氷嚢を括り付けていた。
「この親バカガチ勢め。そこまでするか」
「フッ、シロのためなら安いもんだ」
シロは氷嚢や氷嚢で冷えた肌に、今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうな様子で頬をスリスリする。
「ずっとつけてて冷たくないか?」
「冷たい」
ブレイクは即答した。
「こらクロ、マネしようとするんじゃない! アニは何をしようとしてんだ!!」
ブレイクのマネをして氷嚢を体中に付けようとするクロと、大量の氷を頭からかぶろうとしているアニをエルヴィスが必死に止めていた。
「……ここはいつ来ても賑やかだな」
「まあな。それで? 今回の仕事はなんだ?」
「ああ、そうだった。つい先日結構大きな無人島が見つかってな。危険がないか特殊部隊に調査してもらいたいんだ。―――という名目でバカンスのお誘いだ」
「? 調査はしなくていいのか?」
「いや、新たに見つかった無人島だから一応調査はしてもらう。だが無人島にそんな危険があるわけないだろ?実質シロを連れて海に遊びに行くようなもんだ」
「……もしかして殿下も行くのか?」
ブレイクの問いに殿下はニヤリと笑った。
「当たり前だろう。休みをもぎ取った」
「殿下のシロ好きもアニの域に達っしてきたな。娘が愛されるのはいいことだが。シロと結婚するとか言い出さないでくれよ」
「流石のボクもシロを恋愛対象には見られない。もし息子ができたらシロと結婚させて娘にしたいとは思ってるが」
「全力で阻止してやるから安心しろ」
「冗談だ」
ブレイクの目が鋭さを帯びてきたので殿下は慌てて話を打ち切った。
「シロ~、海に行くぞ~」
「うみ~?」
ブレイクで涼をとっていたシロはよく話を聞いていなかったらしい。シロはきょとんとしている。
「そうか、シロは海に行ったことなかったな」
ブレイクはハタと気付いた。
「な~い!」
「おお! じゃあこれが初か!」
パァッと笑顔になる殿下。
「じゃあシロが無人島に行くのに必要なものはボクが買ってあげよう!! 明日は買い物に行くぞ」
「おー!」
殿下が何かを買ってくれると知って、シロは元気良く返事をした。
その瞬間―――。
ガッシャーン!!!
大きな音が食堂に響いた。
「なんの音だ?」
三人が音のした方を見ると、そこには大量の氷に埋もれたアニらしき人物がいた。その横ではエルヴィスが頭を抱えている。
「ほらシロちゃん、いつでも抱き着いておいで」
アニが真っ青な顔で言う。
「え、やだ」
「ガーン」
「そりゃそうだ。人間かき氷かお前は」
「シロがシロップかけてあげるね」
優しいシロはアニ氷にイチゴシロップをかけてあげた。
「ふんふふふーん♪」
鼻歌を歌いながらシリルが食堂に入ってきた。そしてイチゴシロップ掛けアニ氷を見る。
「うわああああああああああああ!!」
「ん?」
「驚き過ぎじゃないか?」
腰を抜かしそうなシリルを見守る一同。
「アニ……死んでる?」
シリルはよろよろとアニ氷に近付いていく。
なにも知らないシリルにはイチゴシロップが血液に見え、殺されたアニが氷漬けにされた現場に見えたのだ。さらに、青白くなったアニの顔色がその誤解を加速させた。
「アニ……。クソッ! ロリコンがそんなに罪だってのかよっ!!!」
「シリル俺生きてるよ?」
「こんな……っ、こんな無残な……」
「あれ? 聞こえてる?」
「刺されて殺された上に氷漬けにされるなんて……」
「俺刺されても殺されてもないぞ? なんなら氷漬けは自分の意志だし」
「僕が供養してあげるからね……」
「さては俺の話聞く気ないな?」
その後、氷同士がくっついてアニが脱出できなくなったのでその場にいた面々で解凍作業を行った。
「アニ~お湯かけるよ~」
「あっつっ」
最近気温が高くなってきたのでシロもバテ気味だ。
「ガウッ!」
「あ、だめよエンペラー。今エンペラーとくっついたらシロは溶ける」
「キューン」
シロにくっつこうとしたら断られ、エンペラーはションボリと耳と尻尾を垂れさせる。そんなエンペラーをシロはよちよちと撫でてあげた。
「シロちゃんが溶けたら俺が袋に入れて持ち歩いてあげるよ」
「おいロリコン、暑さでサイコパスにジョブチェンジしたか」
ペシッとエルヴィスに頭を叩かれるアニ。
アニも暑さにやられて机の上にダラリと伏せっている。
「しろ……」
クロもシロとべったりくっつきたいのだが暑さで躊躇っている様子だ。
「おー、クロがシロにひっつかないなんて珍しいな」
「……ぐっ……」
悔しそうにシロとはちょっと離れて座るクロ。クロも暑いのは苦手らしい。
「おーい、みんな~お仕事の時間だぞ~」
むしむしとした所に、衣替えをして薄着になった殿下がやって来た。
「お~、シロ今日もかわいいな」
「でろりんちょ」
溶けかけのシロを迷いなく抱き上げる殿下。
「でんか? あちゅい」
体温が伝わって暑いのか、シロは殿下に上目遣いで離してと訴える。
「かわいいかわいいかわいい」
「はなちて~」
だがそれは殿下に伝わらず、殿下は全力でシロに頬ずりした。摩擦熱がさらにシロに汗をかかせる。
シロは嫌そうに殿下の肩をぺちぺち叩いたが、殿下に効果はない。
「殿下、シロが溶ける」
「あっ」
ブレイクが背後から近付き、熱源(殿下)からシロを引き離した。殿下が恨めしい顔をして振り返る―――。
「……ブレイク、お前は何をしてるんだ……」
そこには、ブレイクにべったりと抱きつくシロ。
そして、ブレイクは体の要所要所に氷嚢を括り付けていた。
「この親バカガチ勢め。そこまでするか」
「フッ、シロのためなら安いもんだ」
シロは氷嚢や氷嚢で冷えた肌に、今にもゴロゴロと喉を鳴らしそうな様子で頬をスリスリする。
「ずっとつけてて冷たくないか?」
「冷たい」
ブレイクは即答した。
「こらクロ、マネしようとするんじゃない! アニは何をしようとしてんだ!!」
ブレイクのマネをして氷嚢を体中に付けようとするクロと、大量の氷を頭からかぶろうとしているアニをエルヴィスが必死に止めていた。
「……ここはいつ来ても賑やかだな」
「まあな。それで? 今回の仕事はなんだ?」
「ああ、そうだった。つい先日結構大きな無人島が見つかってな。危険がないか特殊部隊に調査してもらいたいんだ。―――という名目でバカンスのお誘いだ」
「? 調査はしなくていいのか?」
「いや、新たに見つかった無人島だから一応調査はしてもらう。だが無人島にそんな危険があるわけないだろ?実質シロを連れて海に遊びに行くようなもんだ」
「……もしかして殿下も行くのか?」
ブレイクの問いに殿下はニヤリと笑った。
「当たり前だろう。休みをもぎ取った」
「殿下のシロ好きもアニの域に達っしてきたな。娘が愛されるのはいいことだが。シロと結婚するとか言い出さないでくれよ」
「流石のボクもシロを恋愛対象には見られない。もし息子ができたらシロと結婚させて娘にしたいとは思ってるが」
「全力で阻止してやるから安心しろ」
「冗談だ」
ブレイクの目が鋭さを帯びてきたので殿下は慌てて話を打ち切った。
「シロ~、海に行くぞ~」
「うみ~?」
ブレイクで涼をとっていたシロはよく話を聞いていなかったらしい。シロはきょとんとしている。
「そうか、シロは海に行ったことなかったな」
ブレイクはハタと気付いた。
「な~い!」
「おお! じゃあこれが初か!」
パァッと笑顔になる殿下。
「じゃあシロが無人島に行くのに必要なものはボクが買ってあげよう!! 明日は買い物に行くぞ」
「おー!」
殿下が何かを買ってくれると知って、シロは元気良く返事をした。
その瞬間―――。
ガッシャーン!!!
大きな音が食堂に響いた。
「なんの音だ?」
三人が音のした方を見ると、そこには大量の氷に埋もれたアニらしき人物がいた。その横ではエルヴィスが頭を抱えている。
「ほらシロちゃん、いつでも抱き着いておいで」
アニが真っ青な顔で言う。
「え、やだ」
「ガーン」
「そりゃそうだ。人間かき氷かお前は」
「シロがシロップかけてあげるね」
優しいシロはアニ氷にイチゴシロップをかけてあげた。
「ふんふふふーん♪」
鼻歌を歌いながらシリルが食堂に入ってきた。そしてイチゴシロップ掛けアニ氷を見る。
「うわああああああああああああ!!」
「ん?」
「驚き過ぎじゃないか?」
腰を抜かしそうなシリルを見守る一同。
「アニ……死んでる?」
シリルはよろよろとアニ氷に近付いていく。
なにも知らないシリルにはイチゴシロップが血液に見え、殺されたアニが氷漬けにされた現場に見えたのだ。さらに、青白くなったアニの顔色がその誤解を加速させた。
「アニ……。クソッ! ロリコンがそんなに罪だってのかよっ!!!」
「シリル俺生きてるよ?」
「こんな……っ、こんな無残な……」
「あれ? 聞こえてる?」
「刺されて殺された上に氷漬けにされるなんて……」
「俺刺されても殺されてもないぞ? なんなら氷漬けは自分の意志だし」
「僕が供養してあげるからね……」
「さては俺の話聞く気ないな?」
その後、氷同士がくっついてアニが脱出できなくなったのでその場にいた面々で解凍作業を行った。
「アニ~お湯かけるよ~」
「あっつっ」
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