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3.第二幕
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「まぁ、なんて素敵なの」
「色が変わる染料なんて聞いたことないぞ」
口々と野次馬貴族達が、囁く中で私とリリー伯爵令嬢の間には冷ややかな空気が漂っていました。
(さすがに子ども騙しすぎたかな)
私が次の言葉を考えあぐねていると、ルイ王子がリリー公爵にこう言いました。
「我が国の文化を踏まえた上で、こうして祝って貰えるなんて隣国にはなかなか優秀な人材がいるようだね」
彼は私たちの間の空気感など、もろともせず、にこにこと私たち二人を見比べます。
王子がそう言ったことで、これ以上私に食ってかかることを辞めたのか、
「そうですわね、ルイ」
そう頷いて、彼女はルイ王子を引っ張ってどこかへと立ち去っていきます。
二人が私の横を通りすがる時、
「それより、主催者と同じ色のドレスを着てはいけないという掟なんてあった?」
とルイ王子がリリー公爵令嬢に尋ね、
「今日私が決めたのよ」
とリリー伯爵令嬢が話しているのが聞こえてきました。
(この令嬢何でもありなのね。王子はどこに惚れたんだか)
そう思いながら、私は私たちを取り囲んでいた貴族達が散り散りになっていったのを見計らってから、
びしょびしょになっていたドレスの裾を持ち上げて、控えの間に着替えに行こうとしました。
その時、私のもとに駆け寄ってくる金髪の男性がおりました。
(彼は確かルイ王子の側近のレオ・エイベル侯爵ね)
私はきびきびとした動作の彼をみて、そう思いました。
「ギルバート男爵令嬢、お待ちを」
彼は、そう言うと少し辺りを見渡してから、私をバルコニーへと誘導します。
「エイベル侯爵、どうされたのですか」
濡れて動きにくいドレスを早く取り替えたいと思いながら、私は人気のない静かなバルコニーで彼に問いました。
「ちょっと失礼」
彼はそういうと、ハンカチを取り出し、そのハンカチを巻いた手を私のドレスの脇腹に伸ばして何かキラキラとしたものを取りました。
そして、エイベル侯爵が、持っていたシャンパングラスにそれを入れると、たちまちシャンパンから煙が立ち込めます。
私はその様子をみて、先ほど脇腹にぶつかった時に何かつけられたんだわと思ったのでした。
「これは長時間身に着けて置くと、身体に害を及ぼす危険な宝石です。また素手で触っても危険なのですよ」
「助けていただきありがとうございます」
あやうく、ドレスを着替えるときに触るところだったかも、私が内心冷や冷やしながらそう答えると
「いえいえ、麗しのご令嬢の玉手を汚すわけにはいきませんから」
そういうと、彼は控えていた侍従に私を控室へと案内するように命じたのでした。
「色が変わる染料なんて聞いたことないぞ」
口々と野次馬貴族達が、囁く中で私とリリー伯爵令嬢の間には冷ややかな空気が漂っていました。
(さすがに子ども騙しすぎたかな)
私が次の言葉を考えあぐねていると、ルイ王子がリリー公爵にこう言いました。
「我が国の文化を踏まえた上で、こうして祝って貰えるなんて隣国にはなかなか優秀な人材がいるようだね」
彼は私たちの間の空気感など、もろともせず、にこにこと私たち二人を見比べます。
王子がそう言ったことで、これ以上私に食ってかかることを辞めたのか、
「そうですわね、ルイ」
そう頷いて、彼女はルイ王子を引っ張ってどこかへと立ち去っていきます。
二人が私の横を通りすがる時、
「それより、主催者と同じ色のドレスを着てはいけないという掟なんてあった?」
とルイ王子がリリー公爵令嬢に尋ね、
「今日私が決めたのよ」
とリリー伯爵令嬢が話しているのが聞こえてきました。
(この令嬢何でもありなのね。王子はどこに惚れたんだか)
そう思いながら、私は私たちを取り囲んでいた貴族達が散り散りになっていったのを見計らってから、
びしょびしょになっていたドレスの裾を持ち上げて、控えの間に着替えに行こうとしました。
その時、私のもとに駆け寄ってくる金髪の男性がおりました。
(彼は確かルイ王子の側近のレオ・エイベル侯爵ね)
私はきびきびとした動作の彼をみて、そう思いました。
「ギルバート男爵令嬢、お待ちを」
彼は、そう言うと少し辺りを見渡してから、私をバルコニーへと誘導します。
「エイベル侯爵、どうされたのですか」
濡れて動きにくいドレスを早く取り替えたいと思いながら、私は人気のない静かなバルコニーで彼に問いました。
「ちょっと失礼」
彼はそういうと、ハンカチを取り出し、そのハンカチを巻いた手を私のドレスの脇腹に伸ばして何かキラキラとしたものを取りました。
そして、エイベル侯爵が、持っていたシャンパングラスにそれを入れると、たちまちシャンパンから煙が立ち込めます。
私はその様子をみて、先ほど脇腹にぶつかった時に何かつけられたんだわと思ったのでした。
「これは長時間身に着けて置くと、身体に害を及ぼす危険な宝石です。また素手で触っても危険なのですよ」
「助けていただきありがとうございます」
あやうく、ドレスを着替えるときに触るところだったかも、私が内心冷や冷やしながらそう答えると
「いえいえ、麗しのご令嬢の玉手を汚すわけにはいきませんから」
そういうと、彼は控えていた侍従に私を控室へと案内するように命じたのでした。
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