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第9章 10 ルドルフの帰郷 10
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カチコチ
カチコチ・・・
少しの間、2人の間に沈黙が流れた。部屋の中は静まり返り、時計が規則的に時を刻む音と、薪のパチパチとはぜる音だけが聞こえていた。
エドガーとルドルフは互いに今それぞれの考えを頭の中で思い描いていたのだ。
ルドルフはグレースとヒルダの正反対の性格の2人が一体どのように関わってきたのかを考えていた。
またエドガーはヒルダが何故突然愛するルドルフとの婚約を一方的に破棄してしまったのか・・・その心境の変化の理由を探し出そうとしていた。そしてついにエドガーはある一つの考えを導き出したのだ。
(もしかしてグレースと言う少女は・・・。)
「ルドルフ・・・。」
エドガーは口を開いた。
「はい、エドガー様。」
「今からする質問は・・・ルドルフに取って答えにくいだろうし、不愉快な思いをするかもしれないが・・包み隠さず話してくれるか?ヒルダの為にも・・・・。」
エドガーはルドルフの目をじっと見つめると尋ねた。
「ええ・・・分かりました。どうぞ、僕に話せることは・・全てお話致します。」
ルドルフは頷いた。
「そうか、ありがとう。では・・教えてくれ、ルドルフ。グレースは・・もしかすると君に好意を、持っていたんじゃないかい?」
「!」
エドガーの言葉にルドルフは一瞬肩をピクリとさせたが・・やがて頷いた。
「ええ・・そうです。僕は・・何度もグレースに告白されていました。ヒルダ様と婚約する前から・・・。ハリス様から爵位を貰うまでは・・僕はグレースたちと同じ中学だったのです。」
「そうか・・・これでもう決まりだな。」
エドガーは顎に手をやると言った。
「え・・?決まり・・とは?」
「ルドルフ、君は・・・ヒルダと婚約をするまでは・・・グレースたちと仲が良かったのだろう?」
「はい。学校にも一緒に行っていましたし・・グレースには勉強も教えていました。その時からグレースは僕に好意を持っているのは何となく気づいていました。ですが・・僕は12歳の時に初めてヒルダ様にお会いした時からずっとヒルダ様の事が好きだったので・・・グレースの気持ちには答える事は出来ませんでした・・。」
「そうか・・・。」
エドガーは寂し気に応えた。ルドルフがヒルダを好きな気持ちはエドガーにはよく理解できた。何故ならエドガーもヒルダの事を愛しているからだ。それこそルドルフよりも、もっと以前から・・ずっとヒルダだけを・・・。
「でも・・僕はヒルダ様との事は諦めていました。あの当時の僕はただの平民だったので。でもヒルダ様の落馬事故がきっかけで僕はハリス様から責任を取るように言われて男爵家の爵位を貰って・・・ヒルダ様と婚約することになったんです。」
「そうか・・父らしいな・・・。」
エドガーはフッと笑った。皮肉なことに、ルドルフが爵位を貰えたことも、ヒルダと婚約することが出来たのも、落馬事故がきっかけだったのだから。
そして・・エドガーには確信があった。ヒルダの落馬事故のきっかけはグレース達が関わっているに違いないという確信が・・・。
(きっとグレースは相当焦ったろうな・・ヒルダに大怪我を負わせてしまっただけでなく、2人が婚約するきっかけを作ってしまったのだから・・・。)
ルドルフの話はまだ続く。
「エドガー様。これはヒルダ様と婚約した後に友人達に聞かされた話なのですが・・実はグレースはクラスメイト達に嘘をついていたんです。僕がグレースに告白したと言う嘘を・・・。それだけじゃありません。グレースと僕達は恋人同士だっていう嘘を平気でついて・・皆はそれを信じて・・僕は酷く責められました。そして婚約を破棄するように言ってきたんです・・。」
「え・・?ルドルフ。今の話は・・本当なのか?グレースがルドルフに告白されたと話していたと言うのは・・。おまけにグレースとルドルフはクラスメイト達から恋人同士だと思われていたというのは・・。」
「はい、そうです・・。」
「何て事だ・・・。」
エドガーは右手で頭を押さえると俯いた。今の話で・・エドガーは理解した。
何故ヒルダが突然ルドルフとの婚約を破棄にしたのかを―。
カチコチ・・・
少しの間、2人の間に沈黙が流れた。部屋の中は静まり返り、時計が規則的に時を刻む音と、薪のパチパチとはぜる音だけが聞こえていた。
エドガーとルドルフは互いに今それぞれの考えを頭の中で思い描いていたのだ。
ルドルフはグレースとヒルダの正反対の性格の2人が一体どのように関わってきたのかを考えていた。
またエドガーはヒルダが何故突然愛するルドルフとの婚約を一方的に破棄してしまったのか・・・その心境の変化の理由を探し出そうとしていた。そしてついにエドガーはある一つの考えを導き出したのだ。
(もしかしてグレースと言う少女は・・・。)
「ルドルフ・・・。」
エドガーは口を開いた。
「はい、エドガー様。」
「今からする質問は・・・ルドルフに取って答えにくいだろうし、不愉快な思いをするかもしれないが・・包み隠さず話してくれるか?ヒルダの為にも・・・・。」
エドガーはルドルフの目をじっと見つめると尋ねた。
「ええ・・・分かりました。どうぞ、僕に話せることは・・全てお話致します。」
ルドルフは頷いた。
「そうか、ありがとう。では・・教えてくれ、ルドルフ。グレースは・・もしかすると君に好意を、持っていたんじゃないかい?」
「!」
エドガーの言葉にルドルフは一瞬肩をピクリとさせたが・・やがて頷いた。
「ええ・・そうです。僕は・・何度もグレースに告白されていました。ヒルダ様と婚約する前から・・・。ハリス様から爵位を貰うまでは・・僕はグレースたちと同じ中学だったのです。」
「そうか・・・これでもう決まりだな。」
エドガーは顎に手をやると言った。
「え・・?決まり・・とは?」
「ルドルフ、君は・・・ヒルダと婚約をするまでは・・・グレースたちと仲が良かったのだろう?」
「はい。学校にも一緒に行っていましたし・・グレースには勉強も教えていました。その時からグレースは僕に好意を持っているのは何となく気づいていました。ですが・・僕は12歳の時に初めてヒルダ様にお会いした時からずっとヒルダ様の事が好きだったので・・・グレースの気持ちには答える事は出来ませんでした・・。」
「そうか・・・。」
エドガーは寂し気に応えた。ルドルフがヒルダを好きな気持ちはエドガーにはよく理解できた。何故ならエドガーもヒルダの事を愛しているからだ。それこそルドルフよりも、もっと以前から・・ずっとヒルダだけを・・・。
「でも・・僕はヒルダ様との事は諦めていました。あの当時の僕はただの平民だったので。でもヒルダ様の落馬事故がきっかけで僕はハリス様から責任を取るように言われて男爵家の爵位を貰って・・・ヒルダ様と婚約することになったんです。」
「そうか・・父らしいな・・・。」
エドガーはフッと笑った。皮肉なことに、ルドルフが爵位を貰えたことも、ヒルダと婚約することが出来たのも、落馬事故がきっかけだったのだから。
そして・・エドガーには確信があった。ヒルダの落馬事故のきっかけはグレース達が関わっているに違いないという確信が・・・。
(きっとグレースは相当焦ったろうな・・ヒルダに大怪我を負わせてしまっただけでなく、2人が婚約するきっかけを作ってしまったのだから・・・。)
ルドルフの話はまだ続く。
「エドガー様。これはヒルダ様と婚約した後に友人達に聞かされた話なのですが・・実はグレースはクラスメイト達に嘘をついていたんです。僕がグレースに告白したと言う嘘を・・・。それだけじゃありません。グレースと僕達は恋人同士だっていう嘘を平気でついて・・皆はそれを信じて・・僕は酷く責められました。そして婚約を破棄するように言ってきたんです・・。」
「え・・?ルドルフ。今の話は・・本当なのか?グレースがルドルフに告白されたと話していたと言うのは・・。おまけにグレースとルドルフはクラスメイト達から恋人同士だと思われていたというのは・・。」
「はい、そうです・・。」
「何て事だ・・・。」
エドガーは右手で頭を押さえると俯いた。今の話で・・エドガーは理解した。
何故ヒルダが突然ルドルフとの婚約を破棄にしたのかを―。
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