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2章 7 診療所のアレン
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アレンはここ『ロータス』では数少ない整形外科なので、診療所はいつも混んでいる。職員は事務職の女性と2名の看護師で回しているが、それでも手は足りない。
患者の確認も、患者本人が診察室に入ってからカルテに目を通す有様である。
兎に角忙しいので患者を呼ぶのもアレンの仕事であった。
「次の方、どうぞ。」
アレンはカルテを広げながら患者を呼んだ。
「失礼します。」
聞き覚えのある声にアレンは顔を上げ、驚いた。
「ヒルダじゃないか?一体どうしたんだ?学校は?」
「はい、学校はわけ合って1週間お休みする事になったんです。なのでこの時間に診察をお願いしようと思い、伺いました。」
「そうか・・それじゃ足の様子を見せてくれ。」
アレンに言われてヒルダは左脚のハイソックスを脱いだ。アレンはヒルダの左足を診ながら尋ねた。
「痛みはどうだ?」
「そうですね・・・。やはり寒いと痛みます。」
「そうか・・・。なるべく患部は冷やさないようにな。」
「はい、分かりました。」
「うん・・・傷の方は1年前に比べると良くなってきている。後数年も経てば、かなり目立たなくなるだろう。リハビリも頑張れば、もっと機能が回復してくるから続けるんだぞ?」
「はい。」
「よし、それじゃ軟膏を出そう。処方箋を書いておくから向かい側の薬屋で軟膏を作って貰うように。」
アレンは顔を上げて、ヒルダを見ると言った。
「はい、分かりました。アレン先生、どうもありがとうございました。」
ヒルダは頭を下げると、立ち上がって診察室を後にした。アレンはその後ろ姿を見ながら思った。
(1週間、休むことになると言っていたが・・・一体何があったんだ?今度学園の当番医に当たった時、確認してみるか・・・。)
そしてアレンはカルテを手に取ると言った。
「次の方、どうぞ。」
事務員の女性がヒルダに処方箋を渡した。
「お大事にして下さい。」
「有難うございました。」
処方箋を受け取り、診察代を支払ったヒルダは事務員に頭を下げると外へ出た。そして行き交う人々や馬車に気を付けながら向かい側にある薬屋へと向かった。
「お願いします。」
ヒルダは処方箋を窓口に出すと、椅子に座った。この薬屋は大きな窓が付いているので外の景色が良く見える。
ヒルダの他には老夫婦もいて、窓の外を眺めている。
すると夫婦が会話を始めた。
「おじいさん、見てください。」
「ああ・・・・バスだ。バスが来たなあ・・・。」
(え?バス?)
2人の会話が偶然耳に飛び込んできたヒルダは窓の外を見た。すると目の前を列車によく似た乗り物が道路を走り去っていく姿を見た。
「あれがバス・・・。少し列車に形が似ているのね・・・。」
そしてヒルダは思った。一度乗ってみたい・・・と。
その後、ヒルダは軟膏を受け取ると、アパートメントへ足を向けた。ぬかるんだ道に気を付けながら歩くのは中々骨が折れた。途中足が痛みだしたので休憩を挟みながら、20分かけてようやくアパートメントへ辿り着く事が出来た。
そして郵便受けに手紙が届いている事に気が付いた。いつもなら郵便受けの手紙を取って来るのはカミラの役割だったが、今回たまたま手紙が入っている事に気付いたヒルダは蓋を開けて手紙を取り出すと部屋へと戻った。
コートやマフラーなどを外し、廊下にあるコート掛けのフックに掛けるとヒルダは手紙を持ってリビングへ行った。
「ふう~・・・寒いわ・・。ストーブを付けましょう。」
白い息を吐きながらヒルダは薪ストーブの蓋を開け、マッチで火をつけた。そして換気の為に一時的に窓を開けると、改めて先程届いた手紙を見て息を飲んだ。
送り主はマーガレット・フィールズ
その手紙はヒルダの母から届いたものだったのだ。
そして受取人はカミラだった—。
患者の確認も、患者本人が診察室に入ってからカルテに目を通す有様である。
兎に角忙しいので患者を呼ぶのもアレンの仕事であった。
「次の方、どうぞ。」
アレンはカルテを広げながら患者を呼んだ。
「失礼します。」
聞き覚えのある声にアレンは顔を上げ、驚いた。
「ヒルダじゃないか?一体どうしたんだ?学校は?」
「はい、学校はわけ合って1週間お休みする事になったんです。なのでこの時間に診察をお願いしようと思い、伺いました。」
「そうか・・それじゃ足の様子を見せてくれ。」
アレンに言われてヒルダは左脚のハイソックスを脱いだ。アレンはヒルダの左足を診ながら尋ねた。
「痛みはどうだ?」
「そうですね・・・。やはり寒いと痛みます。」
「そうか・・・。なるべく患部は冷やさないようにな。」
「はい、分かりました。」
「うん・・・傷の方は1年前に比べると良くなってきている。後数年も経てば、かなり目立たなくなるだろう。リハビリも頑張れば、もっと機能が回復してくるから続けるんだぞ?」
「はい。」
「よし、それじゃ軟膏を出そう。処方箋を書いておくから向かい側の薬屋で軟膏を作って貰うように。」
アレンは顔を上げて、ヒルダを見ると言った。
「はい、分かりました。アレン先生、どうもありがとうございました。」
ヒルダは頭を下げると、立ち上がって診察室を後にした。アレンはその後ろ姿を見ながら思った。
(1週間、休むことになると言っていたが・・・一体何があったんだ?今度学園の当番医に当たった時、確認してみるか・・・。)
そしてアレンはカルテを手に取ると言った。
「次の方、どうぞ。」
事務員の女性がヒルダに処方箋を渡した。
「お大事にして下さい。」
「有難うございました。」
処方箋を受け取り、診察代を支払ったヒルダは事務員に頭を下げると外へ出た。そして行き交う人々や馬車に気を付けながら向かい側にある薬屋へと向かった。
「お願いします。」
ヒルダは処方箋を窓口に出すと、椅子に座った。この薬屋は大きな窓が付いているので外の景色が良く見える。
ヒルダの他には老夫婦もいて、窓の外を眺めている。
すると夫婦が会話を始めた。
「おじいさん、見てください。」
「ああ・・・・バスだ。バスが来たなあ・・・。」
(え?バス?)
2人の会話が偶然耳に飛び込んできたヒルダは窓の外を見た。すると目の前を列車によく似た乗り物が道路を走り去っていく姿を見た。
「あれがバス・・・。少し列車に形が似ているのね・・・。」
そしてヒルダは思った。一度乗ってみたい・・・と。
その後、ヒルダは軟膏を受け取ると、アパートメントへ足を向けた。ぬかるんだ道に気を付けながら歩くのは中々骨が折れた。途中足が痛みだしたので休憩を挟みながら、20分かけてようやくアパートメントへ辿り着く事が出来た。
そして郵便受けに手紙が届いている事に気が付いた。いつもなら郵便受けの手紙を取って来るのはカミラの役割だったが、今回たまたま手紙が入っている事に気付いたヒルダは蓋を開けて手紙を取り出すと部屋へと戻った。
コートやマフラーなどを外し、廊下にあるコート掛けのフックに掛けるとヒルダは手紙を持ってリビングへ行った。
「ふう~・・・寒いわ・・。ストーブを付けましょう。」
白い息を吐きながらヒルダは薪ストーブの蓋を開け、マッチで火をつけた。そして換気の為に一時的に窓を開けると、改めて先程届いた手紙を見て息を飲んだ。
送り主はマーガレット・フィールズ
その手紙はヒルダの母から届いたものだったのだ。
そして受取人はカミラだった—。
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