かあさんのつぶやき

春秋花壇

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ゴミ屋敷

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かあさんのつぶやき

埃まみれの部屋の隅で
かあさんはつぶやく

「どうしてこうなったの」

散乱するゴミの山
かつては家族の笑顔が溢れていた場所

「もう後戻りできないの」

溜め息と共に零れる涙
後悔と絶望に打ちひしがれる

「誰か助けて…」

かすれた声は虚しく響く
誰もいないゴミ屋敷

「これが私の居場所なの」

壊れた鏡に映る自分
見知らぬ老婆の姿

「もう…終わりよ」

最後の力を振り絞るように
かあさんは立ち上がる

一歩、一歩とゴミの山を登る
目指すは薄暗い窓の光

「…外に出たい」

自由を求めて叫ぶ声
かすかに希望が灯る

「…まだ間に合う?」

未来への不安と恐怖
それでも前へ進む

「…私の人生…」

ゴミ屋敷の出口に差し掛かり
かあさんは振り返る

「…さようなら…」

かつての自分と決別
新たな一歩を踏み出す

「…これから…」

光射す未来へ
希望を胸に歩き出す

「…私は…生き…ていく…」

力強く宣言する声
かあさんの人生は再び始まる



ゴミ屋敷

薄暗い玄関を開けると、鼻を突くような異臭が立ち込めた。床には足の踏み場もないほどゴミが積み重なり、壁にはカビが生えていた。かつては家族が住んでいたこの家は、今ではゴミ屋敷と化していた。

家の中に一歩足を踏み入れると、まるで迷路に迷い込んだような感覚に襲われた。足の踏み場もないほど積み重なったゴミの山は、まるで巨大な壁のように立ちはだかっていた。古新聞、段ボール、食べ残しの容器、壊れた家電製品、ありとあらゆるものが足の踏み場もないほど散乱していた。

ゴミの隙間からかろうじて見える床は、ベタベタと粘着質な液体で覆われていた。おそらく、食べこぼしや飲みこぼしが腐敗してできたものだろう。その悪臭は、鼻をつんと刺すような刺激臭だった。

壁にはカビが生え、天井には蜘蛛の巣が張り巡らされていた。窓には光が差し込まず、薄暗い部屋はまるで異世界のようだった。

このゴミ屋敷に住んでいたのは、かつては普通の会社員だった男だ。妻と子供を亡くして以来、男は心を病み、引きこもりになってしまった。男は部屋から一歩も出ることなく、ただひたすらにゴミを溜め込み続けた。

男はゴミ屋敷の中で、孤独と絶望に苛まれていた。ゴミに囲まれた生活は、男の精神をさらに蝕んでいった。男は、ゴミ屋敷から抜け出すことさえも諦めていた。

ある日、男の家に一人の女性が訪れた。女性は、男の妹だった。男の妹は、兄の変わり果てた姿を見て、衝撃を受けた。妹は、兄をゴミ屋敷から助け出すことを決意した。

妹は、専門の業者に依頼して、ゴミ屋敷の清掃を始めた。清掃作業は数日間にわたって行われ、大量のゴミが運び出された。

清掃が完了した後、男は初めて見る太陽の光に照らされた。男は、ゴミ屋敷から解放された喜びと、新しい生活への希望を感じた。

男は、妹の助けを借りて、新しい生活を始めた。男は、カウンセリングを受け、心療内科に通院した。男は、少しずつ心の病を克服し、社会復帰を目指した。

男は、ゴミ屋敷から抜け出すことができた。しかし、ゴミ屋敷で過ごした日々は、男の心に深い傷跡を残した。男は、二度とゴミ屋敷を作らないと誓った。

男は、自分の経験を活かして、ゴミ屋敷の清掃業を始めた。男は、ゴミ屋敷で苦しんでいる人たちを助けたいという思いで、仕事に取り組んだ。

男は、ゴミ屋敷から抜け出すことは難しいということを知っている。しかし、男は諦めない。男は、一人でも多くの人がゴミ屋敷から解放されることを願っている。

男は、ゴミ屋敷の清掃を通して、人の人生を変える力を持っている。男は、ゴミ屋敷問題の解決に向けて、今日も活動を続けている。

うう、夢のある人はいいな。

今日は月曜日。ヘルパーさんがきて一緒に掃除をしている。

何度も書くが、このアパートに越してきた時には布団さえなかった。

下着も洋服も一枚もなかった。

全部捨ててきたのだ。10年たった今、押入れに入りきらないくらいのものであふれている。

これ全部、母さんが買ってきたもの。

「なんとかしろよー」

「なんとかなんねぇのかよ」

恥を忍んで、ツイッターXに画像さらそうか。

今日はものすごく頑張って、燃えるごみはヘルパーさんが来る前に全部出した。

ヘルパーさんが来てから、風呂場とトイレの掃除を頑張った。

最近、ヘルパーさんは母さんが頑張って掃除をしても、褒めてくれない。

しょぼーん。

その誉め言葉が嬉しくて、また頑張れたのにな。

死んだ母親のように、できてない不燃物のことを言われた。

言われたら素直に、線路のところに持っていけば

収集日じゃなくても捨てられるのに、なんだか元気がなくて動けなくなってる。

あーあ、とりあえず、ビンと缶だしてこようかー。

めんどくさいなー。

だるいなー。

老体に鞭うって、缶と瓶を自転車に乗せる。

収集日じゃないのにたくさんのゴミが出されている。

不燃物は週に一回だから、ここは緊急避難所。

がらがら、カチャカチャ。

それぞれの場所に置いてくる。

入れてたビニールが突風に風船のように空高く舞い上がる。

2.30メートル飛ばされて、慌てて追いかけていく。

「手間とらせやがってー」

風がきっと、がんばった母さんを応援してくれたんだね。

痛い。だるい。めんどくさい。



だけど、綺麗な部屋に住みたいんだ。
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