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暗闇の灯火
◆◆◆◆31
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起き上がったファーファナルが、二人を眩しそうに見つめながらこちらへ手を振っていた。
ロモソルーンがファーファナルに視線を向けると、
「これで、少しは借りが返せたろう」
とおどけて言っていた。
その横で、二人を見つめていたグエンに、ロモソルーンは恐ろしい表情で牙を剥いて見せると、グエンは
「ひっ」
と小さく悲鳴を上げてその場にへたり込んでしまった。
「そんな所はドラゴンらしさを失くしてないんだね」
「これは呪いだからな、ドラゴンにも戻れるぞ」
「本当に!?」
シェルが驚いて言うと、ロモソルーンは戦士らしく快活に笑い声を上げた。
人間の、男性に恋をする者が見たら、10人中10人が見惚れそうな、良い男っぷりの、カラリとした笑い方だった。
「こんな時に嘘を言ってどうする。初代国王のレリーフ、見た事あるか?」
「絵本でなら」
「ドラゴンと人間が描かれていたろう」
「綺麗な人だった」
「最近は、国王と妃が描かれていると言われているが、実はあれは両方国王だったんだ」
「え!?」
「妃の似顔絵の載った読み物は、王国図書館の貸し出し禁止図書に一冊あるだけだ。初代国王は大層なやきもち焼きだったらしい」
ロモソルーンの歩みは、シェルの駆け足よりも早く進んだ。あっという間に墓地の中心を突っ切り、出口に向かった。
「丁度いい、見せてやる」
「何を!?」
言うが早いかロモソルーンはシェルを抱え直し、歩みを速めて本当に駆け足になった。
出口の少し手前に、いまだ二人の様子を見物しており、帰ろうとしないドラゴンと人間の人垣があった。
ロモソルーンに抱えられながら、
(あの人垣をかき分けるのは大変そう)
などと思った瞬間。
ロモソルーンはその人垣めがけて跳躍した。
ロモソルーンがファーファナルに視線を向けると、
「これで、少しは借りが返せたろう」
とおどけて言っていた。
その横で、二人を見つめていたグエンに、ロモソルーンは恐ろしい表情で牙を剥いて見せると、グエンは
「ひっ」
と小さく悲鳴を上げてその場にへたり込んでしまった。
「そんな所はドラゴンらしさを失くしてないんだね」
「これは呪いだからな、ドラゴンにも戻れるぞ」
「本当に!?」
シェルが驚いて言うと、ロモソルーンは戦士らしく快活に笑い声を上げた。
人間の、男性に恋をする者が見たら、10人中10人が見惚れそうな、良い男っぷりの、カラリとした笑い方だった。
「こんな時に嘘を言ってどうする。初代国王のレリーフ、見た事あるか?」
「絵本でなら」
「ドラゴンと人間が描かれていたろう」
「綺麗な人だった」
「最近は、国王と妃が描かれていると言われているが、実はあれは両方国王だったんだ」
「え!?」
「妃の似顔絵の載った読み物は、王国図書館の貸し出し禁止図書に一冊あるだけだ。初代国王は大層なやきもち焼きだったらしい」
ロモソルーンの歩みは、シェルの駆け足よりも早く進んだ。あっという間に墓地の中心を突っ切り、出口に向かった。
「丁度いい、見せてやる」
「何を!?」
言うが早いかロモソルーンはシェルを抱え直し、歩みを速めて本当に駆け足になった。
出口の少し手前に、いまだ二人の様子を見物しており、帰ろうとしないドラゴンと人間の人垣があった。
ロモソルーンに抱えられながら、
(あの人垣をかき分けるのは大変そう)
などと思った瞬間。
ロモソルーンはその人垣めがけて跳躍した。
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