355 / 399
暗闇の灯火
◆◆◆◆32
しおりを挟む
ロモソルーンの飛び上がった高さは、民家の二階の屋根よりも高かった。
シェルは驚いて途中で目をつぶってしまったので、正確にはどこまで高くロモソルーンが飛び上がったのかまでは分からなかったが。
下の人垣から、悲鳴や歓声が上がり、グルリと回転する遠心力を味わった後、バサリと、聞きなれたロモソルーンの翼をはためかせる音が聞こえた。
恐る恐る目を開けると、シェルは、シェルが見慣れた元の姿のロモソルーンの右手に抱えられ、空を飛んでいた。
「凄い!」
「もっと褒めて良いぞ!」
「かぁっこいい!」
「おうよ!」
ドラゴンと人間の壁を飛び越えた所でロモソルーンはまたグルリと空中で一回転して漆黒の男の姿に戻った。
ドラゴンほど夜目の聞かない人間達も、改めて目の前で繰り広げられたロモソルーンの変化は流石によく見えた。
ロモソルーンの派手な行動を目の当たりにして、シェルを抱えている真っ黒な大男がロモソルーンである事に納得した。
人間達の中から『ロモソルーン様が人間に化けた』などと若干方向違いな声が上がっているが、おおむね目の前の黒い大男がロモソルーンで有る事は理解した様だった。
ロモソルーンは満足そうに一回鼻を鳴らして言った。
「この位見せつけておけば変な噂も立たないだろう」
どうやらシェルの浮気説が上がらない様に事前にわざと派手なパフォーマンスをしたらしい。
目論見通りどよめく群衆に軽く視線を送ったロモソルーンに、ベルマが言葉を投げかけた。
「早速籠るのか!?急だな。オイ。食料足りるか!?」
ベルマはロモソルーンが『巣ごもり』をする時に協力する約束をしていた。
シェルは驚いて途中で目をつぶってしまったので、正確にはどこまで高くロモソルーンが飛び上がったのかまでは分からなかったが。
下の人垣から、悲鳴や歓声が上がり、グルリと回転する遠心力を味わった後、バサリと、聞きなれたロモソルーンの翼をはためかせる音が聞こえた。
恐る恐る目を開けると、シェルは、シェルが見慣れた元の姿のロモソルーンの右手に抱えられ、空を飛んでいた。
「凄い!」
「もっと褒めて良いぞ!」
「かぁっこいい!」
「おうよ!」
ドラゴンと人間の壁を飛び越えた所でロモソルーンはまたグルリと空中で一回転して漆黒の男の姿に戻った。
ドラゴンほど夜目の聞かない人間達も、改めて目の前で繰り広げられたロモソルーンの変化は流石によく見えた。
ロモソルーンの派手な行動を目の当たりにして、シェルを抱えている真っ黒な大男がロモソルーンである事に納得した。
人間達の中から『ロモソルーン様が人間に化けた』などと若干方向違いな声が上がっているが、おおむね目の前の黒い大男がロモソルーンで有る事は理解した様だった。
ロモソルーンは満足そうに一回鼻を鳴らして言った。
「この位見せつけておけば変な噂も立たないだろう」
どうやらシェルの浮気説が上がらない様に事前にわざと派手なパフォーマンスをしたらしい。
目論見通りどよめく群衆に軽く視線を送ったロモソルーンに、ベルマが言葉を投げかけた。
「早速籠るのか!?急だな。オイ。食料足りるか!?」
ベルマはロモソルーンが『巣ごもり』をする時に協力する約束をしていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
395
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる