壊れた玩具と伝説の狼

すずひも屋 小説:恋川春撒 その他:せつ

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春のススキと白い息2ー13

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「死なんて、人が夢見る様な物じゃない、特に、未だ死ぬべきじゃない者の死は、不粋で、汚ならしくて、下品だ」
セイラの体を押さえつけていたアヤの前足が、汚れでズルリと少し滑った。
「おっと」
慌ててアヤが足の位置を直しながら、セイラに息を吹き掛けた。
セイラの体の汚れが瞬く間に綺麗になった。
「自己洗浄の魔法ぐらい使えるだろうに、いつまで汚れたままでいるつもりだ」
アヤにそう言われて、セイラは初めて自分がそう言えばもう自分は再び魔法が使えるんだって事に気がついた。
「・・・・そうか。僕、もう魔法使えるんだった」
六年間の監禁生活で、すっかり魔法を全く使わない生活様式が染み付いてしまっていた。
試しにアヤに生態洗浄の魔法をかけてみた。
魔術は上手くいってアヤが嬉しそうに身震いをした。
「必要なくても気持ちいい物だな」
アヤが喉で笑う。何故だか嬉しそうだった。
「何でうれしそうなの」
「嬉しいさ、番になって初めて使ったのが俺の為の魔法だ。
 普通、嬉しいだろう」
尻尾までゆらりと揺らした。
セイラは番、と言われてはっとした。
そうだ、自分はアヤの番になったのだ。
何となく体を見回したが、特に目がつく変化は無かった。
何か変わったのだろうか。
「僕、一度アヤに殺されて番になったんだよね?番になるって一度死ななきゃいけない程の事なの?
 何も変わってないけど」
「う、『殺・・・』お前から言われるとクるな。魂をそのままに、お前の体を一度壊して再構築したようなモノだ。
山の王が番にだけ使える力だ。山の王は長く生きるからな、同じ時を歩める様に俺を受け入れられる様に体を作り替えた」
「アヤ並みに強くなったって事?」
セイラは意味もなく腕を振ってみたが特に何も思わなかった。
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