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第二章
21楽しい食卓
しおりを挟む海近くでバーベキューをすることになったが。
「私の勝ちです!」
「私の方が多いですわ」
普通に魚を釣っるつもりが、魔力チートのヒロインと国一番の科学者がいる時点で普通のバーベキューなんて無理だった。
「最近習った捕縛魔法と光魔法で大量です」
「ふっ、私は魔道装置の地引き網のアミアミ君で大量です」
「魔法の無駄遣いだな。エレーナ嬢に関しては、その網は戦場で使うのが正しいのだが」
すべての冒険ゲーマーが涙しているだろう。
こんな使い方をされたらたまったものじゃないけど、網には海老や貝に魚が引っかかっている。
「でも採れた魚は高級魚じゃないですわね」
「そのまま焼きますか?」
確かにバーベキューにはこの魚は合わない。
そうなると網で焼くよりも鍋にした方がいいかもしれない。
「エリー、女将に頼んで大きい鉄鍋を用意してもらえる?」
「はい」
今泊ってるペンションを営んでいる女将に頼んで巨大鍋を用意してもらった。
「キャシー様、お鍋で焼くんですか?」
「違います。エリー」
「はいお嬢様」
薪を用意して水を入れて、地酒を入れる。
この地域は私の前前世でもなじみのあるがワインやウィスキーとは異なり、人気がない。
その理由は色が透明で水のようだからだ。
ウィスキーやワインが酒好きから好まれるご時世であるのだけど。
「見たことがないお酒ですね…辛い!」
「本当に…でも美味しい」
アルコール度数は強いのだけど、アルコール分解体質がある人はいる。
ちなみに私の家計は酒豪だ。
前前世もかなりの酒好き。
「海藻を入れるのか」
「魚も豪快だな」
実はいうと私はかなりの鍋好きだ。
酒と鍋は最高の相性であるが、ここら辺の海では高級魚よりも庶民が口にする魚の方が沢山獲れる。
「キャサリン、そろそろいいのではなくて?」
「はいお母様」
最後にお母様の特性味噌を使う。
お母様の実家では大豆や味噌を作っている。
特に大豆は特産物だったが、他所の領地から下に見られた。
体に良いのに。
「ああ、何でしょう」
「なんて良い香り」
「何故だ…空腹感が」
以下三名。
既に涎をたらしかねない状態だ。
これは…
「もっ…もう、食べてもいいですか」
待てをさせられている犬だわ。
貴族令嬢としてまずないわよヒロイン!
「さぁ皆さん。お召し上がりになって」
「「「はい!」」」
早かったわね。
しかも殿下、礼儀作法はどうした。
「殿下!先に毒見を…」
「必要ないです。私が食べているのです…何でしたら殿下のも食べて差し上げます」
「止めなさい意地汚い!」
ヒロインとして形無しだわ。
「遠慮する。私も食べたい」
食べるんだ…
「フィルベルト様、どうぞ」
「ああ、ありがとう」
すごく気まずいのだけど、私から器を受け取る時に手が重なる。
気のせいよね?
自意識過剰だと思いながらも気恥ずかしさが否めない。
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