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第二章

1侯爵令嬢の失態~オレリアside①

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自宅謹慎を言い渡された後に私は邸に戻り憂鬱な気分だった。
何故こんな目に合わなければならないのか解らない。

学園での事は誤解なのに。
クレイン家から手紙もキャサリンからの謝罪がまだない。


絶対に許せない。
私がこんな目に合ったのはキャサリンの不注意の所為だわ。

顔に傷を負ったとしてもたいした傷じゃない。
なのにロイドを責めてあんな真似を。


キャサリンはおかしくなってしまったのだわ。


「オレリアはいるか!」


馬車が止まる音が聞こえ、玄関からお父様の声が聞こえた。


「お父様…」

私を心配して早く仕事を切り上げてくださったのね。

「お父様…」


「お前はなんて真似をしてくれたんだ!」

「えっ?」


私を見るなり顔を真っ赤にさせて睨んだ。
怒鳴り散らし私がいかに愚かな行いをしたか怒り罵倒を浴びせられた。


「クレイン家は今回の事は公にしたくないとの事だ。キャサリン令嬢は顔に大きな傷が残り背中にも傷が残っている」

「そんな大げさな…」

「馬鹿もんが!」

「きゃあ!」


思わず私は何があったか理解できなかった。
頬に痛みが走った。

「幸いにもキャサリン嬢は今回の事でお前を咎める気はない。むしろ母に謝罪文を送っている」

「お祖母様?」

嫌な名前を聞いたわ。
お祖母様は厳格な性格で、私とは相性が悪かった。


「本来なら慰謝料を請求して糾弾されてもおかしくない。にも拘らずキャサリン嬢は自分の所為だと謝罪の手紙を送り、これ以上噂を広めないように努めてくれている…なのにお前は謝罪の手紙を書いていないそうだな」

「何故私が謝らなくてはならないの?謝るのはキャサリンでしょう?」

「本気で言っているのか」

「だって、あの事故の後から私と一緒にいないし。私を差し置いて特別クラスに」


本当は私が生徒会に入るはずだった。
なのにキャサリンが特別クラスのSクラスに入り生徒会の幹部にも推薦されたのよ。

詫びを入れるべきだわ。

「キャサリン嬢は以前から優秀だった。お前に遠慮をしてテストもわざと手を抜いていたのだぞ」

「は?」

「優秀な彼女をお前の友人にと頼み込んだが、召使のようにするとは何事だと宰相閣下もお怒りだ」

何で宰相閣下が出てくるのよ。
それに私はそんな扱いはしていないわ。

ただキャサリンは目立たないから引き立て役になるのは仕方ないわ。
幼少期から友人がいないから私が傍にいて上げていたのに。


「当初私も憤りを感じたが、お前とあの男が不義を働いていると聞いた時言葉を失った」

「何を言っているのですお父様。ロイドは友人です」

「既に友人の域を超えてる!まだ解らないのか」


私を責める言葉しか言わないお父様。
どうして私を責めるの?
誰も私を心配してくれない。

悪いのはキャサリンなのに。

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