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173逃亡の果て~エセルバートside①
しおりを挟む邸を出た後僕はなんとかして一人で生きてい行くために必死に働いた。
だけど日雇いばかりで条件は悪く。
僕に見合う仕事ではなかった。
貴族の邸で働くには推薦が必要で、職業紹介所では紹介所を書いてもらう必要もある。
だけど今の僕にそんな知り合いはいなかった。
だからこそ飛び込みで売り込んだが、門前払いだった。
特に僕の名前が知れ渡っている邸では雇ってもらえなかった。
だからカスティージョの名を捨てる為に、都合の良い女と結婚しする事でカスティージョの名を捨てることができた。
商家の娘で少し甘い言葉を囁けばコロッと騙される馬鹿な女だった。
その後にとある商人に声をかけられ良い儲け話があると聞かされ仲間に入ることにした。
「現在孤児院では慈善活動をしている爺から援助を受けている。俺達も表向きはそう言った福祉施設で金を稼いでいる」
「どうやってだ」
「なぁに、簡単な事だ。寄付金を少し誤魔化すんだ」
「金持ちから少し多めに貰って俺達の取り分にするんだ。最近は法律が見直されとかで寄付は食料になっちまったんだだよ」
男達の話曰く税金の見直しがされた所為で、孤児院や福祉施設の寄付金の見直しをされたそうだ。
その所為で寄付金を懐に入れられなくなったが、その代わり慈善活動をしている貴族や金を持っている平民から寄付された品を売りさばいている。
別に少しぐらいは問題ないだろう。
「だが最近になってチャリティーの団体のリーダーの爺が出し渋っているそうだ」
「何だと?」
「俺達の取り分がなくなる。いいかその爺を止めろ」
「少し脅せばなんとでもなるだろ」
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大丈夫だ。
所詮は世間知らずの年寄りなのだから。
そう思っていたのに。
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「待ってくださいジョイル様!」
「どう考えてもおかしいではありませんか。私はこの事を報告させていただきます」
「どうか、考え直しください!」
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「待てジョイル!」
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「なっ…何故貴方が」
「そんなことはこの際どうでもいい。今すぐ考えを改めろ」
僕の命令を聞き援助を続行しろ。
それが当然の行いなのだから。
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