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125友人
しおりを挟む「バルト・ステクスと申します」
「アリア・ハイアットです」
その日、エレンディス様の友人を紹介された。
聞けば、幼馴染で幼少期には留学されていたとか。
「今回の旅行や船の用意は全て彼がしてくれたんだ」
「ご挨拶が遅れて申し訳ございません」
「どうかお気になさらず」
「どうだ、気にしなくていい」
随分と雑な態度だわ。
親しい間柄だというのが解る。
解るんだけど。
「見るな寄るな近づくな。アリアが妊娠する」
「酷い言われようだな。誰のおかげでハッスル…」
「黙れ!」
真っ赤になってバルト様の口を塞ぐ。
「本当にお面白いな。これから楽しませてもらうぜ」
「残念だが明日には帰国する予定だ」
「は?何言ってるんだ?俺はお前達と一緒に帰国するからな」
「「は?」」
私達と一緒に帰国する?
「まぁ使者としてだが」
「聞いてないぞ」
「今初めて言った。しばらく滞在する事になっている。勿論国同士の利益の為だからお前に拒否権はあるはずもない。そうそう、スープが冷めない距離に住むからな」
「止めろ!」
「母君から許可はいただいている…近くに空き家があると聞いてな」
すごい。
他国に住むながらここまで情報を得ているなんて。
「母上…なんて恐ろしい事を」
「まぁ仲良くやろうぜ」
ポンポンと肩を叩きながらもエレンディスは心の底から嫌がっている。
「触るな!」
本当に扱いが酷いな。
ここまで遠慮がないのは本当に珍しい。
よっぽど親しい友人なのね。
「お任せください」
「アリア?」
「その時は私がお世話をさせていただきます」
スープの冷めない距離と言う事は近所付き合いも必要だものね。
「それは心強い」
「バルト…貴様は私に何の恨みがある」
「よろしくな?」
私の解らない話をしているようだけど、男の友情に女は入り込めないものだわ。
「奥様、よろしいのですか」
「え?」
「ジョナ、言っても無駄ですわ。それに他国の公爵家のご子息は使えますわ」
「エレナ…」
最近…というか、カスティージョ家を出てからエレナの性格がどんどん逞しくなっていくな。
「強かに生きなくては女生き残れませんわ」
「はい」
頼もしいな。
味方の間はだけど。
残り一日を残し新婚旅行を楽しむ私は祖国でどんなことになっているか知らずにいたのだった。
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少なくとも今週末まではできるだけ安静にした方がいいとのことで、しばらくしっかりとしたお礼(お返事)ができないため感想欄を閉じさせていただいております。
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