義妹ばかりを溺愛して何もかも奪ったので縁を切らせていただきます。今さら寄生なんて許しません!

ユウ

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124身を隠して~ジョイルside

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奥様が国を出てしばらくして。
エレナから頻繁に手紙が来て、内容を見て安堵する。


「嬉しそうですわね」

「ええ、旦那様と奥様が仲睦まじいご様子で安堵しました」

手紙には丁寧にお二人のやり取りかが書かれている。

本当に安心した。


「ジョイル、少しは肩の力を抜いてはどうかしら?」

「申し訳ありません」

「謝って欲しいわけじゃないのよ」


アリア様にはこれ以上何もしていただきたくない。
あんな連中の事で胸を痛める事もして欲しくないのだが、無理かもしれない。


「貴方も大変ね、馬鹿につけまわされて」

「あの程度の若造等、手に取る程ではございません」


そろそろ本当に家が立ち行かなくなり、第三者から借金を取り立てるべく執行人が動いた。

執行人は質の悪い借金取とは異なりちゃんとした手続きの上で行われる。
借金をしてお金を払わず逃げる人間が多い中、行政が請け負ってくれるのだ。

法律で定められ要るので支払を拒否できない。
払えないからと言う意見は通らないのだ。


お金がないなら邸や調度品にドレス宝石を売るのだろうが、カスティージョの膨れ上がった借金を返せるだけの品はない。

親族に借金を返してくれそうな人がいれば待ってもらえる。
これまではアリア様と復縁すると言って逃れていたが、そんなもの時間稼ぎに過ぎないのだから。



「取り立ては容赦なかったようね」

「ええ、領地にいるあの方も呼ばれ領地のほとんどは取り上げられました」


ある意味ではあの邸よりも、領地の権利を売った方がお金になる。
これで財をほとんど失ったも同然だろう。


「財産を失った後に、幼児虐待の裁きを受けさせる予定だけど」

「裁判で何処まで裁けるか…本人は知らないというでしょうねし」


大公殿下のご子息の孫様でも、通常の貴族とは異なるので法律が何処まで通用するか。

万一裁判が終わっても奥様にお金を無心するのは確実だろう。
その為にも私は見つからないように身を隠し、彼等を破滅させるべく行動している。


「アリアを探し回っても無駄…だから標的を変えたとは」

「どこまでも馬鹿ですな」

そんな簡単にみつかわるけがないというのに、本当におめでたい頭をした男だ。


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