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110害虫駆除計画~侯爵side②
しおりを挟む既に許容の範囲を超えている。
まぁ、最初から許す気なんてないてけど。
「既に離縁しているのですのに。本当に馬鹿なのか」
「所詮あの男も同じだった事ですわね」
「ロベスペール侯爵夫人…」
「もう夫人ではありませんわ」
「失礼しました」
長年の癖とは恐ろしいわね。
「ロベスペール侯爵」
「それで結構」
早くなれなくてはならないわね。
まぁ話を戻すとして今回の害虫駆除計画は国内から二人を逃がす事から始まる。
「第一段階は二人とあの馬鹿一家を離す事。留守中に実行に移さなくてはなりません」
既に再婚は成り立っている。
なのに復縁をするなんてできるはずがない。
「あの馬鹿男は、アリアがまだ自分を好いていると馬鹿な勘違いをしているようですわ。しかも上から目線で、アリアが頭を下げるなら許すと酒場で言っていたそうで」
「ほぉ?何様だ…既に私の養女となった事を知らぬのか?」
「大公殿下、グラスを握りつぶさないでください」
「すまぬ…しかし私としては直ぐに孫の虐待に誘拐事件と息子夫婦の過去の暴行を明るみにしたいのだがな」
お気持ちは察しますわ。
大公殿下からすれば大切なご子息を侮辱されお孫様を誘拐された時点で殺しても殺したりないのですが、ダンテ様が貴族籍から除籍している事もありまして色々複雑なのですから。
「反対派が大公殿下の立場を追い落とす可能性が御座います」
「私の事は良いのだがな」
大公殿下は今さら権力に執着する必要はないと言っておられた。
願いは国王陛下の立場と貴族派から王家を守ることができればそれでいいと思っておられる。
「それでは本末転倒でございます。王家から離れても大公殿下はずっと守っていらしたではありませんか」
大公殿下が自身が動き過ぎれば貴族派達が動くだろう。
完全な失脚を狙う馬鹿達の好きにはさせない、王家を守る我らが動かなくては。
「大公殿下が動かれるとき、それはカスティージョ家の罪の全てが明らかになった時ですわ」
「ロベスペール侯爵…」
「まぁ、既に乳児虐待を噂は流されていますわ。妻を虐待した噂も浸透しているでしょう」
「だけどまだ確実な証拠として甘い…ならば別の真実を作ればいいのでは?」
流石私の意図する行動を理解されているわ。
「再婚して幸福に暮らしているアリアにストーキング行為をする最低な男とかね?」
「社交界で既に爪はじきにされているので今度は国中の女性達の敵になっていただくわ」
その為にエレンディスが新婚旅行中に男を見せてもらわないと。
大丈夫だとは思うのだけど。
色恋に疎いからす心配だわ。
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