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24責任の取り方
しおりを挟む泣き崩れる奥様を支える侍女は私を睨んだ。
「だったらお嬢様を助けてくださるんですか!メラミン病で苦しんでいるお嬢様を!」
「え?」
「お嬢様はずっと病弱で…あの女が心無い言葉を吐きメラミン病で苦しむお嬢様の婚約者に手を出して病は悪化したのですよ」
メリッサ様…
まさかそんな真似をしたの?
「責任を取るというならメラミン病を治してみせなさい」
睨みつけながら私に告げるも。
「あの…メラミン病は薬草で治りますが」
「は?」
「メラミン病とは幼少期に何らかのアレルギーを発生しさせる病ですが、現在では薬草で治ります。コブクロ草で十分治るかと」
「コブクロ草は貴重なのよ!そんなもの…」
「どうぞ」
「クブクロ草!何で…」
そんなに貴重だったのか?
私の実家では腐る程生産できる薬草だ。
でも王都では環境が整ってないから難しいのかな?
私の趣味の家庭菜園でも作っているんだけどな。
「義妹のお詫びに他の薬草もどうぞ」
「何で…」
薬草を差し出すと奥様は私を戸惑うような目で見る。
「何で貴女は何も言わないのよ」
「え?」
「貴女は関係ないじゃない…私は貴女が関係ないと解ってて責めたのよ」
何も言わない私に怒っていたそうだけど、奥様は…
「お優しい方ですね」
「私を馬鹿にしているの!」
「ご息女を苦しめた義姉です。殺したいほど憎んでいてもおかしくないでしょうに」
「なっ!」
そんなことをする気は毛頭ないと言いたげな表情だった。
私は王都の貴族に対する考えを変えなくてはならない。
色眼鏡で見ていたのは私の方かもしれない。
「私の義妹がした事は私の罪、本来ならばメリッサに頭を下げさせるのが道理です。ですが本人はもう王都にもおりません。このような不誠実はありません」
「何をなさっているのです!」
相手側の侍女がギョッとなる。
「全ての責任は私が取ります」
頭を下げると他の人達も目を疑っていた。
「私達も心よりお詫びを」
「申し訳ありません」
エレナとジュナも頭を深々と下げる。
「ふざけないで!貴女は貴族でしょう…プライドはないの」
「大事なご息女を傷つけた罪に関係ありません」
そうだ。
人としてすべきことをしなくては。
許されるとは思っていない。
だけど償いをしなくては。
「一生憎んでください。許さないでください」
「え…」
「許されることがない罪を犯したのです」
きっと一生十字架を背負て生きて行かなくてはならないだろう。
でもその覚悟を持たなくてはならない。
「カスティージョ夫人!」
大勢のギャラリーをかき分け駆けつけてくれたのはエレンディス様だった。
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