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2匹目の四天王

戦いの後

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-side アラン-



 案の定、四天王の1人ピエロを倒して地上に戻った後、大騒ぎになった。
 国が大々的に公表したためだ。

 まあ、一応ウィリアムだけでなく、俺にも王位継承権があるからな。
 国が英雄扱いするのにもってこいというわけだ。

「王になれって言われたらこの国ごと東京湾に沈めるが。」

「俺とやることあんまり変わらないワン。」


 ポータのツッコミを華麗にスルーした俺は、王からなんとか賞をもらうために王城に来ている。

「四天王倒してよかったで賞だワン。
 ちゃんと覚えてろだワン。絶対こんな奴、王にするなんて嫌だワン。
 王子がウィリアムでよかったワン。」


「もはや、なんとか賞と言ってもいいレベルでどうでもいい名前だと思う。」

「それは否定しないワン。」


 そんなこんなで俺たちは、国王に謁見する場所に着いた。


 ウィ「主役のご登場かい?」

 ウィリアムがそう言う。
 いや、どう考えてもキラキラ度的に勝てないんですけど…。

「なかなかだね」「かっこいいぞ」

 ノアとリチャードもそう言った。
 こちらもなかなかのキラキラ度だ。


「全員揃ったな。」

 声のする方を見ると王様がいた。
 ウィリアムの親だけあって、ダンディなおじさんである。
 雰囲気的に国王も攻略キャラな気がする。
 今更ながらに運営はとんでもないゲームを作り出してしまったんだと実感する。

 横には、モブでーすという感じのお偉いさんたちがずらりと並んでいる。
 ん…?なんかあそこの隅っこにいる人モブ男くんに似てないか?あ…こっち見た。


 媚を売りたいと言う目線がほとんどだが、中には苦虫を噛み潰したような目をしているやつもいる。
 もしや、あいつらが今世の俺の両親を殺したのに手を加えているのか、と思わなくはない。後で色々調べてみるか。


「おっほん。この度、我が息子ウィリアムと、甥のアラン。
 そして、次期伯爵家当主のノアとリチャードが四天王の1人を倒した。
 よって、四天王倒してよかったで賞を与える。前へ。」

 威厳ある声色で国王がいう。

 パチパチパチパチ…
 偉い人たちが一斉に拍手をした。


 国王の元に行くと、謎の名前の勲章が俺らに授与される。
 あとはうんたらかんたら、長々と話が続いてただけだった。


 その後、今は自室でポータと寝ている。

「しっかり話を聞くワン。領地とお金を渡すと言ってたワン。」

「ふーん。まあ、俺には特に興味ないし。」

「なにを言ってるワン。与えられた領地には、ダンジョンがあるワン。」

「お!まじか。どこの領地だ。」

「自分で調べるワン。」

 そう言って、呆れたポータは部屋を出て行こうとする。
 まあ、出ていったところで、迷子扱いされるだけなのだが。


「痛いところつくでないワン。」

 気にしてたのか。


 その時だった。誰かが部屋をノックした。

「はーい。」

「失礼。少しいいかね。」


 少しいいかねという言葉の返事を聞かずに国王が入ってきた。暇なのかな?

「絶対違うワン」




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