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第1話 俺だけチートがない
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なんということだ……。
俺、桐山頼人は目の前の光景が信じられないまま呆然と立ち尽くす。
「ようこそいらっしゃった。異世界の勇者たちよ」
RPGに出てきそうな王様の格好をした男が、気の良さそうな笑顔を浮かべて俺たちを出迎えている。
ーーあの後、俺はどこかのお城で目を覚ました。俺の足元では大きな魔方陣が展開していて、高校生らしき制服を着た男女数人が俺のように倒れていた。
そしてあれやこれやという間にここに連れてこられたという訳だ。
「どこなのですかここは!? 」
制服を着た利発そうな青年が声をあげた。
「ここはレグルスという君たちの生きていた世界とはまた別の世界。君たちは勇者としてここに召喚されたのだ」
「勇者? そんなラノベみたいなことありえないわ」
セーラー服でツインテールの美少女が不満げに鼻を鳴らす。随分気が強いようだ。
しかしその反応も想定内だという風に王様は話を続ける。
「君たちはここに来る前、女神に会わなかったかね? 」
女神ーー?
いや、俺は誰にも会ってないけど……。
しかし高校生たちは思い当たる節があるらしく、はっとした表情で互いに顔を見合わせた。
え、嘘、俺だけ?
その女神に会ったことないのは。
「会った……綺麗な女の人、俺に剣術のギフトを授けると……」
「そうだわ……私に魔術のギフトをくれるって」
ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれよ!
ギフト? 女神? 俺にはそんなもの来なかったぞ。
「わ、私は治癒のギフトと言われました」
眼鏡をかけた大人しそうな女子高生が小さな声をあげた。
そして一斉に視線が俺に降り注がれる。
「ふむ、どうやら君だけ年が離れているようだね。君のギフトは何だい? 」
確かに他の三人は高校生のようだ。俺だけアラサーのおっさん。随分年が離れている。
「え、えっーと、その」
ここは嘘をつくのは得策ではない。
そう感じた俺は正直にこう答えた。
女神なんて会ってないし、ギフトなんて貰っていません。と。
そう答えたときの王様のゴミを見るような目、俺は一生忘れないだろう。
あーあ、ファンタジー世界でも俺はそんな扱いなのか、チート能力で無双! なんて奇跡は俺には起こらないんだろうな、とため息をついた。
「ま、まあ忘れているだけであろう。そう、君たちには授かったギフトを活用し、魔王を討伐して貰いたいのだ」
「魔王? すげー! ゲームみたい! 」
男子高校生が興奮ぎみに声をあげた。
「馬鹿馬鹿しいわ、そんなもの自分達で倒せば良いじゃない」
ツインテ女子は彼とは反対に冷めきっているようだ。
「そうもいかない。魔王を倒せるのは異世界より出でし勇者のみ、という伝説があるのだ。その勇者として君たちが選ばれたというわけだ」
「な、何だが怖そうですね」
「そう怯えることはない、君たちは世界最強の能力を持っているのだ。自分に自信を持って欲しい」
えーっと……俺はどうしたら良いんですかね。
「と言っても今すぐ冒険をしろと言うわけではない。しばらくこの城で休息を取り、訓練に励んで欲しい」
そんな勝手に! ツインテ女子が未だにキーキー文句を言っていたが、他の人に促されて渋々それに従ったのだった。
そして俺も、いきなり意味不明な世界に連れてこられてどうすれば良いのか分からず、ただ流されるまま足を動かした。
俺、桐山頼人は目の前の光景が信じられないまま呆然と立ち尽くす。
「ようこそいらっしゃった。異世界の勇者たちよ」
RPGに出てきそうな王様の格好をした男が、気の良さそうな笑顔を浮かべて俺たちを出迎えている。
ーーあの後、俺はどこかのお城で目を覚ました。俺の足元では大きな魔方陣が展開していて、高校生らしき制服を着た男女数人が俺のように倒れていた。
そしてあれやこれやという間にここに連れてこられたという訳だ。
「どこなのですかここは!? 」
制服を着た利発そうな青年が声をあげた。
「ここはレグルスという君たちの生きていた世界とはまた別の世界。君たちは勇者としてここに召喚されたのだ」
「勇者? そんなラノベみたいなことありえないわ」
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しかしその反応も想定内だという風に王様は話を続ける。
「君たちはここに来る前、女神に会わなかったかね? 」
女神ーー?
いや、俺は誰にも会ってないけど……。
しかし高校生たちは思い当たる節があるらしく、はっとした表情で互いに顔を見合わせた。
え、嘘、俺だけ?
その女神に会ったことないのは。
「会った……綺麗な女の人、俺に剣術のギフトを授けると……」
「そうだわ……私に魔術のギフトをくれるって」
ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれよ!
ギフト? 女神? 俺にはそんなもの来なかったぞ。
「わ、私は治癒のギフトと言われました」
眼鏡をかけた大人しそうな女子高生が小さな声をあげた。
そして一斉に視線が俺に降り注がれる。
「ふむ、どうやら君だけ年が離れているようだね。君のギフトは何だい? 」
確かに他の三人は高校生のようだ。俺だけアラサーのおっさん。随分年が離れている。
「え、えっーと、その」
ここは嘘をつくのは得策ではない。
そう感じた俺は正直にこう答えた。
女神なんて会ってないし、ギフトなんて貰っていません。と。
そう答えたときの王様のゴミを見るような目、俺は一生忘れないだろう。
あーあ、ファンタジー世界でも俺はそんな扱いなのか、チート能力で無双! なんて奇跡は俺には起こらないんだろうな、とため息をついた。
「ま、まあ忘れているだけであろう。そう、君たちには授かったギフトを活用し、魔王を討伐して貰いたいのだ」
「魔王? すげー! ゲームみたい! 」
男子高校生が興奮ぎみに声をあげた。
「馬鹿馬鹿しいわ、そんなもの自分達で倒せば良いじゃない」
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