いたずらはため息と共に

常森 楽

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6.さんにん

345.まだ

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目が合って、心臓が飛び出るんじゃないかと思った。
「千陽は、どこが一番好きかな?」
なにをされてるのか、わからないけど…。
なかで指がうごめいているのはわかった。
クイッと臍の下が内側から押される。
「んぁっ…!」
「ここ、好き?」
そのまま撫でるように何度も。
自分でさわったことのある場所。
バイブでも、いつも当たっているであろう場所。
イったことなんてない。
一度も。
いつも蕾に刺激がないと、イけない。
…なのに、ぐわんと視界が歪むみたいに、快感がお腹の内側からやってくる。
「普通、なかでイくには開発が必要なはずなんだけど…。ああ、でもお前はバイブ挿れてるんだった。穂は、自分でさわったこともないのにイったんだよ?感度良すぎだよね」
あたしは、そんな話聞く余裕なんてないのに、なんてことないみたいに永那は話し続ける。
「昨日の穂、可愛かったなあ…」
「ぁぁっ…あっ…」
「子供みたいに、ずっと甘えてきて…公認浮気も、なかなか悪くないね」

彼女の手は、前に穂がされていたときと同じように、激しく見えない。
なのに、次から次へと快感が押し寄せてきて、背中が仰け反ったまま、ガクガクと絶頂を迎える。
汗が滲む。
「千陽は、ここは…反応しないんだよね」
“ここ”と言われても、あたしにはよくわからない。
さっきの場所とは違うのはわかるけど…。
「ハァ、ハァ」と呼吸を繰り返すあたしを、永那はずっと見ている。
「やっぱ、反応なしか」
…だめ、なのかな?
唾を飲んだ瞬間、蕾に刺激が与えられる。
「ぁっ…」
「千陽、可愛いよ」
「ぁああっ…あっ、あぁッ…」
ずるい…。ずるい。
ビクン ビクンと体が揺れる。

「エロ動画で見たみたいに、やっぱ、おっぱい大きいとすごい揺れるんだね」
乳房が包まれて、ぬくもりを感じた。
寒さなんて感じていないけど、こう触れられると、体が冷たくなっていたのだとわかる。
…それとも、永那の手が、あったかいだけなのかな。
「じゃあ、お前の感じるとこね」
指が奥に入ってきて、バイブとは全然違う刺激に、体が悦ぶ。
「穂は“おしっこ出ちゃう”ってよく言ってるよ」
そこ、なんだぁ…。
「未だに出ないから、今度大量に飲み物飲ませてからヤろうかな?って思ってる」
悪戯を企む子供みたいな顔をする。
…羨ましい。羨ましい。穂が、羨ましい。
「お前は、出そう?」
首を横に振ると「ふーん」と永那が頷く。
そのまま、あたしがイくまで快楽に襲われ続けた。

イっても…何度も、何度も。
こんなにイったことなんてないってくらい、イかせられた。
たまにあたしが反応しないのを見て、蕾にも触れられる。
穂にシてもらったとき以上に嬌声が出て、恥ずかしさで、汗が吹き出る。
ぐちゅぐちゅと、下から音が奏でられて、余計に恥ずかしさが増す。

「うつ伏せになって」
あ…聞いたこと、ある、やつ…。
あたしが息を整えていると「千陽」と叱るように呼ばれる。
あたしのなかから指が抜かれる。
プルプルと、力の入らない手を震わせながら、うつ伏せになる。
…穂は、こんな感じだったんだ。
お尻を上げられて、「やっ…」と手をバタつかせる。
電気、ついたままなのに…!
「やだっ…やっ」
「そんな嫌?もう、やめようか?」
「電気、ハァッ消してよ~…お願い…」
「ハァ」とため息をついて、電気が消される。
ホッとする。

ホッとしたのも束の間、ぬるっとなかに彼女が入ってくる。
「ぁぁあっ」
「“ありがとう”は?」
「あ…あり…あり、がとう…ハァッ」
「千陽のおっぱい揺れるとこ、じっくり見たかったのに」
さっきと同じ場所を撫でられる。
「てかさ、私…気持ち良さそうにしてる顔見るのが好きなのに…。暗くちゃ、見にくいじゃん」
「ご、ごめ…んぅっ、あッ」
「ちゃんと、気持ち良かったら“気持ち良い”って言えよ?イくとき、“イく”って言えよ?…じゃなきゃ、やめるから」
「…うんっ」

気持ち良いところが撫でられ続ける。
「ハァッあぁっ…ぁっ」
「おい」
「気持ちいい…きも、ちぃ…よ…ぁぁっ、あっ」
蕾に触れられて「ああッ…!」背中が仰け反る。
「あぁ…っ、きもちぃ、きもちぃハァッ…ああッ」
立てられた膝が、震えて、体勢を保てなくなる。
永那に支えられて、行為が続く。
「ぁっ…な、なにっ…なにっ?」
「あ?なにが?」
「変…変、なの…っ、ぁッ」
ビリビリと電流を流されてるみたいな…おかしく、なりそう。
「あぁっ、きっ…きもちぃッ…ハァッハァッ…ぁっ」
ガクガクと痙攣を起こす。
「あー…クリトリスね。皮捲ったの」
これ、かぁ…。
気持ち良すぎて、涙がひとすじ、零れた。
「この姿勢だと、ちょっとやり難いけど…」
そのまま、蕾に刺激を与え続けてくれる。
「あんまやり過ぎると、刺激強すぎて、すぐ萎んじゃうんだよな。“程よく”が大事なんだよ」
知らないよ…。
「ぁぁっ、あッ…きもちぃ…ぃっ」
体に力が、全然入らない。
なのに、痙攣は止まらなくて、自分の体が自分のじゃないみたいな気分になる。
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