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6.さんにん
346.まだ
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「お前さ?ちゃんとイくとき、“イく”って言って?」
「ご、ごめ…ハァッハァッ、ごめんね…」
「ハァ」と永那がため息をつく。
「次は…穂が好きなとこね」
膣が掻き回される。
「フんんぅっ」
「ここ」
グッと肛門が押される感覚。
「ぁぁあっ」
「気持ち良い?」
「わ、わかんないっ…けど、あぁっ…」
蕾に触れられる。
今度は、ビリビリした感覚がなかった。
「あぁぁっ…きもちぃぃッ、ハァッあっ」
少し…少しだけ、気持ちよさが、わかる。
汗が流れ落ちる。
「あぁっ、イくっ、イくぅッ…あぁっイ…く…」
あたしの体、壊れないかな?大丈夫かな?
どこもかしこも、痙攣が止まらなくて。
胸を揉まれて、ビクッと体が跳ねる。
いや…跳ねたのかも、わからない。
「すげーな、マジで。なんで今までさわんなかったのかなあ?もっとさわっておけば良かったよ」
乳頭を指先で弄くられて、肛門を押される。
「まあ、私は穂のが好きだけど」
永那のバカ。
…絶対、わざと、ずっと穂の名前出してる。
そんなことしなくたって、わかってるよ。
わかってる。
あたしは、永那の恋人にはなれない。
そんなの、わかってる。
散々見てきた。
永那に気持ち良くしてもらって、本気で好きになっちゃって、振られた人達。
あたしは…そんなふうには、ならない。
ならない、から。
「もっと、さわって」
胸が、ズキズキと痛んで、涙が溢れる。
「永那の、好きに…して、いいから」
部屋が暗くて、良かった。
浮気相手で、いいから。
あたし、穂のことだって、本気で好きだし。
べつに…べつに…平気だし。
幸せ…だし…。
「好きにって言ったって…お前、毎回穂に言うじゃん」
「だめ、なの?」
「まあ…隠し事は、良くないけどさ。好きにできないでしょ?って話」
「そっ…か…。ごめん…」
「千陽さ、謝りすぎじゃない?ホント、自信あんだかないんだかわかんないやつ」
「んぁっ」
繊細なものを扱うみたいに優しかった手つきが、快楽へと導いてくれるように動き始める。
穂の好きなところの意味がわかったあたり…意識が朦朧として、何も、考えられなくなったあたりで、永那があたしを寝かせた。
布団をかけてくれて、ティッシュで額の汗を拭ってくれる。
「もう5時過ぎてんのか」
永那がスマホを見る。
家の中は真っ暗で、スマホの光が永那の顔を煌々と照らした。
「休んだら、家まで送るから」
穂にメッセージでも送っているのか、指を動かしている。
「永那」
「ん?」
「好き」
「おー」
永那はスマホから目を離さない。
「好き」
フフッと笑って「知ってる」と答えられる。
「大好き」
返事は、もうない。
どこまでも一方通行。
泣かない。
こんなことでは、もう、泣かない。
慣れた痛み。
「電気、つけるよ」
「うん」
パチッと明かりがついて、眩しくて目がチカチカした。
永那が隣に座る音がして、薄く目を開く。
髪を撫でられて、ドキッとする。
目を閉じた。
彼女から与えられる心地よさだけに意識を集中する。
離れてしまって、目を開ける。
「飲み物取ってくる」
そう言って、部屋から彼女がいなくなる。
天井を眺めた。
…あたし、帰ったら、泣いちゃいそう。
よく、男女の営みでは、ヤった後に男の賢者タイムがあるなんてネットでは見たけど。
その賢者タイムが、女性に寂しい思いをさせる…みたいな。
永那は当然、賢者タイムというより、彼女自身は気持ち良くなっていないのだから、冷静だ。
それが、寂しい。
穂には…違うんだろうな。
優しく抱きしめてあげたり、するんだろうな。
「ハァ」とため息を零すと、永那がペットボトルを持って戻ってきた。
「はい」
手渡される。
穂は…口移しで飲ませてくれた。
それに…永那、穂には、飲ませてあげてたな。
あたしは布団を片腕で押さえながら起き上がって、お茶を飲む。
蓋を閉めて「ありがと」と返す。
隣に座る永那は、あたしが閉めた蓋を開けて、ゴクゴクお茶を飲み始めた。
…間接キス…なんて。
前はドキドキしてたな。
「ちょっとは休まった?歩けそう?」
「…まだ」
下唇を噛んで、俯く。
「ハァ」という永那のため息で、胸が抉られるように痛んだ。
永那が立ち上がって、あたしは唇を強く噛む。
そんな、あからさまに…嫌がらなくたって…いいじゃん。
我慢できていたはずなのに、視界がボヤけていく。
穂より気持ち良かった。
でも、穂より冷たくて、悲しい。寂しい。
穂…穂…穂に、会いたい。
でも、穂が会いたいのは、永那で…。
ああ…。
ポタッと涙が布団に落ちた瞬間、背中にぬくもりを感じた。
「え…?」
永那の白い腕が、布団ごとあたしを抱きしめる。
「寄りかかっていいよ」
瞬きするたびに、瞳に溜まっていた雫が落ちた。
「ん?」
顔を覗きこまれる。
「え!?なんで泣いてんの?」
あたしは慌てて指で拭う。
「べつに」
「は?“べつに”じゃないでしょ?…なに?…怖かった?痛かった?…あ、フラッシュバック…とか…」
心配そうに彼女の瞳が揺らぐ。
だからあたしは嬉しくなって、口元が緩む。
「え?なに?…どうしたの?マジで」
「ご、ごめ…ハァッハァッ、ごめんね…」
「ハァ」と永那がため息をつく。
「次は…穂が好きなとこね」
膣が掻き回される。
「フんんぅっ」
「ここ」
グッと肛門が押される感覚。
「ぁぁあっ」
「気持ち良い?」
「わ、わかんないっ…けど、あぁっ…」
蕾に触れられる。
今度は、ビリビリした感覚がなかった。
「あぁぁっ…きもちぃぃッ、ハァッあっ」
少し…少しだけ、気持ちよさが、わかる。
汗が流れ落ちる。
「あぁっ、イくっ、イくぅッ…あぁっイ…く…」
あたしの体、壊れないかな?大丈夫かな?
どこもかしこも、痙攣が止まらなくて。
胸を揉まれて、ビクッと体が跳ねる。
いや…跳ねたのかも、わからない。
「すげーな、マジで。なんで今までさわんなかったのかなあ?もっとさわっておけば良かったよ」
乳頭を指先で弄くられて、肛門を押される。
「まあ、私は穂のが好きだけど」
永那のバカ。
…絶対、わざと、ずっと穂の名前出してる。
そんなことしなくたって、わかってるよ。
わかってる。
あたしは、永那の恋人にはなれない。
そんなの、わかってる。
散々見てきた。
永那に気持ち良くしてもらって、本気で好きになっちゃって、振られた人達。
あたしは…そんなふうには、ならない。
ならない、から。
「もっと、さわって」
胸が、ズキズキと痛んで、涙が溢れる。
「永那の、好きに…して、いいから」
部屋が暗くて、良かった。
浮気相手で、いいから。
あたし、穂のことだって、本気で好きだし。
べつに…べつに…平気だし。
幸せ…だし…。
「好きにって言ったって…お前、毎回穂に言うじゃん」
「だめ、なの?」
「まあ…隠し事は、良くないけどさ。好きにできないでしょ?って話」
「そっ…か…。ごめん…」
「千陽さ、謝りすぎじゃない?ホント、自信あんだかないんだかわかんないやつ」
「んぁっ」
繊細なものを扱うみたいに優しかった手つきが、快楽へと導いてくれるように動き始める。
穂の好きなところの意味がわかったあたり…意識が朦朧として、何も、考えられなくなったあたりで、永那があたしを寝かせた。
布団をかけてくれて、ティッシュで額の汗を拭ってくれる。
「もう5時過ぎてんのか」
永那がスマホを見る。
家の中は真っ暗で、スマホの光が永那の顔を煌々と照らした。
「休んだら、家まで送るから」
穂にメッセージでも送っているのか、指を動かしている。
「永那」
「ん?」
「好き」
「おー」
永那はスマホから目を離さない。
「好き」
フフッと笑って「知ってる」と答えられる。
「大好き」
返事は、もうない。
どこまでも一方通行。
泣かない。
こんなことでは、もう、泣かない。
慣れた痛み。
「電気、つけるよ」
「うん」
パチッと明かりがついて、眩しくて目がチカチカした。
永那が隣に座る音がして、薄く目を開く。
髪を撫でられて、ドキッとする。
目を閉じた。
彼女から与えられる心地よさだけに意識を集中する。
離れてしまって、目を開ける。
「飲み物取ってくる」
そう言って、部屋から彼女がいなくなる。
天井を眺めた。
…あたし、帰ったら、泣いちゃいそう。
よく、男女の営みでは、ヤった後に男の賢者タイムがあるなんてネットでは見たけど。
その賢者タイムが、女性に寂しい思いをさせる…みたいな。
永那は当然、賢者タイムというより、彼女自身は気持ち良くなっていないのだから、冷静だ。
それが、寂しい。
穂には…違うんだろうな。
優しく抱きしめてあげたり、するんだろうな。
「ハァ」とため息を零すと、永那がペットボトルを持って戻ってきた。
「はい」
手渡される。
穂は…口移しで飲ませてくれた。
それに…永那、穂には、飲ませてあげてたな。
あたしは布団を片腕で押さえながら起き上がって、お茶を飲む。
蓋を閉めて「ありがと」と返す。
隣に座る永那は、あたしが閉めた蓋を開けて、ゴクゴクお茶を飲み始めた。
…間接キス…なんて。
前はドキドキしてたな。
「ちょっとは休まった?歩けそう?」
「…まだ」
下唇を噛んで、俯く。
「ハァ」という永那のため息で、胸が抉られるように痛んだ。
永那が立ち上がって、あたしは唇を強く噛む。
そんな、あからさまに…嫌がらなくたって…いいじゃん。
我慢できていたはずなのに、視界がボヤけていく。
穂より気持ち良かった。
でも、穂より冷たくて、悲しい。寂しい。
穂…穂…穂に、会いたい。
でも、穂が会いたいのは、永那で…。
ああ…。
ポタッと涙が布団に落ちた瞬間、背中にぬくもりを感じた。
「え…?」
永那の白い腕が、布団ごとあたしを抱きしめる。
「寄りかかっていいよ」
瞬きするたびに、瞳に溜まっていた雫が落ちた。
「ん?」
顔を覗きこまれる。
「え!?なんで泣いてんの?」
あたしは慌てて指で拭う。
「べつに」
「は?“べつに”じゃないでしょ?…なに?…怖かった?痛かった?…あ、フラッシュバック…とか…」
心配そうに彼女の瞳が揺らぐ。
だからあたしは嬉しくなって、口元が緩む。
「え?なに?…どうしたの?マジで」
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