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4.踏み込む
225.疲労
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朝目覚めた瞬間から全身がダルくて、起き上がるのが辛かった。
熱を測ると、39度あって、目眩がした。
久しぶりの熱。
小学生ぶりかな。
咳も鼻水も出ていない。
全然風邪っぽくはないけど、とにかくダルい。
…こんなに風邪っぽくない熱の出し方は初めてだ。
永那ちゃんと千陽に、うつしていないといいけれど。
「姉ちゃん?」
「ごめん…誉…今日、熱ある」
「え!?大丈夫!?…俺、学校休もうか?」
誉の頭を撫でる。
いつも生意気だけど、優しい子。
「大丈夫だよ、ちゃんと学校行って?」
「…わかった。すぐ帰ってくるから」
「ありがとう」
誉を見送ってから、私はバナナを食べて、薬を飲んだ。
学校に連絡をする。
今日は、本当は生徒会で文化祭の反省会をする日だった。
だから副生徒会長の2人にも連絡をした。
汗を拭くためのタオルと飲み物をテーブルに置いた。
冷却シートを額に貼り付けて、ベッドに寝転ぶ。
寝たいのに眠れない。
スマホの通知が鳴って、見ると、千陽からメッセージがきた。
小学生のとき、熱を出しても1人だった。
ただのメッセージと言ってしまえばそれまでかもしれないけど、学校に行かなかったことを友達が気づいてくれて、連絡してくれるなんて初めてのことで、嬉しい。
気持ちが上向いたからか、不思議と目を閉じたら眠れた。
何度か目を覚まして、お茶を飲んで、フラフラとトイレに行った。
本当は汗をかいていたから着替えたかったけど、そんな体力はなく、またベッドに倒れた。
誉が帰ってきて、お粥を作ってくれた。
お昼に何も食べていなかったから嬉しい。
冷却シートを貼りかえてくれて、頭がひんやりして気持ち良かった。
ウトウトしていたら、インターホンが鳴った。
永那ちゃんが走ってきてびっくりしたけど、抱きしめられて、なんだか安心した。
千陽も来てくれて…こんなふうに家族以外の誰かから心配されるのは、嬉しいものなのだと、初めて知る。
「穂、すごい汗」
永那ちゃんが頭を撫でてくれる。
「着替える?」
私が頷くと、誉が部屋から出ていく。
永那ちゃんがクローゼットからルームウェアと下着を出してくれる。
千陽は床に座った。
「2人とも…ごめんね、迷惑かけて」
「迷惑なんかじゃない。穂、すごい頑張ってたから。…私達が、休ませてあげなかったんだし」
シャツを脱がされる。
…少し、恥ずかしい。
「拭くね」
永那ちゃんが、背中の汗を優しくタオルで拭ってくれる。
水に濡らしたタオルが気持ちいい。
「ハァ」と小さく息が溢れた。
永那ちゃんに後ろから抱きしめられて、ボーッとしていた脳が冴える。
「穂、好きだよ」
その優しい声音に、速くなりかけた鼓動は、落ち着きを取り戻していく。
「私も、永那ちゃんが好き」
抱きしめられたまま、永那ちゃんは私の胸元に手を伸ばして、タオルで拭いてくれる。
…たしかに、谷間に汗は溜まりやすいけど…なんか、変な気分になる。
「え、永那ちゃん…あんまり、近づいたら、また、うつっちゃうよ」
「そんなの、どうでもいいよ。むしろうつって穂の具合が良くなるなら…」
「だめ。私が、心配し過ぎて、心がもたなくなるから」
「…そっか」
そのままブラのホックを外される。
千陽もいるし…もう、彼女にも裸を見られてしまったけれど…でも、それでも、恥ずかしい。
腕を交差させて、隠す。
永那ちゃんがフッと笑って、膝立ちになって、頭を撫でてくれる。
「可愛い穂」
そんな…そんな、優しい目で、見下ろされながら言われたら…胸が、ギュッとする。
永那ちゃんを見ていたら、額にキスを落とされる。
新しいブラをつけてもらって、シャツも着させてくれた。
汗で湿ったシャツを着ていたから、これだけでなんだかスッキリする。
布団を捲られると、足がスースーした。
こっちも、汗で布が湿っている。
私が自分で脱ぐと、永那ちゃんは、太ももから足先まで、丁寧にタオルで拭いてくれる。
あまりに優しい手つきで、彼女の白くて細長い指先が、魅惑的に見えて仕方ない。
ゴクリと唾を飲んで、ジッと彼女を見ていた。
そしたら急にこっちを見て微笑むから、また胸がドキドキする。
「どした?」
私は小さく首を横に振って、俯く。
…私だって誉にこんなに丁寧にやってあげたことない。
両足を拭き終えて、永那ちゃんが畳んであるショーツとパンツを広げた。
「ショーツは…自分で、できるから…」
永那ちゃんが左眉を上げて、ニヤリと笑う。
「やってあげるのに」
「いい!」
布団をかぶって、その中で穿き替える。
脱いだショーツの行方をどうすればいいかわからず、畳んで手の中で丸めていると、布団を剥いで、永那ちゃんに取られた。
わたされたパンツを穿いて寝転ぶと、体が少し軽くなったような気がする。
布団をかけてくれて、永那ちゃんが顔のそばに座った。
頭を撫でてくれる。
千陽もベッドに座って、手を握ってくれた。
彼女も優しく微笑んでくれる。
…な、なんか…なんか、すごく、贅沢なような…夢みたいな…私って、すごく幸せ者なのでは…。
2人を見ていたら、その間にある時計が視界に入った。
「え、永那ちゃん…!そろそろ、帰らないといけないんじゃない?…ご、ごめんね、私のせいで」
朝目覚めた瞬間から全身がダルくて、起き上がるのが辛かった。
熱を測ると、39度あって、目眩がした。
久しぶりの熱。
小学生ぶりかな。
咳も鼻水も出ていない。
全然風邪っぽくはないけど、とにかくダルい。
…こんなに風邪っぽくない熱の出し方は初めてだ。
永那ちゃんと千陽に、うつしていないといいけれど。
「姉ちゃん?」
「ごめん…誉…今日、熱ある」
「え!?大丈夫!?…俺、学校休もうか?」
誉の頭を撫でる。
いつも生意気だけど、優しい子。
「大丈夫だよ、ちゃんと学校行って?」
「…わかった。すぐ帰ってくるから」
「ありがとう」
誉を見送ってから、私はバナナを食べて、薬を飲んだ。
学校に連絡をする。
今日は、本当は生徒会で文化祭の反省会をする日だった。
だから副生徒会長の2人にも連絡をした。
汗を拭くためのタオルと飲み物をテーブルに置いた。
冷却シートを額に貼り付けて、ベッドに寝転ぶ。
寝たいのに眠れない。
スマホの通知が鳴って、見ると、千陽からメッセージがきた。
小学生のとき、熱を出しても1人だった。
ただのメッセージと言ってしまえばそれまでかもしれないけど、学校に行かなかったことを友達が気づいてくれて、連絡してくれるなんて初めてのことで、嬉しい。
気持ちが上向いたからか、不思議と目を閉じたら眠れた。
何度か目を覚まして、お茶を飲んで、フラフラとトイレに行った。
本当は汗をかいていたから着替えたかったけど、そんな体力はなく、またベッドに倒れた。
誉が帰ってきて、お粥を作ってくれた。
お昼に何も食べていなかったから嬉しい。
冷却シートを貼りかえてくれて、頭がひんやりして気持ち良かった。
ウトウトしていたら、インターホンが鳴った。
永那ちゃんが走ってきてびっくりしたけど、抱きしめられて、なんだか安心した。
千陽も来てくれて…こんなふうに家族以外の誰かから心配されるのは、嬉しいものなのだと、初めて知る。
「穂、すごい汗」
永那ちゃんが頭を撫でてくれる。
「着替える?」
私が頷くと、誉が部屋から出ていく。
永那ちゃんがクローゼットからルームウェアと下着を出してくれる。
千陽は床に座った。
「2人とも…ごめんね、迷惑かけて」
「迷惑なんかじゃない。穂、すごい頑張ってたから。…私達が、休ませてあげなかったんだし」
シャツを脱がされる。
…少し、恥ずかしい。
「拭くね」
永那ちゃんが、背中の汗を優しくタオルで拭ってくれる。
水に濡らしたタオルが気持ちいい。
「ハァ」と小さく息が溢れた。
永那ちゃんに後ろから抱きしめられて、ボーッとしていた脳が冴える。
「穂、好きだよ」
その優しい声音に、速くなりかけた鼓動は、落ち着きを取り戻していく。
「私も、永那ちゃんが好き」
抱きしめられたまま、永那ちゃんは私の胸元に手を伸ばして、タオルで拭いてくれる。
…たしかに、谷間に汗は溜まりやすいけど…なんか、変な気分になる。
「え、永那ちゃん…あんまり、近づいたら、また、うつっちゃうよ」
「そんなの、どうでもいいよ。むしろうつって穂の具合が良くなるなら…」
「だめ。私が、心配し過ぎて、心がもたなくなるから」
「…そっか」
そのままブラのホックを外される。
千陽もいるし…もう、彼女にも裸を見られてしまったけれど…でも、それでも、恥ずかしい。
腕を交差させて、隠す。
永那ちゃんがフッと笑って、膝立ちになって、頭を撫でてくれる。
「可愛い穂」
そんな…そんな、優しい目で、見下ろされながら言われたら…胸が、ギュッとする。
永那ちゃんを見ていたら、額にキスを落とされる。
新しいブラをつけてもらって、シャツも着させてくれた。
汗で湿ったシャツを着ていたから、これだけでなんだかスッキリする。
布団を捲られると、足がスースーした。
こっちも、汗で布が湿っている。
私が自分で脱ぐと、永那ちゃんは、太ももから足先まで、丁寧にタオルで拭いてくれる。
あまりに優しい手つきで、彼女の白くて細長い指先が、魅惑的に見えて仕方ない。
ゴクリと唾を飲んで、ジッと彼女を見ていた。
そしたら急にこっちを見て微笑むから、また胸がドキドキする。
「どした?」
私は小さく首を横に振って、俯く。
…私だって誉にこんなに丁寧にやってあげたことない。
両足を拭き終えて、永那ちゃんが畳んであるショーツとパンツを広げた。
「ショーツは…自分で、できるから…」
永那ちゃんが左眉を上げて、ニヤリと笑う。
「やってあげるのに」
「いい!」
布団をかぶって、その中で穿き替える。
脱いだショーツの行方をどうすればいいかわからず、畳んで手の中で丸めていると、布団を剥いで、永那ちゃんに取られた。
わたされたパンツを穿いて寝転ぶと、体が少し軽くなったような気がする。
布団をかけてくれて、永那ちゃんが顔のそばに座った。
頭を撫でてくれる。
千陽もベッドに座って、手を握ってくれた。
彼女も優しく微笑んでくれる。
…な、なんか…なんか、すごく、贅沢なような…夢みたいな…私って、すごく幸せ者なのでは…。
2人を見ていたら、その間にある時計が視界に入った。
「え、永那ちゃん…!そろそろ、帰らないといけないんじゃない?…ご、ごめんね、私のせいで」
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