いたずらはため息と共に

常森 楽

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4.踏み込む

215.疲労

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彼女が私のなかで動き続ける。
「穂…もう、いいよ…」
「いつも私ばっかりイってる…」
悪戯を企む子供みたいに笑みを浮かべている。
私は眉を上げて、口角も上げて、彼女を見下ろす。
「私を、イかせたいの?」
彼女がコクリと頷く。
「いいよ…やってみて」
片手で乳房を揉んで、もう片方の乳房を、彼女は舐める。
私のなかに入っている手をクチュクチュと音を立てながら動かす。
…上手くないけど、一生懸命さが伝わってきて、キュンキュンする。
「穂」
乳首をしゃぶったまま、彼女がこちらを見る。
…可愛すぎ。
「指、曲げてみて?お腹のほうに…」
彼女は眉頭に力を込めながら、手を動かす。
「それで、ちょっと、窪んでる…ザラッとしてるところ…わかる?」
自分で説明してて、恥ずかしくなってくる。
「ここ?」
くいっ、くいっと気持ちいいところを押される。
「そ、こ…」
気持ちよくて、腰が曲がる。
へへと彼女が笑って、楽しそうに指を動かす。

私がクリトリスに手を伸ばすと「これも、教えて?」と言われる。
フゥーッと息を吐く。
彼女の、私の胸を揉んでいる手の親指を掴む。
自分のクリトリスに彼女の親指の平を押し付ける。
「ここ、硬いの、わかる?」
彼女の指が動く。
私は目を閉じて「ハァ」と吐息を溢す。
「これ?」
「んー…もう少し、下」
指が移動して、ピンポイントに気持ちいいところを撫でられる。
ギリッと奥歯が鳴る。
「そう、そう…ハァ…それで、左右に、動かして」
止まっていた、なかの指も動き出す。
「これでいいの?」
「んっ…きも、ちぃ、よ…」
彼女の肩に両手をつく。

微妙にぎこちないのが、もどかしい。
たまに気持ちいいところからズレるから、なかなかイけそうにはない。
正常位のほうが、穂もやりやすかったよね。
…でも、個人的に、正常位は好きじゃない。
私が寝るのは“女性”を強調させられるかのようで、なんか嫌だ。
女性であることは否定しないけど、女性を強調したくはない。
そういう、私の、わがまま。

「穂…そろそろ、イきたい」
「…ごめんね、下手で」
悲しそうな瞳を向けられる。
「初めてなんだから、こんなもんだよ」
彼女が俯く。
「穂、なかの指は動かしてて?」
頷いて、親指をどける。
私は自分の手をクリトリスに伸ばす。
「穂、好き」
永那えなちゃん、大好き」
彼女の笑顔だけでイけそうだ。
「んっ、ッぁあっ…」
薄く目を開いたまま…彼女に見つめられたまま…ビクッビクッと痙攣して、私はイく。
そのまま彼女を抱きしめる。
「ハァ」
肺にある空気を全部吐き出す。
ドクドクと心臓が鳴っている。
ゆっくり彼女の指が抜かれる。
彼女の肩に両手をつきながら、少し距離を取ると、彼女は興味深げに指を眺めた。
私と穂の顔の間で、愛液がべっとりついた手を眺めているから、思わず顔をそらす。

チラリと横目で見ると、彼女は指を嗅いでいた。
「…穂…なにしてるの…」
「どんな匂いかな?って…」
へへへと笑いながら、彼女が指をしゃぶる。
…またこの子は…そういうことするんだから…。

ネグリジェを脱がせて、彼女をベッドに押し倒す。
彼女が生まれたままの姿になる。
私はブラトップを元に戻して、ショーツを穿く。
まだ彼女の割れ目が濡れているか、指で撫でて確認する。
ピクッと体が動いたし、まだ濡れていたからホッとする。
優しく彼女の胸を揉む。
ほんの少し、指のすき間から溢れる彼女の乳房が、心地いい。
頭を撫でてくれて、甘やかされてる感じがして、照れくさい。
さっきつけた赤い花が消えかかっているから、もう一度、彼女の肌に吸い付く。
両方の乳房を手の平で揉みながら、親指と人差し指で乳首を優しく抓る。
「ぁっ…ハァッ…」

片方の乳首を口に含む。
粒を舌先で押しながら舐めると、彼女の体が反応する。
唇で挟んで、突起の先端をチロチロと舐める。
彼女のクリトリスに触れる。
さっきさわったときよりも、少し萎んでいた。
手全体を使って恥部を撫でてあげると、少しずつ、クリトリスが硬さを戻していく。
…本当はキスしたいけど、極力、彼女の割れ目を舐めた後はキスしないように意識している。
我慢できなくなるときもあるけど…意識できてるときは、そうしてる。
自分の愛液がついているかもしれないのに、キスしたくないよね?…という、自分なりの配慮。
もしかしたら穂は、あまり気にしないのかもしれないけど。

中指と薬指を、クリトリスに当てる。
ゆっくり、円を描くように撫でる。
「んぁっ、ッあっ」
彼女が、乳房を揉んでいる私の左腕をギュッと掴む。
それが嬉しくて、クリトリスに触れる指の圧を強める。
左右に動かす。
「ぁあっ、んっ…ッぁぁっ」
彼女はビクビクと痙攣して、腰を浮かせる。
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