199 / 321
第十四章 親と子
14-3 ナギサイド
しおりを挟む
さて、目の前にいる、こいつらが、カチュアの言っていた、国境付近で守備している帝国兵か。
「おや? これは、これは、皇女様に似た方がいますね。噂の偽物ですか? それに、緑の髪。この時点だと、あの子が、妖精族という確証はありませんが、捕らえて確認しましょう」
目の前には、帝国兵。そして、なんかムカつく喋り方をする男が、私たちの前に出てきた。
すると、細目で奴らを見ていた、マリンが。
「お前はピッグか? ガロンの部下の?」
ピッグって、豚? それにしては、体格が細身の男性だな。あ! 家畜の豚は太らせているが、実際の豚は意外とスリムなんだっけ?
すると、マリンが小声で。
「いいのか? あいつの相手を任せることになる。奴は勇能力を持っているよ」
「勝てる保証はないが、予定は変えない」
普段、やる気を出さないレオだが、自ら進んで、危険な道を通るなんて。何だかんだ、人情が厚いのか?
「私もだ」
「俺達のことは気にしないでいってくれ」
「分かった。無理はするな。でも、最初は、妾が仕掛けないと」
マリンが深呼吸して、目を瞑った。魔術の詠唱か。私もミラから魔道具を作ってもらったから、幾つかの魔術は扱える。だが、ここは、マリンの魔術じゃないとうまくいかないだろう。
「さあ! 捕らえよ!」
ピッグの部隊兵が一斉に襲い掛かってきた。けど、私達の目的はエドナを連れてダグザへ無事に向かうこと。なら、先手必勝。
「闇をいざなえ!」
マリンの闇の魔術で構成させた黒い霧がピッグの部隊兵を襲った。
「ぐっぐるしい……」
黒い霧の中に入っている者は息苦しそうになっている。てか、とても、人にぶつけるよな魔術じゃない。明らかに村一つを飲み込むような広範囲魔術だよこれ。
「こしゃくな!!!」
シューーーーン!!!
「何! あれは?」
ピッグ達が怯んでいる隙に、メリアの愛馬である首のない馬デュラハンモドキに乗ったエドナとマリン、そして、カチュアが物凄い速さで、ピック達の横を通り去った。
そう、マリンの魔術は目眩《めくらま》しだったんだ。火力は明らかに、殺しにいっているものだが。
しかし、カチュア達はもう見えなくなってしまった。こうして、考えると、カチュアと離れるのは初めてだな。私が目覚めてから、カチュアとずっと一緒にいたから。ツッコミどころはあるけど、やはり、私の近くには、ティアのような、天然ボケがいないと、調子狂うな。まあ、今は戦闘だ! 早く終わらせよう。
「あ! 待って!」
ピッグが、カチュア達に振り向いたところで。
「わぁぁぁぁぁぁ!!!」
空中に舞う、兵士達。
「オラ! オラ! オラァァァ!!!」
メリアは光を纏った、メイスを何度か、地面に叩きつけていた。
地面に叩きつけるたび、衝撃波が放たれ、その衝撃波で兵士達が吹き飛ばされていった。
攻撃方法が豪快過ぎて、地形変わるじゃねえのか、これ。あの威力で、勇能力を持っていないから、恐ろしいんだよな。
「よくもやっ……」
恐らく、「よくもやったな!」と言い方ようとした途中で、容赦なく……。
「ぐぅおおおお!!!」
メリアが投げた槍がピッグの胸元に命中した。普通だったら、死んでいたが、勇能力特有の障壁を貼っているのか。
てか、ピッグ以外、殆ど、メリアが倒しちゃったよ。さすがは、傭兵国の王女。恐ろしい程の戦闘力。
「オラ! オラ! オラァァァ!!!」
次々と槍を投げつけるメリア。どこから、そんな大量な槍がでてくるかと思えば、収納魔術でしまってあった槍を取り出して、次々と投げつけていた。
「くっそが!!!」
プックウウ! カッチーーーン!
ピッグの右腕が風船のように膨らんだ。
「調子に、乗るなよ!!!」
ピッグはメリア目掛けて殴りかかったが、メリアは上手く避けた。
ドッカーーーン!!!
えーーー!!! 地面がえぐられている! これは、ただ、腕を、風船のように膨らませているのではない。鋼鉄化でもしないと、ここまで地面がえぐられている、はずがない。鋼の風船か。
「貴様らを先に倒さないとだな! 俺達に逆らったこと後悔させてやる!!」
また来る! 私は右腕を魔物の頭に変形させて、その口から黒い炎を吐き出した。
「ぐっ! 苦しいいい!!」
魔物の頭といっても、今の私の器を変形させただけの見せかけ。だけど、構造は魔物そのものだから、魔物の心臓代わりになる魔石をはめ込んだ、魔道具と一緒に使うことで、魔物と同じ攻撃方法が可能になった。
「なめるな!!」
巨大化させた腕から、さらに強化魔術を使ったかのような、光を出した。やはりと言うべきか、魔術の発動が早すぎる!
慌てて、私は避けたが、ピッグの拳が、地面にぶつかった。その衝撃で石片が飛び散っていた。
「うう!!」
その飛び散った、石片がメリアの腹部に直撃してしまった。
「大丈夫か!?」
「何とか……」
やはり、魔術の発動が早いかどうかで、戦いの優劣が変わるな。でも、やらなきゃか。
「おや? これは、これは、皇女様に似た方がいますね。噂の偽物ですか? それに、緑の髪。この時点だと、あの子が、妖精族という確証はありませんが、捕らえて確認しましょう」
目の前には、帝国兵。そして、なんかムカつく喋り方をする男が、私たちの前に出てきた。
すると、細目で奴らを見ていた、マリンが。
「お前はピッグか? ガロンの部下の?」
ピッグって、豚? それにしては、体格が細身の男性だな。あ! 家畜の豚は太らせているが、実際の豚は意外とスリムなんだっけ?
すると、マリンが小声で。
「いいのか? あいつの相手を任せることになる。奴は勇能力を持っているよ」
「勝てる保証はないが、予定は変えない」
普段、やる気を出さないレオだが、自ら進んで、危険な道を通るなんて。何だかんだ、人情が厚いのか?
「私もだ」
「俺達のことは気にしないでいってくれ」
「分かった。無理はするな。でも、最初は、妾が仕掛けないと」
マリンが深呼吸して、目を瞑った。魔術の詠唱か。私もミラから魔道具を作ってもらったから、幾つかの魔術は扱える。だが、ここは、マリンの魔術じゃないとうまくいかないだろう。
「さあ! 捕らえよ!」
ピッグの部隊兵が一斉に襲い掛かってきた。けど、私達の目的はエドナを連れてダグザへ無事に向かうこと。なら、先手必勝。
「闇をいざなえ!」
マリンの闇の魔術で構成させた黒い霧がピッグの部隊兵を襲った。
「ぐっぐるしい……」
黒い霧の中に入っている者は息苦しそうになっている。てか、とても、人にぶつけるよな魔術じゃない。明らかに村一つを飲み込むような広範囲魔術だよこれ。
「こしゃくな!!!」
シューーーーン!!!
「何! あれは?」
ピッグ達が怯んでいる隙に、メリアの愛馬である首のない馬デュラハンモドキに乗ったエドナとマリン、そして、カチュアが物凄い速さで、ピック達の横を通り去った。
そう、マリンの魔術は目眩《めくらま》しだったんだ。火力は明らかに、殺しにいっているものだが。
しかし、カチュア達はもう見えなくなってしまった。こうして、考えると、カチュアと離れるのは初めてだな。私が目覚めてから、カチュアとずっと一緒にいたから。ツッコミどころはあるけど、やはり、私の近くには、ティアのような、天然ボケがいないと、調子狂うな。まあ、今は戦闘だ! 早く終わらせよう。
「あ! 待って!」
ピッグが、カチュア達に振り向いたところで。
「わぁぁぁぁぁぁ!!!」
空中に舞う、兵士達。
「オラ! オラ! オラァァァ!!!」
メリアは光を纏った、メイスを何度か、地面に叩きつけていた。
地面に叩きつけるたび、衝撃波が放たれ、その衝撃波で兵士達が吹き飛ばされていった。
攻撃方法が豪快過ぎて、地形変わるじゃねえのか、これ。あの威力で、勇能力を持っていないから、恐ろしいんだよな。
「よくもやっ……」
恐らく、「よくもやったな!」と言い方ようとした途中で、容赦なく……。
「ぐぅおおおお!!!」
メリアが投げた槍がピッグの胸元に命中した。普通だったら、死んでいたが、勇能力特有の障壁を貼っているのか。
てか、ピッグ以外、殆ど、メリアが倒しちゃったよ。さすがは、傭兵国の王女。恐ろしい程の戦闘力。
「オラ! オラ! オラァァァ!!!」
次々と槍を投げつけるメリア。どこから、そんな大量な槍がでてくるかと思えば、収納魔術でしまってあった槍を取り出して、次々と投げつけていた。
「くっそが!!!」
プックウウ! カッチーーーン!
ピッグの右腕が風船のように膨らんだ。
「調子に、乗るなよ!!!」
ピッグはメリア目掛けて殴りかかったが、メリアは上手く避けた。
ドッカーーーン!!!
えーーー!!! 地面がえぐられている! これは、ただ、腕を、風船のように膨らませているのではない。鋼鉄化でもしないと、ここまで地面がえぐられている、はずがない。鋼の風船か。
「貴様らを先に倒さないとだな! 俺達に逆らったこと後悔させてやる!!」
また来る! 私は右腕を魔物の頭に変形させて、その口から黒い炎を吐き出した。
「ぐっ! 苦しいいい!!」
魔物の頭といっても、今の私の器を変形させただけの見せかけ。だけど、構造は魔物そのものだから、魔物の心臓代わりになる魔石をはめ込んだ、魔道具と一緒に使うことで、魔物と同じ攻撃方法が可能になった。
「なめるな!!」
巨大化させた腕から、さらに強化魔術を使ったかのような、光を出した。やはりと言うべきか、魔術の発動が早すぎる!
慌てて、私は避けたが、ピッグの拳が、地面にぶつかった。その衝撃で石片が飛び散っていた。
「うう!!」
その飛び散った、石片がメリアの腹部に直撃してしまった。
「大丈夫か!?」
「何とか……」
やはり、魔術の発動が早いかどうかで、戦いの優劣が変わるな。でも、やらなきゃか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
11
1 / 2
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる