豹変したお兄様に迫られました【R18】

Rila

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20.追いつめられる①

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 私はドキドキしながら、ルシエルの指先を見つめていた。
 彼の長い指先は私のブラウスのボタンを一つづつ外していく。その度に私の肌が露わになる。

「そんなに僕の手元を真剣に見つめて、本当にフィーは可愛いね」
「……っ」

 彼は私の視線に気付いたのか、クスッと楽しそうに笑う。
 突然笑われてしまい、私は一人動揺していた。
 初めてのことではあるが、私ばかりが緊張して恥ずかしい。
 どうして、ルシエルはこんなにも余裕があるのだろうと少し不思議に思った。

「お兄様は、なんでそんなに落ち着いていられるんですか?」

 私は気になったことを思わず口にしてしまう。
 考えてみれば、容姿端麗で、成績も優秀。さらには公爵家の嫡男という、魅力あるものばかり持っているというのに、どうして今までルシエルには婚約者も恋人もいなかったのだろう。
 突然の私の言葉に、ルシエルは一瞬目を細めた。

「フィーは今、何を考えているのかな?」

 彼は私の心を見透かすかのように、じっと鋭い視線を向けてきた。
 私はハッとして、その時自分の発言を後悔した。
 それからなんとなく気まずさを感じて視線を逸らしらしてしまう。

(何でこんなこと言っちゃったんだろう……)

 私が動揺から俯いていると、彼の手が伸びてきて私の髪を一房指にとった。
 視界に彼の手が映り、私の心臓はさらにドキドキと脈打ち始める。

「当ててあげようか」
「……っ」

 不意にふわりと耳元に彼の吐息がかかる。
 突然耳元で囁かれ、私は小さく体を震わせた。

「なんてね。フィーには僕が落ち着いているように見えているのか」
「違うんですか?」

 ルシエルの言葉を聞いて私はおそるおそる顔を上げて、疑うように彼を見た。
 視線が合うと、彼はふっと小さく笑って私の手首を掴み、自分の胸元へと移動する。

「あ……」
「どう? これでもまだ、僕に余裕があると思う?」

 掌から彼の心拍がはっきりと伝わってくる。
 それは私と同じの速さを脈打っており、彼も興奮状態にあることが分かると、私は疑ってしまったことを後悔した。

「必死に態度を表に出さないようにしているだけだよ。最初から本能を剥き出しにしたら、フィーに怖がられてしまうかもしれないからね。まあ、フィーがそっちのほうを好むというのなら、もう我慢はしないけど」
「……っ、疑ってごめんなさい」

 自分が言ったことを恥じて、私は慌てて謝った。

「疑ったってなにを?」
「それはっ、その……、他の令嬢と、こういう行為をしたことがあるのかなって……」

 私は言いずらそうにしながらも白状した。
 ルシエルの前では直ぐに心を見破られてしまうので嘘を付くことは無理だと気付いたし、誤解だと分かったら急に安心して口が勝手に動いてしまった。

「そんなことを考えていたのか。残念だけど、外れかな。僕は元々フィー以外には全く関心がなかったからね。だけど、まさかそんな風に疑われていたなんて、少しショックだな」
「ご、ごめんなさいっ……!」

 彼は大袈裟にため息を漏らす。そんな姿を見て、私は慌てるように再び謝った。
 すると彼の口端が僅かに上がり、胸元をトンっと押される。

(え……?)

 何も警戒をしていなかった私の体はふわりと倒れ、視界が一瞬揺らぎ気付くと天井を見上げていた。
 それから間もなくすると、直ぐに彼の顔が視界に映り込んできて至近距離まで迫ってくる。
 
「謝らなくていいよ。これから、僕がフィーのことしか頭にないというのを、しっかりと心と体に思い知らせてあげるから。そうしたら、はっきり誤解だと分かるはずだ」
「……っ」

 彼はにっこりと微笑んでいるのに、その瞳はとても鋭く『逃がさない』と言われているかのように感じて、ぞくりと全身に鳥肌が走った。
 きっと、彼は怒ってる。そんな気がした。
 
「暫くの間は僕達のことを咎める人間もいないだろうし、全身に僕の証を刻んであげる。フィーが二度と変な誤解を持たないように、ね」

 ルシエルはうっとりとした表情を浮かべると、そのまま私の首元に顔を埋めた。
 彼の手によってボタンは全て外されているので、私の体は無防備な状態で簡単に触られてしまう。
 首筋に柔らかいものが触れたかと思うと、ちゅっというリップ音を響かせ、それは場所を変えるように移動していく。
 
「……ぁっ、まって……」

 突如として愛撫が始まり、心の準備が出来てなかった私は慌ててそんな台詞を口にする。
 すると、直ぐに「もう、待つつもりはないよ」と即答され、愛撫が深まっていく。
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