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外伝  章努の話 

やっぱり国境近くがいいのだろうか

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 グビッシュ王国は魔王を退ける事に成功し、一応安全らしい。
 一方のロンドロッグは完全に魔王の勢力下になってしまい、もはや国を脱出する以外生きる望みはないという話だ。

 だからと言って国境付近が安全とは思えねえが、難民達はいずれロンドロッグへ戻りたいからと、国境近くから動かない。

 一部グビッシュ王国の王都へ向かった連中がいるらしい。
 現状を訴える為なのか、見切りをつけて移住を行ったのかは知らん。
 そしてピートロネラは難民の世話で忙しい。
 付け加えるならば、色々あってピートロネラと共にやってきた侍女と女騎士は近くに居ない。
 で、エルフのねーちゃん達が代わる代わる世話をする事になったようだ。
 誰の?ピートロネラだな。
 なんだかんだで自分の事はあまりできないらしい。

 当初服を自ら着る事が出来なかったと聞いて俺は驚いた。
「皇女というのはあらゆる仕事を生み出します。私は要らないと言ったのですが、身の回りを世話する係と言うものがありまして、私が否定すれば彼女達は職を失います。税の無駄使いとお思いかもしれませんが、皇族というのはこうした余裕を国民に見せる事で権威を主張し、かつ安心させる事が出来ると何度も言われ、仕方なく私が折れたのです。」

 わからん。自分で着替えもできないバカ女を作り上げただけだろうと思ったが、ピートロネラは中々機転が利いて賢い・・・・と俺は思っている。
 まあたまに天然らしいやらかしがあるようだが、
「私、そんなに変わった女でしょうか?」
「女というか少女だろう?まだ15歳だし?」
「そうですか。私はショー様こそ不思議な方だと思ってましたが、私も不思議だったのですね。」

 よくわからん。
 そんな時バイエンスのおっさんが、
「私からすればおふた方は似たもの同士で御座いますな。」
 俺と何処が似ているんだ?

 そうそう、エルフのねーちゃん達の俺に接する態度はあれから可也変わっちまった。
 以前のようなのがいいが、
「私達をお救い下さった救世主様ですから、無下にはできません。それに以前程魔力の枯渇にはなりませんので、ショー様から頂く必要はございませんもの。バイエンス様から直で頂くので間に合いますし。」
 時に意味不明な事を言うねーちゃん達。
「ショー殿、悪い事は言わぬので、ピートロネラ皇女おひとりにしておく事を提唱しておきますぞ。」

 時に不可解な事を言うバイエンスのおっさん。
 ねーちゃん達が抱き着かなくなったのは少し寂しいが、どうやらバイエンスのおっさんと結婚?した事が影響しているらしい。
 この世界は沢山の異性と結婚できるのか。
 スゲエな!

 そして俺は今、忙しい。
 何が忙しいって、魔王の襲撃を追っ払ったらしいグビッシュ王国でも影響は避けられなかったらしい。
 その後始末?をしている。
 何の後始末って思うだろう?
「ショー殿、そんな所で油を売っていないで次は東ですぞ!」
「あーまた出たのかよ!少しは休ませろよ!」
 俺の担当は魔物の駆除だったりする。
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