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外伝 章努の話
難民は何もかも不足している
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着の身着のままこの地へ逃げ延びてきた難民達。
追手から逃げてきたとはいえ、物資と金、双方を持ち合わせていた章や、貴金属を換金し、かつ国境を越えてからも商人と行動を共にしていたピートロネラは恵まれていた。
衣食住の全てに関し、金があるので何とかなっていたからだ。
だが難民は違う。
魔王に国を滅ぼされ、体一つで何とか脱出、運が良ければ逃げる時にいくばくかの荷物を手にし持ち出せた可能性もあるが、そんなのはほんの一握り。
あらゆる物資がなかったが、その1つに幼児用の着替えも含まれていた。
ピートロネラは難民の世話をしつつ、困惑していた。
大人はいい。
だが自分で何もできない乳幼児はどうなのか?せめて乳幼児には不自由とは言わないが、何とか生活する上でまともな場と物資を提供したい。
だが乳幼児用の物資は、後回しにされているのが現実。
そんな時、章の荷物を見た。
章が日本より持ち込んだ荷物を整理する事になり、ピートロネラはそれに付き合っていた。
何せ衣類が多い上に、女物が多かったからだ。
「言っておくがこれは全部実の姉貴のだからな!時間が無かったからたまたま居た風呂の脱衣所で片っ端からカゴに入れてしまっていたから持って来たんだ!勘違いすんじゃねえ!」
ピートロネラは心が痛んだ。
時間がなかったのは、自分が急かしたからに他ならなかったからだ。
「ショー様申し訳ありません。時間がなかったのは私のせいですわ。しかし異界の女性はこのような衣類を身に纏うのですね。」
そ、それは胸部装甲!姉貴のだから別にそんなの見ても何とも思わねえが。
「それと、こちらは・・・・幼児用の衣類でしょうか?」
「あ?ああそれな、姉貴にはまだ1歳の子がいてな、その子に着させていたロンパースだな。」
「ロンパースで御座いますか?」
「そうだ!」
ピートロネラは悩んだ。
難民の女性が抱えている幼子で、この大きさが合いそうな子は沢山いる。
「ショー様、ロンパースなる衣類、難民の幼子にお貸し願えませんか?」
「あ??貸すだあ?別に持っていても仕方ねえから渡してもいいぞ?着かせ方とかわかるのか?」
俺は何度かやった事がある。
姉貴が風呂に入っている間に頼まれたりする事があったからだ。
「いえ、皆目見当も付きませんの。」
「じゃあ母親と子供を連れて来い!後、布があって縫う事の出来る奴がいれば同じのを作ったらどうだ?」
「そうですね。検討いたしますわ。それと、ありがとうございます。難民を連れてきますので、少々お待ちを。」
ピートロネラは直ぐに3人程幼子を抱えた女性を連れてきた。
「ショー様、ご指導の程お願いいたしますわ。」
「・・・・分かったが、もう少し女の格好何とかならんのか?胸が殆ど丸見えじゃねえか!つうか姉貴の服を使ってもらえや!」
「ありがとうございます。さあ、皆さんショー様のご慈悲に感謝なさい。そして貸し与えるので、後に布も用意いたします。同じ物を作るのです。」
「「「感謝いたします皇女様!」」」
俺は先に母親の衣類を正す事にし、その後ロンパースの扱いを指導した。
ロンパースはあっという間に広がっていった。
追手から逃げてきたとはいえ、物資と金、双方を持ち合わせていた章や、貴金属を換金し、かつ国境を越えてからも商人と行動を共にしていたピートロネラは恵まれていた。
衣食住の全てに関し、金があるので何とかなっていたからだ。
だが難民は違う。
魔王に国を滅ぼされ、体一つで何とか脱出、運が良ければ逃げる時にいくばくかの荷物を手にし持ち出せた可能性もあるが、そんなのはほんの一握り。
あらゆる物資がなかったが、その1つに幼児用の着替えも含まれていた。
ピートロネラは難民の世話をしつつ、困惑していた。
大人はいい。
だが自分で何もできない乳幼児はどうなのか?せめて乳幼児には不自由とは言わないが、何とか生活する上でまともな場と物資を提供したい。
だが乳幼児用の物資は、後回しにされているのが現実。
そんな時、章の荷物を見た。
章が日本より持ち込んだ荷物を整理する事になり、ピートロネラはそれに付き合っていた。
何せ衣類が多い上に、女物が多かったからだ。
「言っておくがこれは全部実の姉貴のだからな!時間が無かったからたまたま居た風呂の脱衣所で片っ端からカゴに入れてしまっていたから持って来たんだ!勘違いすんじゃねえ!」
ピートロネラは心が痛んだ。
時間がなかったのは、自分が急かしたからに他ならなかったからだ。
「ショー様申し訳ありません。時間がなかったのは私のせいですわ。しかし異界の女性はこのような衣類を身に纏うのですね。」
そ、それは胸部装甲!姉貴のだから別にそんなの見ても何とも思わねえが。
「それと、こちらは・・・・幼児用の衣類でしょうか?」
「あ?ああそれな、姉貴にはまだ1歳の子がいてな、その子に着させていたロンパースだな。」
「ロンパースで御座いますか?」
「そうだ!」
ピートロネラは悩んだ。
難民の女性が抱えている幼子で、この大きさが合いそうな子は沢山いる。
「ショー様、ロンパースなる衣類、難民の幼子にお貸し願えませんか?」
「あ??貸すだあ?別に持っていても仕方ねえから渡してもいいぞ?着かせ方とかわかるのか?」
俺は何度かやった事がある。
姉貴が風呂に入っている間に頼まれたりする事があったからだ。
「いえ、皆目見当も付きませんの。」
「じゃあ母親と子供を連れて来い!後、布があって縫う事の出来る奴がいれば同じのを作ったらどうだ?」
「そうですね。検討いたしますわ。それと、ありがとうございます。難民を連れてきますので、少々お待ちを。」
ピートロネラは直ぐに3人程幼子を抱えた女性を連れてきた。
「ショー様、ご指導の程お願いいたしますわ。」
「・・・・分かったが、もう少し女の格好何とかならんのか?胸が殆ど丸見えじゃねえか!つうか姉貴の服を使ってもらえや!」
「ありがとうございます。さあ、皆さんショー様のご慈悲に感謝なさい。そして貸し与えるので、後に布も用意いたします。同じ物を作るのです。」
「「「感謝いたします皇女様!」」」
俺は先に母親の衣類を正す事にし、その後ロンパースの扱いを指導した。
ロンパースはあっという間に広がっていった。
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