俺の親友がモテ過ぎて困る

くるむ

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「お待たせ―、蒼空」

元気な声が教室に響く。
陽翔の声にクラスのみんながパッとこちらに顔を向けた。
向けて……、目聡い奴が驚きの声を上げた。

「手、繋いでる!」
「え? うわっ、ホントだ!」

途端にザワザワし始める教室で、陽翔がしてやったりと口角を上げる。

「バレちゃったね。由羽人」
「……陽翔」

何と言っていいのか分からずに、困った時の神頼みだ。俺は視線を蒼空へと向けた。

目が合った蒼空は、多分俺の立場を察してくれたのだろう。『ああ……』と言う表情をして、まったく関係の無い言葉を発した。

「遅いぞー、待ちくたびれちまった。それ、俺のお茶だろ?」
「ああ。悪い悪い。ホイ」

蒼空に声を掛けられた陽翔は、俺の手は離さずにそのまま俺を引っ張って席に戻った。

「サンキュ。じゃあ食べようか。時間、あんま無いぞ」
「おう」

普通にお昼を食べる態勢になったので、ホッとしてお箸を手に取る。
モグモグマグモグ食べることに集中していたら、蒼空がニヤリと笑った。

「お前ら付き合うことにしたんだな」

「……っ、ぐふぉっ!!」

「うわっ、おいっ! 大丈夫か!?」

吹き出しそうになって慌てて口を押えて飲み込もうとしたせいで、喉につかえて咳込んだ。
ゲホゲホとむせる俺に、陽翔が慌てて背中を摩る。

「うわわ、ごめん。いくら由羽人でも、そこまで恥ずかしがり屋だとは思わなかった。もう冷やかしたりしないから許してなー」

「ハハ。そうしてやって。俺は由羽人と付き合えてメッチャ嬉しいから、どんどん言ってって感じだけど、由羽人は純情だからなー。な、由羽人?」

そう言って、陽翔がとてつもなく甘い表情で俺を見る。

……だから、だからそんな顔で見られたら……。

見る見るうちに熱くなる俺の頬。瞬きが増える俺の顔に目を細めて、陽翔が指で俺の頬をなぞる。


途端に煩くなる外野と比例して、俺の心臓もバクバクと煩くなっていくのに、陽翔は満足そうに笑みを深くした。
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