10 / 30
見られてる…… 2
しおりを挟む
「お待たせ―、蒼空」
元気な声が教室に響く。
陽翔の声にクラスのみんながパッとこちらに顔を向けた。
向けて……、目聡い奴が驚きの声を上げた。
「手、繋いでる!」
「え? うわっ、ホントだ!」
途端にザワザワし始める教室で、陽翔がしてやったりと口角を上げる。
「バレちゃったね。由羽人」
「……陽翔」
何と言っていいのか分からずに、困った時の神頼みだ。俺は視線を蒼空へと向けた。
目が合った蒼空は、多分俺の立場を察してくれたのだろう。『ああ……』と言う表情をして、まったく関係の無い言葉を発した。
「遅いぞー、待ちくたびれちまった。それ、俺のお茶だろ?」
「ああ。悪い悪い。ホイ」
蒼空に声を掛けられた陽翔は、俺の手は離さずにそのまま俺を引っ張って席に戻った。
「サンキュ。じゃあ食べようか。時間、あんま無いぞ」
「おう」
普通にお昼を食べる態勢になったので、ホッとしてお箸を手に取る。
モグモグマグモグ食べることに集中していたら、蒼空がニヤリと笑った。
「お前ら付き合うことにしたんだな」
「……っ、ぐふぉっ!!」
「うわっ、おいっ! 大丈夫か!?」
吹き出しそうになって慌てて口を押えて飲み込もうとしたせいで、喉につかえて咳込んだ。
ゲホゲホとむせる俺に、陽翔が慌てて背中を摩る。
「うわわ、ごめん。いくら由羽人でも、そこまで恥ずかしがり屋だとは思わなかった。もう冷やかしたりしないから許してなー」
「ハハ。そうしてやって。俺は由羽人と付き合えてメッチャ嬉しいから、どんどん言ってって感じだけど、由羽人は純情だからなー。な、由羽人?」
そう言って、陽翔がとてつもなく甘い表情で俺を見る。
……だから、だからそんな顔で見られたら……。
見る見るうちに熱くなる俺の頬。瞬きが増える俺の顔に目を細めて、陽翔が指で俺の頬をなぞる。
途端に煩くなる外野と比例して、俺の心臓もバクバクと煩くなっていくのに、陽翔は満足そうに笑みを深くした。
元気な声が教室に響く。
陽翔の声にクラスのみんながパッとこちらに顔を向けた。
向けて……、目聡い奴が驚きの声を上げた。
「手、繋いでる!」
「え? うわっ、ホントだ!」
途端にザワザワし始める教室で、陽翔がしてやったりと口角を上げる。
「バレちゃったね。由羽人」
「……陽翔」
何と言っていいのか分からずに、困った時の神頼みだ。俺は視線を蒼空へと向けた。
目が合った蒼空は、多分俺の立場を察してくれたのだろう。『ああ……』と言う表情をして、まったく関係の無い言葉を発した。
「遅いぞー、待ちくたびれちまった。それ、俺のお茶だろ?」
「ああ。悪い悪い。ホイ」
蒼空に声を掛けられた陽翔は、俺の手は離さずにそのまま俺を引っ張って席に戻った。
「サンキュ。じゃあ食べようか。時間、あんま無いぞ」
「おう」
普通にお昼を食べる態勢になったので、ホッとしてお箸を手に取る。
モグモグマグモグ食べることに集中していたら、蒼空がニヤリと笑った。
「お前ら付き合うことにしたんだな」
「……っ、ぐふぉっ!!」
「うわっ、おいっ! 大丈夫か!?」
吹き出しそうになって慌てて口を押えて飲み込もうとしたせいで、喉につかえて咳込んだ。
ゲホゲホとむせる俺に、陽翔が慌てて背中を摩る。
「うわわ、ごめん。いくら由羽人でも、そこまで恥ずかしがり屋だとは思わなかった。もう冷やかしたりしないから許してなー」
「ハハ。そうしてやって。俺は由羽人と付き合えてメッチャ嬉しいから、どんどん言ってって感じだけど、由羽人は純情だからなー。な、由羽人?」
そう言って、陽翔がとてつもなく甘い表情で俺を見る。
……だから、だからそんな顔で見られたら……。
見る見るうちに熱くなる俺の頬。瞬きが増える俺の顔に目を細めて、陽翔が指で俺の頬をなぞる。
途端に煩くなる外野と比例して、俺の心臓もバクバクと煩くなっていくのに、陽翔は満足そうに笑みを深くした。
403
あなたにおすすめの小説
モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?
僕はお別れしたつもりでした
まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!!
親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
罰ゲームって楽しいね♪
あああ
BL
「好きだ…付き合ってくれ。」
おれ七海 直也(ななみ なおや)は
告白された。
クールでかっこいいと言われている
鈴木 海(すずき かい)に、告白、
さ、れ、た。さ、れ、た!のだ。
なのにブスッと不機嫌な顔をしておれの
告白の答えを待つ…。
おれは、わかっていた────これは
罰ゲームだ。
きっと罰ゲームで『男に告白しろ』
とでも言われたのだろう…。
いいよ、なら──楽しんでやろう!!
てめぇの嫌そうなゴミを見ている顔が
こっちは好みなんだよ!どーだ、キモイだろ!
ひょんなことで海とつき合ったおれ…。
だが、それが…とんでもないことになる。
────あぁ、罰ゲームって楽しいね♪
この作品はpixivにも記載されています。
【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。
はぴねこ
BL
高校生の頃、片想いの親友に告白した。
彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。
もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。
彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。
そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。
同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。
あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。
そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。
「俺もそろそろ恋愛したい」
親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。
不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。
彼はオレを推しているらしい
まと
BL
クラスのイケメン男子が、なぜか平凡男子のオレに視線を向けてくる。
どうせ絶対に嫌われているのだと思っていたんだけど...?
きっかけは突然の雨。
ほのぼのした世界観が書きたくて。
4話で完結です(執筆済み)
需要がありそうでしたら続編も書いていこうかなと思っておいます(*^^*)
もし良ければコメントお待ちしております。
⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。
クラスのボッチくんな僕が風邪をひいたら急激なモテ期が到来した件について。
とうふ
BL
題名そのままです。
クラスでボッチ陰キャな僕が風邪をひいた。友達もいないから、誰も心配してくれない。静かな部屋で落ち込んでいたが...モテ期の到来!?いつも無視してたクラスの人が、先生が、先輩が、部屋に押しかけてきた!あの、僕風邪なんですけど。
見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています
美澄の顔には抗えない。
米奏よぞら
BL
スパダリ美形攻め×流され面食い受け
高校時代に一目惚れした相手と勢いで付き合ったはいいものの、徐々に相手の熱が冷めていっていることに限界を感じた主人公のお話です。
※なろう、カクヨムでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる