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グリムス編

再会

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 目覚めると荒野の真ん中だった。荒れて干からびた大地。草は枯れ、地は割れていた。

体を触る。どうやら元のグリムスに戻ったようだが、体は痩せ細り、シワだらけだ。
荒野を歩き始めてしばらくして、町があった。
小さな家の日陰に座り、暑さを凌ぐ。
次第にぐったりとしてきた。

しばらくして家から若い村人が出てきた。娘は俺に驚いて、すぐに水を持ってきてくれた。
喉が潤う。
娘は家の中で休ませてくれた。
食事も出してくれた。

机に座り色々聞かれて全て答えた。
生まれに名前、今までのこと全てを。

娘は俺に教えてくれた。
20年前に起きたゴモラ城の戦いで黒い魔物に負けた聖騎士団はオラルド帝国で捕らえられ全員処刑された。
ゴモラ城の戦いから20年か……俺は70歳になっていた。

黒い魔物のアスレはヴェラニア国とオラルド帝国の間に新たにアスレタニアという国を建国した。
その後、ヴェラニア皇国はアスレタニアに負け、アスレタニアはオラルド帝国と魔王国も滅ぼした。

今はリュウベンバーグとユランテルが合わさったリュテリア国が大陸を二分する大きな勢力という事だ。


「ここはリュテリア国。元魔王国のあった場所よ。今でも魔王の奥様が露店で生地を売っているわ」

俺はそれを聞いて台所にあったナイフを手に娘の家を飛び出し露店に向かった。
生地を売る露店に着いた。

「アリシアか?」

「そうよ」

俺はアリシアの首を掴み、ナイフを振り上げた。
目の前にいるアリシアはシワだらけの老婆。目には昔のような力はなかった。

「グリムスね」

俺はナイフを置いた。

「君を恨み今まで追って、いつか魔王と君を倒して復讐しようと思っていたが、年老いた君を見て復讐心は消えた」

「私はね。グリムス。貴方が好きだった。冒険ばかりで家にいなかった貴方に振り向いてほしくて裏切ってしまったのよ」

「後付けの言い訳だ」

「貴方を振り向かすには同じ強さの人でないとと思った。貴方が釣り合う相手、相手と同じ強さは魔王しかいなかった。でも魔王は私を操ろうとしたわ。貴方を殺す事も出来たけど、私は魔王に転生するようお願いしたわ。貴方が生きれるように」

「転生したのが間違いだ。黒い魔物を生み国は滅び多くの命が失われた」

「そうね。私が間違っていたわ。最後の望みよ。昔の言い伝えで人は3回転生すると好きな時に戻れると言うのよ」

「3回か」
俺は1回目はアスレ、2回目はユナリアになった。ということは次に転生すれば……。

「魔王イベルマンから教えてもらった魔法よ」

アリシアは転生魔法を唱えた。
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