いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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本性

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 早速、公民館で私とワーガ、ナナガ、アル、ルイ君、ゆきちゃんで映像チェック。

 冷蔵庫を開けて、ジュースを取り出してコップに入れて匂いを嗅いで、そっと飲んでみて「うまい!!」と叫んで、こんなに冷たい飲み物がいつでも飲めるなんて!!と大はしゃぎだ。弁当も用意してあるし、朝ご飯のパンや飲み物も用意してある。ウロウロされると困るから余るくらい用意した。
 弁当を食べて、お菓子を食べてジュースを飲んで、ダラダラしている。
 布団に入って、寝心地に驚いてぶつぶつ言い始めた。
『こんなに良い暮らしをしやがって!!俺をバカにした事後悔させてやる!……だが、しばらくは大人しくしておかないとな。完璧に取り入ってから全部奪ってやる。……畑仕事は面倒だな………そうだ、あちこち痛めて動くのが大変な事にしよう。あの簡単に騙せそうな女なら、治るまで何もしなくていいですよ~とか言いそうだしな、ふふふふふ。』
 
 やっぱりか!!またボスの所でしてきたように嘘を吐いて騙すつもりだ。反省してたように見えたのも演技だ。もしかしたら、ここで暮らしたいけど、素直に謝れないからきっかけを作ったのかな?とも思ったけど、違った!!

 ナナガが作ってくれたご飯を食べながら見てたから、皆んな飯が不味くなる!!と文句を言う。本当に、なんて奴だ!!
 ここの生活に慣らして、追い出してやる!!

 チールを懲らしめる作戦を考える。
 チールがここにいる間に、とりあえず村のあった場所は、重機で全部綺麗に壊して更地にする事にした。
 畑も、チールが自分でめちゃくちゃにしたから、大丈夫そうな苗だけ持ち帰る事にして、畑も無くす。
 何も無くなった所にチールを放り出す計画だ!
 その時になったら、エルフ達にも保存してある自作自演の鬼が来たぞー!映像を見せて、納得してもらう事にした。

『それにしても、あのオーガのボスはチョロかった。ひひひ!あの怒った顔………あははははは、何度思い出しても傑作だ!!今回もあいつのせいにしてやる!!』
 カメラ映像から不愉快な言葉が聞こえてくる。本当にどーしようもない奴だ!!ボスは今でも苦しんでいるのに!!

『さーて、どうやってここを奪おうか………。あの女とアルとか言う生意気な奴は、見せしめに火炙りにでもしてやろう。涙を誘うような事を言ったら、すぐに騙されそうだな。そうだなぁ~、あの追い出したバカは、オーガに食われた事にしようか。他の村人を守りたければ生け贄を渡せと言われ泣く泣く犠牲になってもらったとかなんとか言えば、オーガも倒せるかもしれないし、強いオーガだからあの女が殺されるかもしれんな………いいぞいいぞ~!!オーガが倒されて女が戻って来たら、オーガと繋がっていて俺達を騙して村を襲わせたのは女だ!って事にしよう。そして、火炙り………ぅぁははははははははははは!!』

 救いようがない。アルが怒りに燃えている。ワーガも同じオーガとしてボスの人生をめちゃくちゃにしたチールが許せないのに、私達まで騙そうとしてる事に、震えるほど怒っている。ナナガもゴミでも見る目つきで画面を睨んでいるし、ルイ君は途中からゆきちゃんを連れてお風呂に行った。これ以上聞かせたくなかったらしい。
 私も、許せないし自分勝手すぎて腹が立つ。今、顔を見たら私が火炙りにしてしまうかもしれない!!

 チールは、ニヤニヤと気持ちの悪い笑顔を浮かべながら寝てしまったようだ。

 交代でお風呂に入って、ゆきちゃんを寝かしつけてから、作戦会議をする。
 ルイ君がお風呂に入ってからのチールの計画を話して聞かせると、めちゃくちゃ怒っていた。そして、今すぐ放り出せ!!と言い出す。
 気持ちはわかるけど、また他の所に取り入って悪さをする確率が高いから、こっちもしっかりと計画を立てて、二度と悪い事が出来ないようにしてやろうと話し合った。

 なかなか良い案が浮かばない。アルが、しばらくチールに騙されているフリをして、思い通りに動いてやろうと言い出す。
 ボスを倒しに行くフリをしながら、まだ存在がバレてないルイ君がエルフ達に本当の姿を映像で見せて、エルフ達、ボス、ユガ村のオーガ達も一緒にチールをボッコボコにしてやるのはどうだろう?と提案する。ボッコボコにしてから、何も無くなったあの村に放り出す計画だ。

 ルイ君がそれだけでは気が済まない!と言い出して、ナナガもワーガも、確かにもっともっと辛い目に合わせなければ、ボスの苦しみに釣り合わないと言う。
 確かに、そうだ。でも、他にもと言われても………。

「とりあえず、チールも数日かけて仕掛けてくるだろうから、こっちも毎日作戦会議をしてもっとしっかりと計画を練ろう!!」
「そーだな。取り入るのに時間をかけるようだから、その間にどっぷりと、この生活に慣れてもらおう。」
「そうね。この生活を知っちゃたら、元の生活に戻るのはかなりキツイはずよ。」
「そうだな。目一杯甘やかしてやろう!!」

 明日に備えて寝る事にして、また明日の様子も見ながら何が1番の罰かをそれぞれ考える事にした。

 チール!絶対許さないから!!!

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