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嘘
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次の日やはり朝一から足を引きずるように歩き、腕も片腕を庇いながら畑仕事をしようとするチールを見て、他のエルフ達が駆け寄って行き、支えながら私の所に来た。
「陽菜さん、チールが辛そうなんだ。怪我が治るまで仕事は休んだらダメか?」
「いや、大丈夫だ!仕事をさせてくれ!!今まで酷い事をしてきた償いがしたいんだ!」
「でもその体じゃ無理だろう。」
「くっ、そうか……返って足手まといになるか………。」
「そーゆー意味じゃなくて、下手に動くと治らないんじゃないか?」
「そうですね。チール、怪我が良くなるまで家で療養していてください。」
「いや、しかし………陽菜さんにも酷い事を言ったし、村も守れなかったのに俺だけ休むなんて………。」
「働けるようになったら頑張ってくれたらいいですよ。今はゆっくりしてください。」
「すまない!!………ありがとう!!」
家に送ってもらい、中に入るとすぐに普通に歩いてベットに行き、ゴロゴロする姿が映像に映し出される。
『ふははははは、チョロい!!これでしばらくは楽が出来るぞ!』
本当に最低だ!昼には食堂からご飯を届けてもらい、おやつを食べながらゴロゴロしている。届けに来る人の足音が聞こえたら、ベットの中で怪我が痛い演技を始めて、持ってきてくれた人に感謝の涙を流すし、役に立てなくて申し訳ないとか、情けないとか言って、相手に今は無理をしてはダメだ、の一言を言わせている。
全てを知っている私達は、イライラするが何も知らず、全てを信じているエルフ達はチールに同情したり、体を張って村を守ろうとした事に感謝したりしている。
そんな生活を3日送ると暇になってきたようだ。
わざとらしく支えてもらいながら、私と話しがしたいと言うので公民館に来てもらった。
会議室に通して、アルも一緒に話しを聞く。
「実は…………、村を襲った鬼なのですが、前に一度来た鬼でした。」
「そうなんですか。他の人に聞きました。前に鬼が来て皆んなで追い払ったって。」
「そぅ、そうなんです!本当は、あの後鬼に脅されて1人村人を生け贄に………。本当に酷い事をしてしまった………。村の為ならと犠牲になってくれた………………うっ……すまない。思い出すのも辛くて………!!」
「そうだったんですか。」
「あの時、鬼の言葉が聞こえないようにしたのは、犠牲者を出したくなかったからなんだ………。なのに、聞いてしまって。自分が犠牲になれば村が………た、助かると……………。」
本当に涙を流している。主演男優賞をあげましょう……。
私も負けてられないな!
「そんな酷いことを!!許せない!!」
「俺が鬼を退治出来ればいいんだが、こんな体では………。この前来たのは、次の生け贄を渡せと暴れていたんだ………。」
「チール、その体では無理です。私に任せてくれますか?」
「そ、そんな……、関係ない陽菜さんを巻き込む訳には………。危険だ!」
「いえ、もぅあなた達は私の仲間じゃないですか!ワーガやアルと考えて作戦を立てます。安心して。」
「………あ、ありがたい!!でも、どーか無理をしないで。俺に出来る事があれば何でもする。くっ!!こんな体じゃなければ…………俺が!!………陽菜さんに迷惑かけずにすんだのに………。」
最後まで泣きの演技をして、家に帰って行った。
さーて、監視カメラの映像チェック。
『うまくいったな。……後は勝手に戦って両方が大怪我でもしてくれたら……………くくくっ!』
はぁー、救いようがないな。ま、私の演技も信じたようだし、そろそろ本格的に反省してもらおう!!
外出していたワーガが帰ってきた。他の人に見られないように公民館の前に車を止めて、入ってもらう。
ワーガにお願いして、追い出されたエルフを探してもらっていた。
話しを聞くと、やはりあの時ボスが言っていたのは、「種を盗んだのはチールじゃないよな?騙してないな?水場は、村の為に必要だったんだよな??チールは火をつけたりしてないよな?あんなに村の為に必死になっていたんだ。チールが畑を荒らしたと皆が言ってるが、私は信じている!!」
それを聞いてチールは、「はっ、騙される方が悪い!間抜けな奴だ!何故大火事になって死ななかったんだ?全滅すればよかったのに!お前は利用するのにちょーどよかったんだ!あはははははははは!!今度こそ死ね!!」と聞いていて辛くなるような事を言っていた。
それを聞いていたから追い出され、もし、帰って来たら殺すと言われたそうだ。追い出された時も、チールにかなり暴力を振るわれ、倒れている所を他のオーガが助けてくれ、他のエルフが住む村に送ってくれたんだそうだ。
もう少し、ここで隠れて生活してもらう事にして、いつチールを追い出すか話し合う。
エルフの皆んなはチールを信じきっている。
2日後に作戦実行する事にして、準備を進める。
ルイ君には、監視カメラの映像を編集してもらい、2日後私達がボスを呼びに行っている間に、チールの家に鍵をかけて出られないようにしてから、皆んなに見てもらう事にした。
編集した映像はボスにも見てもらうし、ユガ村のオーガ達にも見てもらう予定だ。
私とワーガでボスに所に行き、ナナガにユガ村まで行ってもらう。アルとルイ君にこの村の事を頼んだ。
ナナガには明日ユガ村に行ってもらう。バスを運転してユガ村のオーガ達を連れて来てもらわなきゃダメだし、陽菜大陸から来た人達にも手伝ってもらう事になっている。
「陽菜さん、チールが辛そうなんだ。怪我が治るまで仕事は休んだらダメか?」
「いや、大丈夫だ!仕事をさせてくれ!!今まで酷い事をしてきた償いがしたいんだ!」
「でもその体じゃ無理だろう。」
「くっ、そうか……返って足手まといになるか………。」
「そーゆー意味じゃなくて、下手に動くと治らないんじゃないか?」
「そうですね。チール、怪我が良くなるまで家で療養していてください。」
「いや、しかし………陽菜さんにも酷い事を言ったし、村も守れなかったのに俺だけ休むなんて………。」
「働けるようになったら頑張ってくれたらいいですよ。今はゆっくりしてください。」
「すまない!!………ありがとう!!」
家に送ってもらい、中に入るとすぐに普通に歩いてベットに行き、ゴロゴロする姿が映像に映し出される。
『ふははははは、チョロい!!これでしばらくは楽が出来るぞ!』
本当に最低だ!昼には食堂からご飯を届けてもらい、おやつを食べながらゴロゴロしている。届けに来る人の足音が聞こえたら、ベットの中で怪我が痛い演技を始めて、持ってきてくれた人に感謝の涙を流すし、役に立てなくて申し訳ないとか、情けないとか言って、相手に今は無理をしてはダメだ、の一言を言わせている。
全てを知っている私達は、イライラするが何も知らず、全てを信じているエルフ達はチールに同情したり、体を張って村を守ろうとした事に感謝したりしている。
そんな生活を3日送ると暇になってきたようだ。
わざとらしく支えてもらいながら、私と話しがしたいと言うので公民館に来てもらった。
会議室に通して、アルも一緒に話しを聞く。
「実は…………、村を襲った鬼なのですが、前に一度来た鬼でした。」
「そうなんですか。他の人に聞きました。前に鬼が来て皆んなで追い払ったって。」
「そぅ、そうなんです!本当は、あの後鬼に脅されて1人村人を生け贄に………。本当に酷い事をしてしまった………。村の為ならと犠牲になってくれた………………うっ……すまない。思い出すのも辛くて………!!」
「そうだったんですか。」
「あの時、鬼の言葉が聞こえないようにしたのは、犠牲者を出したくなかったからなんだ………。なのに、聞いてしまって。自分が犠牲になれば村が………た、助かると……………。」
本当に涙を流している。主演男優賞をあげましょう……。
私も負けてられないな!
「そんな酷いことを!!許せない!!」
「俺が鬼を退治出来ればいいんだが、こんな体では………。この前来たのは、次の生け贄を渡せと暴れていたんだ………。」
「チール、その体では無理です。私に任せてくれますか?」
「そ、そんな……、関係ない陽菜さんを巻き込む訳には………。危険だ!」
「いえ、もぅあなた達は私の仲間じゃないですか!ワーガやアルと考えて作戦を立てます。安心して。」
「………あ、ありがたい!!でも、どーか無理をしないで。俺に出来る事があれば何でもする。くっ!!こんな体じゃなければ…………俺が!!………陽菜さんに迷惑かけずにすんだのに………。」
最後まで泣きの演技をして、家に帰って行った。
さーて、監視カメラの映像チェック。
『うまくいったな。……後は勝手に戦って両方が大怪我でもしてくれたら……………くくくっ!』
はぁー、救いようがないな。ま、私の演技も信じたようだし、そろそろ本格的に反省してもらおう!!
外出していたワーガが帰ってきた。他の人に見られないように公民館の前に車を止めて、入ってもらう。
ワーガにお願いして、追い出されたエルフを探してもらっていた。
話しを聞くと、やはりあの時ボスが言っていたのは、「種を盗んだのはチールじゃないよな?騙してないな?水場は、村の為に必要だったんだよな??チールは火をつけたりしてないよな?あんなに村の為に必死になっていたんだ。チールが畑を荒らしたと皆が言ってるが、私は信じている!!」
それを聞いてチールは、「はっ、騙される方が悪い!間抜けな奴だ!何故大火事になって死ななかったんだ?全滅すればよかったのに!お前は利用するのにちょーどよかったんだ!あはははははははは!!今度こそ死ね!!」と聞いていて辛くなるような事を言っていた。
それを聞いていたから追い出され、もし、帰って来たら殺すと言われたそうだ。追い出された時も、チールにかなり暴力を振るわれ、倒れている所を他のオーガが助けてくれ、他のエルフが住む村に送ってくれたんだそうだ。
もう少し、ここで隠れて生活してもらう事にして、いつチールを追い出すか話し合う。
エルフの皆んなはチールを信じきっている。
2日後に作戦実行する事にして、準備を進める。
ルイ君には、監視カメラの映像を編集してもらい、2日後私達がボスを呼びに行っている間に、チールの家に鍵をかけて出られないようにしてから、皆んなに見てもらう事にした。
編集した映像はボスにも見てもらうし、ユガ村のオーガ達にも見てもらう予定だ。
私とワーガでボスに所に行き、ナナガにユガ村まで行ってもらう。アルとルイ君にこの村の事を頼んだ。
ナナガには明日ユガ村に行ってもらう。バスを運転してユガ村のオーガ達を連れて来てもらわなきゃダメだし、陽菜大陸から来た人達にも手伝ってもらう事になっている。
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