147 / 185
人間の王
しおりを挟む
家に入って、涼しい事にまた固まってしまう。
その後、ワーガとナナガを見て固まり、なんでこんな所に野蛮なオーガがいるんだ!と怒り始める。
私の大切な仲間だと言うと、なんとか納得してくれたけど、あまり良い態度ではない。
無理矢理ワーガにお風呂に連れて行ってもらい、洗ってもらった。
その時点で、また固まってしまった………。
着替えてもらって、冷たい麦茶とクッキーを出した。
私が一口飲んで見せ、クッキーも一口食べて見せる。
麦茶を飲んで………固まってしまった。
「ここここここんな、冷たい美味しい飲み物、初めてだ!!」
「おかわりもありますから、いくらでもどーぞ!」
「おおおおおかわりーーー!!」
ゴクゴクと飲んでいる。
「………も、もしかして……私を油断させて何かするつもりなのか??」
「いえいえ、何もしませんよ。クッキーもどーぞ。」
「……そ、そーか。」
クッキーを食べてまた固まる。もぅ面倒な人だなぁー!
しばらく固まったり食べたりを繰り返して、ナナガが果物を切って出してくれ、飛び上がってびっくりして固まっていた。
「あの、そろそろ話しを聞きたいんですけど………。」
「あ、あぁ。そーだった。で、何が聞きたいんだ?」
「はい。ここには、他に誰がいますか?エルフとかは住んでいるんですか?」
「あぁ、あの下等な魔族達か!あいつらは、私達人間を恐れて遠くの山の中で暮らしているぞ。」
「そ、そーですか……。じゃあ他の人間はどこに?」
「私は、ここの王だ!下々の者は、このオアシスから離れた場所で、私の為に働いている。」
「そーなんですね。わかりました。ありがとうございます。あの、エルフやドワーフ、オーガ、獣人族と仲良くする気は……無いですよね?」
「当たり前だ!私は人間で、その中でも選ばれた高貴な存在だ!あの下等な魔族達を見る事も苦痛だ!!」
ワーガとナナガが、怒っているのがわかる。
もぅ帰ってもらおう。
「ありがとうございました。では、お帰りください。」
「う、うむ。特別に、お前……陽菜だったか?お前を私の身の回りの世話係として使ってやってもいいぞ!」
「あははは、ありがとうございます。でも、私はまた旅に戻りますので……。」
「そ、そうか。残念だ。」
なかなか帰ろうとしないので、お土産に林檎と蜜柑を渡して帰ってもらった。
ナダが見えなくなってから、家を消して車で他の人達が住む場所を探す事にした。
車でオアシスから20分ほど走ると人間達が暮らしている場所に着いた。
「こんにちは。私は船で旅をしている陽菜と言います。ここの代表の方と話しをしたいのですが。」
「俺が、代表だ!」
ちょっと強面のおっちゃんが出てきた。あまり良い態度ではない。
「ここは、人間の人達だけで暮らしているのですか?」
「あぁ、そーだ。王のナダ様の為に働いている奴らを俺が監視している。」
「何の仕事をしてるんですか?」
「見てわかるだろ!食べ物を作っている。」
「芋ですか?」
「そーだ!水がほとんど無いからな。芋しか育たん。そんな事も知らんのか!」
「…ははは。あなたは働かないんですか?」
「当たり前だ!俺は、こいつらがサボらないように見張るのが仕事なんだよ!」
「そーですか。でも、ここの人達は皆んな弱っているように見えます。」
「そんな事はどーでもいいんだ。こいつらが倒れても次の奴らが頑張ればいいだけの話しだ!こいつらがサボるから食いもんが無くなるんだ!!」
「そーなんですね。他にも、見張る人はいるんですか?」
「おぉ、ここは俺達5人で見張りをしている。」
「へぇー、ご苦労様です。他にも、こんな場所があるんですか?」
「あぁ、後5箇所あるな!」
「そうですか……。ありがとうございました。」
少し離れた岩陰に車を止めて隠していたから、大急ぎで戻る。
車の中で作戦会議だ。
夜になったら、こっそりとここの人達を助ける事にする。大型のバスを出してここから車で30分ほどの場所に、マンションを出した。
色々と準備を整えて、アル達やオーガのお兄ちゃん達、3バカトリオなどにも連絡して、ここに向かってもらう。到着は、2日後くらいだろう。
そうこうしているうちに暗くなった。
黒い服を着て、私とワーガとナナガで、こっそりとここの人達が寝ている場所を探す。
音が聞こえないギリギリの所でルイ君とゆきちゃんがバスで待機してくれている。
賑やかで明るい場所があり、そっと近づくと見張りの5人組が家らしき場所で焚き火をしながら、芋を食べていた。
そーっと離れて、暗闇の中を探していると、声が聞こえてきた。
声の方に近づくと、柵のように木が刺さっている囲いがあり、その囲いの中で地面に直接寝転ぶ人達が沢山いた。
「………腹減った。」
「……水、水が飲みたい。」
「もぅダメかもしれん。」
弱々しい声でグッタリしている。
「あの、ここから逃げましょう。食料もありますから。私について来てください。」
「お、お前、誰だ?」
「あっ、昼間に来てた変な格好した女だ。」
「本当だ!」
「しっ!!静かに!!バレますよ!!」
「でも、俺達は逃げられないんだ。俺達の家族が捕まっていて、働かないとあいつらに酷い目に合わせられる。」
「そーだ。俺達が殴られるのはいいが、妻や子どもが殴られるのは見ていられない。」
「奥さん達は何処に捕まっているんですか?」
「見張りの奴らがいる場所から、よく見える場所だ。」
「わかりました。じゃあ、また作戦を練り直して助けに来ます。」
その後、ワーガとナナガを見て固まり、なんでこんな所に野蛮なオーガがいるんだ!と怒り始める。
私の大切な仲間だと言うと、なんとか納得してくれたけど、あまり良い態度ではない。
無理矢理ワーガにお風呂に連れて行ってもらい、洗ってもらった。
その時点で、また固まってしまった………。
着替えてもらって、冷たい麦茶とクッキーを出した。
私が一口飲んで見せ、クッキーも一口食べて見せる。
麦茶を飲んで………固まってしまった。
「ここここここんな、冷たい美味しい飲み物、初めてだ!!」
「おかわりもありますから、いくらでもどーぞ!」
「おおおおおかわりーーー!!」
ゴクゴクと飲んでいる。
「………も、もしかして……私を油断させて何かするつもりなのか??」
「いえいえ、何もしませんよ。クッキーもどーぞ。」
「……そ、そーか。」
クッキーを食べてまた固まる。もぅ面倒な人だなぁー!
しばらく固まったり食べたりを繰り返して、ナナガが果物を切って出してくれ、飛び上がってびっくりして固まっていた。
「あの、そろそろ話しを聞きたいんですけど………。」
「あ、あぁ。そーだった。で、何が聞きたいんだ?」
「はい。ここには、他に誰がいますか?エルフとかは住んでいるんですか?」
「あぁ、あの下等な魔族達か!あいつらは、私達人間を恐れて遠くの山の中で暮らしているぞ。」
「そ、そーですか……。じゃあ他の人間はどこに?」
「私は、ここの王だ!下々の者は、このオアシスから離れた場所で、私の為に働いている。」
「そーなんですね。わかりました。ありがとうございます。あの、エルフやドワーフ、オーガ、獣人族と仲良くする気は……無いですよね?」
「当たり前だ!私は人間で、その中でも選ばれた高貴な存在だ!あの下等な魔族達を見る事も苦痛だ!!」
ワーガとナナガが、怒っているのがわかる。
もぅ帰ってもらおう。
「ありがとうございました。では、お帰りください。」
「う、うむ。特別に、お前……陽菜だったか?お前を私の身の回りの世話係として使ってやってもいいぞ!」
「あははは、ありがとうございます。でも、私はまた旅に戻りますので……。」
「そ、そうか。残念だ。」
なかなか帰ろうとしないので、お土産に林檎と蜜柑を渡して帰ってもらった。
ナダが見えなくなってから、家を消して車で他の人達が住む場所を探す事にした。
車でオアシスから20分ほど走ると人間達が暮らしている場所に着いた。
「こんにちは。私は船で旅をしている陽菜と言います。ここの代表の方と話しをしたいのですが。」
「俺が、代表だ!」
ちょっと強面のおっちゃんが出てきた。あまり良い態度ではない。
「ここは、人間の人達だけで暮らしているのですか?」
「あぁ、そーだ。王のナダ様の為に働いている奴らを俺が監視している。」
「何の仕事をしてるんですか?」
「見てわかるだろ!食べ物を作っている。」
「芋ですか?」
「そーだ!水がほとんど無いからな。芋しか育たん。そんな事も知らんのか!」
「…ははは。あなたは働かないんですか?」
「当たり前だ!俺は、こいつらがサボらないように見張るのが仕事なんだよ!」
「そーですか。でも、ここの人達は皆んな弱っているように見えます。」
「そんな事はどーでもいいんだ。こいつらが倒れても次の奴らが頑張ればいいだけの話しだ!こいつらがサボるから食いもんが無くなるんだ!!」
「そーなんですね。他にも、見張る人はいるんですか?」
「おぉ、ここは俺達5人で見張りをしている。」
「へぇー、ご苦労様です。他にも、こんな場所があるんですか?」
「あぁ、後5箇所あるな!」
「そうですか……。ありがとうございました。」
少し離れた岩陰に車を止めて隠していたから、大急ぎで戻る。
車の中で作戦会議だ。
夜になったら、こっそりとここの人達を助ける事にする。大型のバスを出してここから車で30分ほどの場所に、マンションを出した。
色々と準備を整えて、アル達やオーガのお兄ちゃん達、3バカトリオなどにも連絡して、ここに向かってもらう。到着は、2日後くらいだろう。
そうこうしているうちに暗くなった。
黒い服を着て、私とワーガとナナガで、こっそりとここの人達が寝ている場所を探す。
音が聞こえないギリギリの所でルイ君とゆきちゃんがバスで待機してくれている。
賑やかで明るい場所があり、そっと近づくと見張りの5人組が家らしき場所で焚き火をしながら、芋を食べていた。
そーっと離れて、暗闇の中を探していると、声が聞こえてきた。
声の方に近づくと、柵のように木が刺さっている囲いがあり、その囲いの中で地面に直接寝転ぶ人達が沢山いた。
「………腹減った。」
「……水、水が飲みたい。」
「もぅダメかもしれん。」
弱々しい声でグッタリしている。
「あの、ここから逃げましょう。食料もありますから。私について来てください。」
「お、お前、誰だ?」
「あっ、昼間に来てた変な格好した女だ。」
「本当だ!」
「しっ!!静かに!!バレますよ!!」
「でも、俺達は逃げられないんだ。俺達の家族が捕まっていて、働かないとあいつらに酷い目に合わせられる。」
「そーだ。俺達が殴られるのはいいが、妻や子どもが殴られるのは見ていられない。」
「奥さん達は何処に捕まっているんですか?」
「見張りの奴らがいる場所から、よく見える場所だ。」
「わかりました。じゃあ、また作戦を練り直して助けに来ます。」
156
あなたにおすすめの小説
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜
家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。
そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?!
しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...?
ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...?
不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。
拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。
小説家になろう様でも公開しております。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
幼女と執事が異世界で
天界
ファンタジー
宝くじを握り締めオレは死んだ。
当選金額は約3億。だがオレが死んだのは神の過失だった!
謝罪と称して3億分の贈り物を貰って転生したら異世界!?
おまけで貰った執事と共に異世界を満喫することを決めるオレ。
オレの人生はまだ始まったばかりだ!
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
モブっと異世界転生
月夜の庭
ファンタジー
会社の経理課に所属する地味系OL鳳来寺 桜姫(ほうらいじ さくらこ)は、ゲーム片手に宅飲みしながら、家猫のカメリア(黒猫)と戯れることが生き甲斐だった。
ところが台風の夜に強風に飛ばされたプレハブが窓に直撃してカメリアを庇いながら息を引き取った………筈だった。
目が覚めると小さな籠の中で、おそらく兄弟らしき子猫達と一緒に丸くなって寝ていました。
サクラと名付けられた私は、黒猫の獣人だと知って驚愕する。
死ぬ寸前に遊んでた乙女ゲームじゃね?!
しかもヒロイン(茶虎猫)の義理の妹…………ってモブかよ!
*誤字脱字は発見次第、修正しますので長い目でお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる