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人間の王
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家に入って、涼しい事にまた固まってしまう。
その後、ワーガとナナガを見て固まり、なんでこんな所に野蛮なオーガがいるんだ!と怒り始める。
私の大切な仲間だと言うと、なんとか納得してくれたけど、あまり良い態度ではない。
無理矢理ワーガにお風呂に連れて行ってもらい、洗ってもらった。
その時点で、また固まってしまった………。
着替えてもらって、冷たい麦茶とクッキーを出した。
私が一口飲んで見せ、クッキーも一口食べて見せる。
麦茶を飲んで………固まってしまった。
「ここここここんな、冷たい美味しい飲み物、初めてだ!!」
「おかわりもありますから、いくらでもどーぞ!」
「おおおおおかわりーーー!!」
ゴクゴクと飲んでいる。
「………も、もしかして……私を油断させて何かするつもりなのか??」
「いえいえ、何もしませんよ。クッキーもどーぞ。」
「……そ、そーか。」
クッキーを食べてまた固まる。もぅ面倒な人だなぁー!
しばらく固まったり食べたりを繰り返して、ナナガが果物を切って出してくれ、飛び上がってびっくりして固まっていた。
「あの、そろそろ話しを聞きたいんですけど………。」
「あ、あぁ。そーだった。で、何が聞きたいんだ?」
「はい。ここには、他に誰がいますか?エルフとかは住んでいるんですか?」
「あぁ、あの下等な魔族達か!あいつらは、私達人間を恐れて遠くの山の中で暮らしているぞ。」
「そ、そーですか……。じゃあ他の人間はどこに?」
「私は、ここの王だ!下々の者は、このオアシスから離れた場所で、私の為に働いている。」
「そーなんですね。わかりました。ありがとうございます。あの、エルフやドワーフ、オーガ、獣人族と仲良くする気は……無いですよね?」
「当たり前だ!私は人間で、その中でも選ばれた高貴な存在だ!あの下等な魔族達を見る事も苦痛だ!!」
ワーガとナナガが、怒っているのがわかる。
もぅ帰ってもらおう。
「ありがとうございました。では、お帰りください。」
「う、うむ。特別に、お前……陽菜だったか?お前を私の身の回りの世話係として使ってやってもいいぞ!」
「あははは、ありがとうございます。でも、私はまた旅に戻りますので……。」
「そ、そうか。残念だ。」
なかなか帰ろうとしないので、お土産に林檎と蜜柑を渡して帰ってもらった。
ナダが見えなくなってから、家を消して車で他の人達が住む場所を探す事にした。
車でオアシスから20分ほど走ると人間達が暮らしている場所に着いた。
「こんにちは。私は船で旅をしている陽菜と言います。ここの代表の方と話しをしたいのですが。」
「俺が、代表だ!」
ちょっと強面のおっちゃんが出てきた。あまり良い態度ではない。
「ここは、人間の人達だけで暮らしているのですか?」
「あぁ、そーだ。王のナダ様の為に働いている奴らを俺が監視している。」
「何の仕事をしてるんですか?」
「見てわかるだろ!食べ物を作っている。」
「芋ですか?」
「そーだ!水がほとんど無いからな。芋しか育たん。そんな事も知らんのか!」
「…ははは。あなたは働かないんですか?」
「当たり前だ!俺は、こいつらがサボらないように見張るのが仕事なんだよ!」
「そーですか。でも、ここの人達は皆んな弱っているように見えます。」
「そんな事はどーでもいいんだ。こいつらが倒れても次の奴らが頑張ればいいだけの話しだ!こいつらがサボるから食いもんが無くなるんだ!!」
「そーなんですね。他にも、見張る人はいるんですか?」
「おぉ、ここは俺達5人で見張りをしている。」
「へぇー、ご苦労様です。他にも、こんな場所があるんですか?」
「あぁ、後5箇所あるな!」
「そうですか……。ありがとうございました。」
少し離れた岩陰に車を止めて隠していたから、大急ぎで戻る。
車の中で作戦会議だ。
夜になったら、こっそりとここの人達を助ける事にする。大型のバスを出してここから車で30分ほどの場所に、マンションを出した。
色々と準備を整えて、アル達やオーガのお兄ちゃん達、3バカトリオなどにも連絡して、ここに向かってもらう。到着は、2日後くらいだろう。
そうこうしているうちに暗くなった。
黒い服を着て、私とワーガとナナガで、こっそりとここの人達が寝ている場所を探す。
音が聞こえないギリギリの所でルイ君とゆきちゃんがバスで待機してくれている。
賑やかで明るい場所があり、そっと近づくと見張りの5人組が家らしき場所で焚き火をしながら、芋を食べていた。
そーっと離れて、暗闇の中を探していると、声が聞こえてきた。
声の方に近づくと、柵のように木が刺さっている囲いがあり、その囲いの中で地面に直接寝転ぶ人達が沢山いた。
「………腹減った。」
「……水、水が飲みたい。」
「もぅダメかもしれん。」
弱々しい声でグッタリしている。
「あの、ここから逃げましょう。食料もありますから。私について来てください。」
「お、お前、誰だ?」
「あっ、昼間に来てた変な格好した女だ。」
「本当だ!」
「しっ!!静かに!!バレますよ!!」
「でも、俺達は逃げられないんだ。俺達の家族が捕まっていて、働かないとあいつらに酷い目に合わせられる。」
「そーだ。俺達が殴られるのはいいが、妻や子どもが殴られるのは見ていられない。」
「奥さん達は何処に捕まっているんですか?」
「見張りの奴らがいる場所から、よく見える場所だ。」
「わかりました。じゃあ、また作戦を練り直して助けに来ます。」
その後、ワーガとナナガを見て固まり、なんでこんな所に野蛮なオーガがいるんだ!と怒り始める。
私の大切な仲間だと言うと、なんとか納得してくれたけど、あまり良い態度ではない。
無理矢理ワーガにお風呂に連れて行ってもらい、洗ってもらった。
その時点で、また固まってしまった………。
着替えてもらって、冷たい麦茶とクッキーを出した。
私が一口飲んで見せ、クッキーも一口食べて見せる。
麦茶を飲んで………固まってしまった。
「ここここここんな、冷たい美味しい飲み物、初めてだ!!」
「おかわりもありますから、いくらでもどーぞ!」
「おおおおおかわりーーー!!」
ゴクゴクと飲んでいる。
「………も、もしかして……私を油断させて何かするつもりなのか??」
「いえいえ、何もしませんよ。クッキーもどーぞ。」
「……そ、そーか。」
クッキーを食べてまた固まる。もぅ面倒な人だなぁー!
しばらく固まったり食べたりを繰り返して、ナナガが果物を切って出してくれ、飛び上がってびっくりして固まっていた。
「あの、そろそろ話しを聞きたいんですけど………。」
「あ、あぁ。そーだった。で、何が聞きたいんだ?」
「はい。ここには、他に誰がいますか?エルフとかは住んでいるんですか?」
「あぁ、あの下等な魔族達か!あいつらは、私達人間を恐れて遠くの山の中で暮らしているぞ。」
「そ、そーですか……。じゃあ他の人間はどこに?」
「私は、ここの王だ!下々の者は、このオアシスから離れた場所で、私の為に働いている。」
「そーなんですね。わかりました。ありがとうございます。あの、エルフやドワーフ、オーガ、獣人族と仲良くする気は……無いですよね?」
「当たり前だ!私は人間で、その中でも選ばれた高貴な存在だ!あの下等な魔族達を見る事も苦痛だ!!」
ワーガとナナガが、怒っているのがわかる。
もぅ帰ってもらおう。
「ありがとうございました。では、お帰りください。」
「う、うむ。特別に、お前……陽菜だったか?お前を私の身の回りの世話係として使ってやってもいいぞ!」
「あははは、ありがとうございます。でも、私はまた旅に戻りますので……。」
「そ、そうか。残念だ。」
なかなか帰ろうとしないので、お土産に林檎と蜜柑を渡して帰ってもらった。
ナダが見えなくなってから、家を消して車で他の人達が住む場所を探す事にした。
車でオアシスから20分ほど走ると人間達が暮らしている場所に着いた。
「こんにちは。私は船で旅をしている陽菜と言います。ここの代表の方と話しをしたいのですが。」
「俺が、代表だ!」
ちょっと強面のおっちゃんが出てきた。あまり良い態度ではない。
「ここは、人間の人達だけで暮らしているのですか?」
「あぁ、そーだ。王のナダ様の為に働いている奴らを俺が監視している。」
「何の仕事をしてるんですか?」
「見てわかるだろ!食べ物を作っている。」
「芋ですか?」
「そーだ!水がほとんど無いからな。芋しか育たん。そんな事も知らんのか!」
「…ははは。あなたは働かないんですか?」
「当たり前だ!俺は、こいつらがサボらないように見張るのが仕事なんだよ!」
「そーですか。でも、ここの人達は皆んな弱っているように見えます。」
「そんな事はどーでもいいんだ。こいつらが倒れても次の奴らが頑張ればいいだけの話しだ!こいつらがサボるから食いもんが無くなるんだ!!」
「そーなんですね。他にも、見張る人はいるんですか?」
「おぉ、ここは俺達5人で見張りをしている。」
「へぇー、ご苦労様です。他にも、こんな場所があるんですか?」
「あぁ、後5箇所あるな!」
「そうですか……。ありがとうございました。」
少し離れた岩陰に車を止めて隠していたから、大急ぎで戻る。
車の中で作戦会議だ。
夜になったら、こっそりとここの人達を助ける事にする。大型のバスを出してここから車で30分ほどの場所に、マンションを出した。
色々と準備を整えて、アル達やオーガのお兄ちゃん達、3バカトリオなどにも連絡して、ここに向かってもらう。到着は、2日後くらいだろう。
そうこうしているうちに暗くなった。
黒い服を着て、私とワーガとナナガで、こっそりとここの人達が寝ている場所を探す。
音が聞こえないギリギリの所でルイ君とゆきちゃんがバスで待機してくれている。
賑やかで明るい場所があり、そっと近づくと見張りの5人組が家らしき場所で焚き火をしながら、芋を食べていた。
そーっと離れて、暗闇の中を探していると、声が聞こえてきた。
声の方に近づくと、柵のように木が刺さっている囲いがあり、その囲いの中で地面に直接寝転ぶ人達が沢山いた。
「………腹減った。」
「……水、水が飲みたい。」
「もぅダメかもしれん。」
弱々しい声でグッタリしている。
「あの、ここから逃げましょう。食料もありますから。私について来てください。」
「お、お前、誰だ?」
「あっ、昼間に来てた変な格好した女だ。」
「本当だ!」
「しっ!!静かに!!バレますよ!!」
「でも、俺達は逃げられないんだ。俺達の家族が捕まっていて、働かないとあいつらに酷い目に合わせられる。」
「そーだ。俺達が殴られるのはいいが、妻や子どもが殴られるのは見ていられない。」
「奥さん達は何処に捕まっているんですか?」
「見張りの奴らがいる場所から、よく見える場所だ。」
「わかりました。じゃあ、また作戦を練り直して助けに来ます。」
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