いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

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トンネル

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 3人で昼ご飯を食べ終わる頃には、ワーガが抱っこで寝かせていた。
 
 それぞれ仕事に戻り、私も車で病院辺りまで行ってみる。
 今日休みのサーフ君が一緒だ。
 サーフ君の奥さんも妊娠中だ。悪阻の時期は過ぎて、今は落ち着いている。
 サーフ君と久しぶりに話しながら病院まで行くと、皆んな元気に畑仕事やスーパーでの仕事を頑張ってくれていた。
 足りない物も、今のところは大丈夫だし新しい人達も楽しそうにしている。病気だった人達もすっかり元気だ。
 獣人族の人達は、ご飯もしっかり食べて、毎日お風呂に入ってるからか、もっふもふだ!!
 尻尾が魅力的すぎる!!

「あっ、リュウタ君!お母さんや妹さんは元気になった?」
「陽菜様!はい、元気です。2人とも畑仕事に行ってます。」
「……様はいらないよ。陽菜でいいよ。」
「命の恩人ですから、陽菜様です!」
「私が嫌だから。陽菜でいいし、普通に話して!」
「……はい。」
 不服そうな顔だ……。ワーガみたいになったら困るから、今のうちに直しておかなきゃ!!

「何か困った事とかない?」
「うーん……今のところ毎日楽しいし、ご飯も食べられるし大丈夫です。」
「そっか、良かった。ズボンとかは尻尾の穴を切ってるの?」
「オーガのお姉さんが、上手に切って、縫ってくれるんだ。帽子も、耳を出す穴を作ってくれた。」
「そんな器用な人がいたんだ。良かったね。」
「うん!」
「あの、ちょっとお願いなんだけど……、尻尾触ってもいい?」
「えっ?いいけど。」
 やったー!!もっふもふに触れる!
 柔らかい毛でふわふわしてて気持ち良い!
「ありがとう!」
 ご機嫌でお礼を言って帰る事にする。
 それを見ていた他の獣人族の大人の人から、尻尾を触る事は求婚の意味があるから、長く触る事は禁止だと言われた……。ほとんど男性が女性の尻尾を撫でる事ができたら信頼している証で、プロポーズOKの意味なんだそうだ。
 リュウタ君は、よくわかってなかったようだ。……セーフ。

 サーフ君に飽きれられながらハルー村に帰る。
 産婦人科に寄ると、3人の赤ちゃんが産まれていた。
 1人はオーガと人間の赤ちゃんだ。角らしき物があるくらいでほぼ人間寄りの赤ちゃんだ。男の子。
 ドワーフとエルフの赤ちゃんは、ドワーフの素朴な顔と、エルフの整った顔が合わさって、普通の顔だった。可愛い女の子だ。
 ドワーフと人間の赤ちゃんも普通だった。男の子だ。
 
 もぅ1人の妊婦さんは、今夜辺りに産まれるそうだ。

 サーフ君がハルハちゃんに会いたいと言うので連れて行き、抱っこさせてもらって感動していた。こんな可愛い子が産まれてくるんだから頑張らないと!と張り切って帰っていった。

 明日は、オーガの里まで行って、花火が見えない場所があるかもしれないから確認に行く事になっている。ダンドンさん、ライルさん、ワーガ、ルイ君、ゴーガ、リリガで行く事になった。

 多分、それなりに時間がかかるだろうから1週間ほど留守にする事をファーナさんに伝える。
 ルイ君のお父さんが、ハルハちゃんの子守りをするからと張り切っている。旦那さんも、夜に交代で抱っこしているのが、だんだんと大変になってきていて、喜んでいた。
 旦那さんはファーファちゃんの寝かしつけやお世話を頑張ってくれているそうだ。

 しっかり寝て用意もバッチリ、出発する。
 やっぱりルイ君のお父さん、毎回1人で留守番が寂しかったようで、今回、ファーナさん達がいるから良い笑顔で見送ってくれた。

 産婦人科に寄ってから行く事にして、受付に顔を出すと、昨夜の妊婦さんは無事に出産、朝から2人陣痛がきて入院しているそうだ。
 しばらく留守にする事を伝えて、オーガの里に向かう。
 
 オーガの里では、ゴーガとリリガが準備して待っていてくれた。
 2台で山の麓まで行く。

 ワーガが私を背負って、ゴーガも何かあった時の為に一緒に着いて来てくれた。
 3人で山を登り、降りる。
 イメージして、トンネルを出す。山の大きさやだいたいの距離がわからないとトンネルのイメージができないから、面倒だけどいちいち登って降りてをしなければいけない。

 トンネルを出したら、他のメンバーが車で来てくれる。
 山と山の間に谷があるから大きな橋を出す。
 次の山を同じようにしてトンネルを出していく。

 今日は、山3つにトンネルを作るだけで暗くなってきた。
 山と山の間の少し開けた所に、シェアハウスを出して、今夜はここに泊まる。
 リリガが、美味しい煮物を作ってくれた。
 
 次の日も、朝からトンネルを出していく。時々、トイレやガソリンスタンドを出したりしながら進み、全部で7つほどトンネルを出したら、平地になった。

 ここにも、シェアハウスを出して、夜に花火を打ち上げてみることにした。
 さすがにこれだけ山を越えたら、花火も見えなかっただろう。 

 晩ご飯の用意などを任せて、もしもの時の為に、マンションを沢山出した。 

 ワーガと海の方角だと思われる方に、車で進んでみる。
 一時間ほど車で走ったら、砂浜の広がる海に出た。ずぅーーーーっと砂浜が続いている。
 海水浴にもってこいの場所だ!
 近くに駐車場とシャワールーム、脱衣所、海から少し離してマンション、ガソリンスタンドを出して道路を出しながら帰った。 

 またまた暴走してるけど、もぅ気しない!私がまたいなくなっても、出しておく事で何かに使えるかもしれない。魔力はまだまだ沢山ある、使い切ってしまう事はないと思う。とりあえず思い付くままに出しておこう!

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