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嵐の後
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昼を過ぎるとかなり小雨になってきて屋上から外を見る事もできた。悲惨な状態で、外に出るまでが大変そう。
土砂や泥に埋まっていて全て掘り起こす事になりそうだった。
屋上に、ダイルさん、ダンドンさん、ライルさん、女性代表でファーナさん、若者代表でルイ君、エルフのおじいさんこと、サウルさんにも来てもらい会議をする。
かなり外が明るくなってきている。雨雲が通り過ぎたのだろう。雨もほとんど止んでいる状態で、少しだが水も引いたように見える。
「まず、ここから外を見てください。」
見張りをしてくれてた人以外に外を見てもらう。
ファーナさんは、あまりの光景に真っ青になって震えている。ルイ君は立ち尽くしていた。サウルさんも呆然としている。
椅子に座ってもらい、テーブルにライルさんがハーブティーを用意してくれる。私も缶入りのクッキーを出してある。少し甘いものを食べると落ち着けるかもしれない。お茶とお菓子を勧めて、私もクッキーを一つ食べる。優しい香りのハーブティーと甘いクッキーが心を癒してくれる。
「皆さんに集まってもらったのは、これからの事を相談したかったからです。今、見てもらった様子は、カメラが流されてしまったのでここから見た皆さんしか知りません。いずれは分かる事ですが、その前に少しでもこれからの事を決めておきたいんです。」
「………こんなに酷い事になってるなんて……。もぅここに住めませんよね。」
ファーナさんの目に涙が浮かんでいる。私も泣きそうになるけど、必死に耐えた。
「……これから、ここにもう一度家を出そうとしても、土や泥やゴミを全部綺麗にする必要があります。時間をかければ出来るでしょうが、かなり大変な作業になりますし、綺麗にしてもまた嵐がくれば同じ事になってしまいます。何か意見はありますか?」
「わしも長く生きておるし、何回も嵐は経験したが今回ほどの雨と風は初めてだった。山に戻っても、全て流されておるだろう。山自体が無くなっているかもしれんな。ここに避難出来て良かった。皆んなが生きていられたのは陽菜のおかげだ。ありがとう。感謝する。ここに住もうと説得してくれたライルにも感謝しておるよ。」
「俺たちも、陽菜に助けてもらって本当に良かった。こんな大きな家は絶対作れなかったし、俺たちだけだったらすぐに流されてた。」
サウルさんとルイ君が言ってくれる。確かに、あのままの状態だったら全員流されていただろうし、逃げる元気もなかっただろう…。
「ドワーフも感謝している。ここに受け入れてもらえ、命まで助けてもらった!ありがとう。」
「………いえ、私は出来る事をしただけです。ここまで酷い事になるなんて……。ここを守れなくてごめんなさい。」
「誰もそんな事思ってない。誰一人失わずにすんだことが何よりだ。それ以上は誰にもどうする事もできなかった。」
ライルさんが言ってくれて、他の人も頷いてくれる。少し心が軽くなった。涙を拭いて、これからの事について考える。
「水が引くのを待って、車であちこち見て回ってこようと思うんです。他に良い場所があれば、そこに皆んなで移動しませんか?」
「それが良いと思う。俺も一緒に行くよ!運転は任せてくれ!」
「私も賛成ですね。また嵐が来るかもしれませんし。」
皆んな賛成してくれた。
「今までの嵐でも、またすぐに次の嵐が来た事があった。ほとんどが、嵐が去った後は日照りが続き雨が降らなかったが……。今回がどうなるかは分からん。」
「村の人達にはいつ伝えますか?」
「だいたい気付いてるだろうが……。パニックを起こしたりはしないと思うぞ!ここで、これだけ快適に避難生活しているからな!」
ダンドンさんが言い、ライルさんも大丈夫だと頷いてくれる。
「薬草の苗や、野菜の苗を出来るだけ鉢に入れて持ってきているから、少しだが収穫も出来るぞ!」
ライルさん、素晴らしい!!野菜まで鉢に移して避難させてくれてたなんて。これで少しの間ならここで生活できそうだ。
「最悪、どこも場所がなければ、この避難所の中に家を出して、ここを村にしちゃいましょうか。」
「畑や牧場だけなら、なんとかなりそうですもんね!」
ファーナさんも笑顔で賛成してくれる。
外を見ると、雨が上り日差しが出ている。
屋上の外に出て確認すると、山は木が無くなっていて形も変わっていた。まだ水が山から流れてきていて、2階建ての住宅の屋根も水の中だ。体育館の屋根が見えるくらいで全て泥水に浸かっている。
水が引くまでは何もできないし、明日も1日ここで過ごすしかないかな。
日の当たる屋上に植木鉢を移動させたり、水やりをしたりと手の空いている人に手伝ってもらう。その時に屋上から見える変わり果てた景色に涙を流す人や、悔しそうに顔を歪める人がほとんどだった。パニックにはならないが、言葉に出来ない気持ちなんだろう……。私もそうだからよく分かる。ここまで頑張ってきて、やっと人手が増えて仕事も楽しくなってきてた所なのに。自然災害だからどうしようもけど、心がモヤモヤする。
その日は見張りは無しにして、私は屋上で寝る事にした。
土砂や泥に埋まっていて全て掘り起こす事になりそうだった。
屋上に、ダイルさん、ダンドンさん、ライルさん、女性代表でファーナさん、若者代表でルイ君、エルフのおじいさんこと、サウルさんにも来てもらい会議をする。
かなり外が明るくなってきている。雨雲が通り過ぎたのだろう。雨もほとんど止んでいる状態で、少しだが水も引いたように見える。
「まず、ここから外を見てください。」
見張りをしてくれてた人以外に外を見てもらう。
ファーナさんは、あまりの光景に真っ青になって震えている。ルイ君は立ち尽くしていた。サウルさんも呆然としている。
椅子に座ってもらい、テーブルにライルさんがハーブティーを用意してくれる。私も缶入りのクッキーを出してある。少し甘いものを食べると落ち着けるかもしれない。お茶とお菓子を勧めて、私もクッキーを一つ食べる。優しい香りのハーブティーと甘いクッキーが心を癒してくれる。
「皆さんに集まってもらったのは、これからの事を相談したかったからです。今、見てもらった様子は、カメラが流されてしまったのでここから見た皆さんしか知りません。いずれは分かる事ですが、その前に少しでもこれからの事を決めておきたいんです。」
「………こんなに酷い事になってるなんて……。もぅここに住めませんよね。」
ファーナさんの目に涙が浮かんでいる。私も泣きそうになるけど、必死に耐えた。
「……これから、ここにもう一度家を出そうとしても、土や泥やゴミを全部綺麗にする必要があります。時間をかければ出来るでしょうが、かなり大変な作業になりますし、綺麗にしてもまた嵐がくれば同じ事になってしまいます。何か意見はありますか?」
「わしも長く生きておるし、何回も嵐は経験したが今回ほどの雨と風は初めてだった。山に戻っても、全て流されておるだろう。山自体が無くなっているかもしれんな。ここに避難出来て良かった。皆んなが生きていられたのは陽菜のおかげだ。ありがとう。感謝する。ここに住もうと説得してくれたライルにも感謝しておるよ。」
「俺たちも、陽菜に助けてもらって本当に良かった。こんな大きな家は絶対作れなかったし、俺たちだけだったらすぐに流されてた。」
サウルさんとルイ君が言ってくれる。確かに、あのままの状態だったら全員流されていただろうし、逃げる元気もなかっただろう…。
「ドワーフも感謝している。ここに受け入れてもらえ、命まで助けてもらった!ありがとう。」
「………いえ、私は出来る事をしただけです。ここまで酷い事になるなんて……。ここを守れなくてごめんなさい。」
「誰もそんな事思ってない。誰一人失わずにすんだことが何よりだ。それ以上は誰にもどうする事もできなかった。」
ライルさんが言ってくれて、他の人も頷いてくれる。少し心が軽くなった。涙を拭いて、これからの事について考える。
「水が引くのを待って、車であちこち見て回ってこようと思うんです。他に良い場所があれば、そこに皆んなで移動しませんか?」
「それが良いと思う。俺も一緒に行くよ!運転は任せてくれ!」
「私も賛成ですね。また嵐が来るかもしれませんし。」
皆んな賛成してくれた。
「今までの嵐でも、またすぐに次の嵐が来た事があった。ほとんどが、嵐が去った後は日照りが続き雨が降らなかったが……。今回がどうなるかは分からん。」
「村の人達にはいつ伝えますか?」
「だいたい気付いてるだろうが……。パニックを起こしたりはしないと思うぞ!ここで、これだけ快適に避難生活しているからな!」
ダンドンさんが言い、ライルさんも大丈夫だと頷いてくれる。
「薬草の苗や、野菜の苗を出来るだけ鉢に入れて持ってきているから、少しだが収穫も出来るぞ!」
ライルさん、素晴らしい!!野菜まで鉢に移して避難させてくれてたなんて。これで少しの間ならここで生活できそうだ。
「最悪、どこも場所がなければ、この避難所の中に家を出して、ここを村にしちゃいましょうか。」
「畑や牧場だけなら、なんとかなりそうですもんね!」
ファーナさんも笑顔で賛成してくれる。
外を見ると、雨が上り日差しが出ている。
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水が引くまでは何もできないし、明日も1日ここで過ごすしかないかな。
日の当たる屋上に植木鉢を移動させたり、水やりをしたりと手の空いている人に手伝ってもらう。その時に屋上から見える変わり果てた景色に涙を流す人や、悔しそうに顔を歪める人がほとんどだった。パニックにはならないが、言葉に出来ない気持ちなんだろう……。私もそうだからよく分かる。ここまで頑張ってきて、やっと人手が増えて仕事も楽しくなってきてた所なのに。自然災害だからどうしようもけど、心がモヤモヤする。
その日は見張りは無しにして、私は屋上で寝る事にした。
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