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19.新しい住人
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バスを降りると、ルイ君達が軽トラの荷台に乗せてきた服を見せたり、ヘアーブラシを使って見せたり、みかんの皮を剥いて渡したり、お風呂の説明や、昨日食べたカレーがどれほど美味しかったかを熱弁したりしていた。
「どうですか?皆さん、一緒に来てもらえませんか?」
もう一度声をかける。
「……母さんが病気で寝たきりなんだ。病気の母さんも連れて行っていいのか?」
12歳位の男の子が不安そうに聞いてくる。
「もちろん!とりあえず、お母さんの所に連れてってくれる?」
「こっちだ!」
男の子は、必死に私の手を引いて案内してくれる。
やっぱり栄養失調で、動けないようだった。喘息なのか咳き込みが酷い。近くで呼吸の音を聞くと、ヒューヒューの中にゼーゼーと濁った音がする。私も子どもの頃喘息だったので、急いで吸入剤をスマホで調べて出す。ゆっくりと吸い込むよう言い、少し様子を見ていると呼吸が落ち着いてきた。
「次は、水分です。これをゆっくり飲んでください。」
経口補水液を飲ませ、一緒に来ていた男の人に背負ってもらいバスまで連れて行った。他にも、動けない人が2人いたので、背負ってバスまで運んでもらう。やっぱり、栄養失調と脱水症状だ。水分をしっかり摂らないと脱水症状になり動けなくなる事をここの人達は知らないのだろう。何かのきっかけで、川まで行けず水を飲まなくなる。家族も水を汲んできて飲ませる事をあまりしないようだ。
ここでも芋が食べられていたが食欲がなく、口の中がパサパサになるので具合の悪い時には食べ辛く、水も飲まなくなり、動けなくなるという悪循環。体が水を受けつけなくなり、亡くなる人もいたようだ。
ここの近くの川は、川幅も広く流れが緩やかな事もあり魚を獲って食べる事も多くあったらしく、住宅の所より多くの人が住む事が出来ていた。それでも、毎日魚が充分に獲れる訳では無い。芋の栽培も上手くいってないから食料不足で、食べる物がなく、川で水を飲んで空腹を紛らす事もあったようだ。
魚も、芋もただ時々流れてくる小枝に突き刺し焼いて食べるらしい。
「これをゆっくり飲んでください。」
具合の悪い人には、経口補水液を渡して飲んでもらい、食べれそうなら、ゼリー飲料を出して栄養補給をしてもらう。ゼリー飲料は、全員に配った。ファーナさんの時に気付けば良かったのに、今頃になってゼリー飲料なんて便利な物に気付いた……過去は変えられない……気にしないでおこう…うん。
最初の食べ物や、病気の人達に食べれる物を渡したりしていた事で、みんなバスに乗ってくれた。バスの座席が2台ともほとんど満席状態だ。
喘息のお母さんと男の子は、軽トラの荷台に寝てもらう事にした。他の2人はなんとか座席に座れたようだ。
「では、出発します!」
ゆっくりと来た道を辿りながら走り、住宅に着いたのは夕方だった。日本時間の朝9時には出発して、夕方4時過ぎ到着。
そこからは、大忙しだ。明らかに足りない住宅を35軒出し、住宅の皆に手伝ってもらって、足を綺麗に洗ってもらい、お風呂の使い方を教えながら一緒に入って洗ってもらったり、服も全部着替えてもらった。ここの先住人となったファーナさん達は住宅暮らしの先輩として動いてくれたので、とても助かった。男の人達も、男同士で教えあってくれている。
喘息が少し良くなり、起き上がれるほどになった彼女は、ナーサさんという名前で、私より少し年上だろう。お風呂場に、介護用の椅子を出して私が体を洗ったり、髪を洗ったりして、着替えてベッドに腰掛け、机を持ってきてお粥と、豆腐の味噌汁を出して食べてもらう。食後に、もう一度吸入をして、寝てもらった。
他の2人は、バスの中でしっかりと水分補給が出来て、かなり楽そうになっていた。良かった良かった。
「どうですか?皆さん、一緒に来てもらえませんか?」
もう一度声をかける。
「……母さんが病気で寝たきりなんだ。病気の母さんも連れて行っていいのか?」
12歳位の男の子が不安そうに聞いてくる。
「もちろん!とりあえず、お母さんの所に連れてってくれる?」
「こっちだ!」
男の子は、必死に私の手を引いて案内してくれる。
やっぱり栄養失調で、動けないようだった。喘息なのか咳き込みが酷い。近くで呼吸の音を聞くと、ヒューヒューの中にゼーゼーと濁った音がする。私も子どもの頃喘息だったので、急いで吸入剤をスマホで調べて出す。ゆっくりと吸い込むよう言い、少し様子を見ていると呼吸が落ち着いてきた。
「次は、水分です。これをゆっくり飲んでください。」
経口補水液を飲ませ、一緒に来ていた男の人に背負ってもらいバスまで連れて行った。他にも、動けない人が2人いたので、背負ってバスまで運んでもらう。やっぱり、栄養失調と脱水症状だ。水分をしっかり摂らないと脱水症状になり動けなくなる事をここの人達は知らないのだろう。何かのきっかけで、川まで行けず水を飲まなくなる。家族も水を汲んできて飲ませる事をあまりしないようだ。
ここでも芋が食べられていたが食欲がなく、口の中がパサパサになるので具合の悪い時には食べ辛く、水も飲まなくなり、動けなくなるという悪循環。体が水を受けつけなくなり、亡くなる人もいたようだ。
ここの近くの川は、川幅も広く流れが緩やかな事もあり魚を獲って食べる事も多くあったらしく、住宅の所より多くの人が住む事が出来ていた。それでも、毎日魚が充分に獲れる訳では無い。芋の栽培も上手くいってないから食料不足で、食べる物がなく、川で水を飲んで空腹を紛らす事もあったようだ。
魚も、芋もただ時々流れてくる小枝に突き刺し焼いて食べるらしい。
「これをゆっくり飲んでください。」
具合の悪い人には、経口補水液を渡して飲んでもらい、食べれそうなら、ゼリー飲料を出して栄養補給をしてもらう。ゼリー飲料は、全員に配った。ファーナさんの時に気付けば良かったのに、今頃になってゼリー飲料なんて便利な物に気付いた……過去は変えられない……気にしないでおこう…うん。
最初の食べ物や、病気の人達に食べれる物を渡したりしていた事で、みんなバスに乗ってくれた。バスの座席が2台ともほとんど満席状態だ。
喘息のお母さんと男の子は、軽トラの荷台に寝てもらう事にした。他の2人はなんとか座席に座れたようだ。
「では、出発します!」
ゆっくりと来た道を辿りながら走り、住宅に着いたのは夕方だった。日本時間の朝9時には出発して、夕方4時過ぎ到着。
そこからは、大忙しだ。明らかに足りない住宅を35軒出し、住宅の皆に手伝ってもらって、足を綺麗に洗ってもらい、お風呂の使い方を教えながら一緒に入って洗ってもらったり、服も全部着替えてもらった。ここの先住人となったファーナさん達は住宅暮らしの先輩として動いてくれたので、とても助かった。男の人達も、男同士で教えあってくれている。
喘息が少し良くなり、起き上がれるほどになった彼女は、ナーサさんという名前で、私より少し年上だろう。お風呂場に、介護用の椅子を出して私が体を洗ったり、髪を洗ったりして、着替えてベッドに腰掛け、机を持ってきてお粥と、豆腐の味噌汁を出して食べてもらう。食後に、もう一度吸入をして、寝てもらった。
他の2人は、バスの中でしっかりと水分補給が出来て、かなり楽そうになっていた。良かった良かった。
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