18 / 185
18.人探し
しおりを挟む
次の日、朝ご飯は無事にできたかなぁ?と心配しながら住宅まで行くと、外で洗濯物を干している人や、楽しそうな笑い声が聞こえてきたり、鶏の卵を取りに行ったりと、のどかな日本の田舎のような風景が見られた。
なんだか、ほっこりとして自然と笑顔になった。
ルイ君と、サーフ君にバスを出して運転の練習をしてもらい、ダイルさんには、私の軽トラに乗って道案内してもらえるよう頼んだ。
他の人達は、畑での収穫や、動物のお世話を頼んだ。牛舎には、なんと搾乳機があり、牛乳を殺菌する機械などがあった。使い方の説明書もあり、読んで数人に伝えて試しに搾乳してみた。あまり時間がないので、牛舎や豚舎の掃除の仕方が写真付きで貼ってあり、それを見ながらしてもらう事にした。
ファーナさん達には、公民館のキッチンに大きなTVをだし、料理のDVDを見ながら料理の勉強をしてもらう。材料も揃えて出しておいた。これなら、字が読めなくても大丈夫!私ってば天才かも!!あっ、動物のお世話や搾乳なんかもDVDで見てもらえば理解してもらいやすかった………やっぱり、天才ではないようです。……しゅん。
後の事を頼んで、人探しに出かける事にした。軽トラが先頭で、バス二台が続く。軽トラの荷台には食べ物、服など、ここで暮らしたい!と思ってもらえそうなプレゼン品を沢山用意した。
道中、ダイルさんに色々とこの世界の事について話しが聞けた。
私の家の裏にある山を越えた辺りにドワーフが住んでいて、ドワーフは人間を奴隷にしている事や、奴隷が足りなくなると、夜の間に働き手になりそうな若い男や男の子を拐い、若い女の人を数人置いていくらしい。今住宅にいる人達で若い女の人は奴隷だった人ばかりだという。
ドワーフの奴隷の中に数人の女の人がいて子ども産み、子どもが女の子なら15歳くらいなると奴隷を調達する時に連れて行かれ、男の子は働かされるようだ。今までの家では、拐い放題で寝ている間に、多い時は近くの子ども達がゴッソリ連れて行かれたそうだ。若い男も何人かは残して、連れてきた奴隷の女の子達と結婚して子どもが増えるようにしているらしい。とても気分の悪い話しだ!
エルフも、同じように人間を奴隷にしている。エルフは、ドワーフよりさらに山奥に住んでいる。
そろそろドワーフもエルフも奴隷を探しに来る頃らしい。でも、住宅なら鍵もあるし今までみたいに簡単に人拐いはできないだろう。絶対、皆んなを守ってみせる!!
さらに、ここしばらく全く雨が降らず、作物も育ちにくく、食べ物が無くて困っていたと聞いた。餓死する人も多く、赤ちゃんが産まれてもおっぱいが出ず、代わりになる物もなく、数日で亡くなる事が多かったようだ。
そんな話しを聞いて怒りで軽トラを爆走させていたら、家らしいものが沢山見えてきた。ここも、ファーナさん達の家と同じだった。違うのは、家同士が近く、まぁまぁの数があった。
近くまで行くと、エンジン音にビックリして、固まっている。ここの人達もガリガリだ。
「こんにちは。皆さん、お腹空いてませんか?」
「これ、めっちゃ美味いんだ!食ってみろよ!」
ルイ君、サーフ君がトマトや、りんご、おにぎりなどを渡す。最初に私がしたように食べて見せる。
ダイルさんは、お茶やジュースを紙コップに入れてくれる。
少しづつ近付いてきてくれ、1人の7~8歳位の男の子がトマトを一口食べ
「………んん……んまーーーい!」
夢中で食べ出したのを見ると、我慢の限界だったのか、われ先にと食べ始める。
あちこちから歓声があがり、沢山の人が集まってきた。
少し落ち着いてきたようなので、話しをしてみる。
「あの、ここにいるルイ君達も、皆さんと同じような格好をして、食べる物が足りなくて病気になったり、お腹が空きすぎて倒れたりしてたのですが、私達がいる所に大きな畑を作って、今食べてもらった物を沢山収穫できます。毎日お腹いっぱい食べても、食べ物は無くなりません。病気も治りました。住む家も、雨が入らない綺麗な所が沢山あります。私達と一緒に来ませんか?」
「俺たちは、本当に死にかけてたんだ。でも、こうしてお腹いっぱい食べて、自分達で食べ物を作る事ができるようになった。」
ルイ君も助けてくれる。サーフ君も、
「今、俺たちは仕事が沢山あって、手伝ってくれる人を探してるんだ。助けてくれないか?」
「俺も、最初は怪しいと思った。でも今は、毎日楽しいんだ。産まれた孫に腹一杯乳を飲ませてやれるんだ!ガリガリだった子が、ふっくらしてきたんだ。」
ダイルさんも熱弁してくれる。
それを聞いて、1人の若い女の人が、
「行く!!私は行くよ!」
と前に出てきてくれた。赤ちゃんを抱っこしてるから、この人もおっぱいが出ないのかもしれない。もう1人小さな子を連れたおじいさんが
「わしも行く。この子を守りたい。」
と前に出てきてくれる。
「行きたい人は、荷物をもってここに乗ってください。」
とバスを指差す。
荷物はないのか、そのまま赤ちゃん連れの女の人と、おじいさんと孫?が乗る。私もバスに乗り、椅子に座るよう言い、ミルクを出して赤ちゃんに飲ませる。
「ありがとう………ありがとう……。」
涙を流して女の人がお礼を言ってくれた。
2歳位だろうか、おじいさんと乗ってきた子に、バナナを皮を剥いて渡す。
「甘くて美味しいよ。どーぞ。」
「あいやとう。」
まだ上手く話せないようだ。可愛いなぁ~。
なんだか、ほっこりとして自然と笑顔になった。
ルイ君と、サーフ君にバスを出して運転の練習をしてもらい、ダイルさんには、私の軽トラに乗って道案内してもらえるよう頼んだ。
他の人達は、畑での収穫や、動物のお世話を頼んだ。牛舎には、なんと搾乳機があり、牛乳を殺菌する機械などがあった。使い方の説明書もあり、読んで数人に伝えて試しに搾乳してみた。あまり時間がないので、牛舎や豚舎の掃除の仕方が写真付きで貼ってあり、それを見ながらしてもらう事にした。
ファーナさん達には、公民館のキッチンに大きなTVをだし、料理のDVDを見ながら料理の勉強をしてもらう。材料も揃えて出しておいた。これなら、字が読めなくても大丈夫!私ってば天才かも!!あっ、動物のお世話や搾乳なんかもDVDで見てもらえば理解してもらいやすかった………やっぱり、天才ではないようです。……しゅん。
後の事を頼んで、人探しに出かける事にした。軽トラが先頭で、バス二台が続く。軽トラの荷台には食べ物、服など、ここで暮らしたい!と思ってもらえそうなプレゼン品を沢山用意した。
道中、ダイルさんに色々とこの世界の事について話しが聞けた。
私の家の裏にある山を越えた辺りにドワーフが住んでいて、ドワーフは人間を奴隷にしている事や、奴隷が足りなくなると、夜の間に働き手になりそうな若い男や男の子を拐い、若い女の人を数人置いていくらしい。今住宅にいる人達で若い女の人は奴隷だった人ばかりだという。
ドワーフの奴隷の中に数人の女の人がいて子ども産み、子どもが女の子なら15歳くらいなると奴隷を調達する時に連れて行かれ、男の子は働かされるようだ。今までの家では、拐い放題で寝ている間に、多い時は近くの子ども達がゴッソリ連れて行かれたそうだ。若い男も何人かは残して、連れてきた奴隷の女の子達と結婚して子どもが増えるようにしているらしい。とても気分の悪い話しだ!
エルフも、同じように人間を奴隷にしている。エルフは、ドワーフよりさらに山奥に住んでいる。
そろそろドワーフもエルフも奴隷を探しに来る頃らしい。でも、住宅なら鍵もあるし今までみたいに簡単に人拐いはできないだろう。絶対、皆んなを守ってみせる!!
さらに、ここしばらく全く雨が降らず、作物も育ちにくく、食べ物が無くて困っていたと聞いた。餓死する人も多く、赤ちゃんが産まれてもおっぱいが出ず、代わりになる物もなく、数日で亡くなる事が多かったようだ。
そんな話しを聞いて怒りで軽トラを爆走させていたら、家らしいものが沢山見えてきた。ここも、ファーナさん達の家と同じだった。違うのは、家同士が近く、まぁまぁの数があった。
近くまで行くと、エンジン音にビックリして、固まっている。ここの人達もガリガリだ。
「こんにちは。皆さん、お腹空いてませんか?」
「これ、めっちゃ美味いんだ!食ってみろよ!」
ルイ君、サーフ君がトマトや、りんご、おにぎりなどを渡す。最初に私がしたように食べて見せる。
ダイルさんは、お茶やジュースを紙コップに入れてくれる。
少しづつ近付いてきてくれ、1人の7~8歳位の男の子がトマトを一口食べ
「………んん……んまーーーい!」
夢中で食べ出したのを見ると、我慢の限界だったのか、われ先にと食べ始める。
あちこちから歓声があがり、沢山の人が集まってきた。
少し落ち着いてきたようなので、話しをしてみる。
「あの、ここにいるルイ君達も、皆さんと同じような格好をして、食べる物が足りなくて病気になったり、お腹が空きすぎて倒れたりしてたのですが、私達がいる所に大きな畑を作って、今食べてもらった物を沢山収穫できます。毎日お腹いっぱい食べても、食べ物は無くなりません。病気も治りました。住む家も、雨が入らない綺麗な所が沢山あります。私達と一緒に来ませんか?」
「俺たちは、本当に死にかけてたんだ。でも、こうしてお腹いっぱい食べて、自分達で食べ物を作る事ができるようになった。」
ルイ君も助けてくれる。サーフ君も、
「今、俺たちは仕事が沢山あって、手伝ってくれる人を探してるんだ。助けてくれないか?」
「俺も、最初は怪しいと思った。でも今は、毎日楽しいんだ。産まれた孫に腹一杯乳を飲ませてやれるんだ!ガリガリだった子が、ふっくらしてきたんだ。」
ダイルさんも熱弁してくれる。
それを聞いて、1人の若い女の人が、
「行く!!私は行くよ!」
と前に出てきてくれた。赤ちゃんを抱っこしてるから、この人もおっぱいが出ないのかもしれない。もう1人小さな子を連れたおじいさんが
「わしも行く。この子を守りたい。」
と前に出てきてくれる。
「行きたい人は、荷物をもってここに乗ってください。」
とバスを指差す。
荷物はないのか、そのまま赤ちゃん連れの女の人と、おじいさんと孫?が乗る。私もバスに乗り、椅子に座るよう言い、ミルクを出して赤ちゃんに飲ませる。
「ありがとう………ありがとう……。」
涙を流して女の人がお礼を言ってくれた。
2歳位だろうか、おじいさんと乗ってきた子に、バナナを皮を剥いて渡す。
「甘くて美味しいよ。どーぞ。」
「あいやとう。」
まだ上手く話せないようだ。可愛いなぁ~。
138
お気に入りに追加
358
あなたにおすすめの小説
【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです
yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~
旧タイトルに、もどしました。
日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。
まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。
劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。
日々の衣食住にも困る。
幸せ?生まれてこのかた一度もない。
ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・
目覚めると、真っ白な世界。
目の前には神々しい人。
地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・
短編→長編に変更しました。
R4.6.20 完結しました。
長らくお読みいただき、ありがとうございました。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜
シュガーコクーン
ファンタジー
女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。
その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!
「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。
素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯
旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」
現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。
巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
異世界に落ちたら若返りました。
アマネ
ファンタジー
榊原 チヨ、87歳。
夫との2人暮らし。
何の変化もないけど、ゆっくりとした心安らぐ時間。
そんな普通の幸せが側にあるような生活を送ってきたのにーーー
気がついたら知らない場所!?
しかもなんかやたらと若返ってない!?
なんで!?
そんなおばあちゃんのお話です。
更新は出来れば毎日したいのですが、物語の時間は割とゆっくり進むかもしれません。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる