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18.人探し
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次の日、朝ご飯は無事にできたかなぁ?と心配しながら住宅まで行くと、外で洗濯物を干している人や、楽しそうな笑い声が聞こえてきたり、鶏の卵を取りに行ったりと、のどかな日本の田舎のような風景が見られた。
なんだか、ほっこりとして自然と笑顔になった。
ルイ君と、サーフ君にバスを出して運転の練習をしてもらい、ダイルさんには、私の軽トラに乗って道案内してもらえるよう頼んだ。
他の人達は、畑での収穫や、動物のお世話を頼んだ。牛舎には、なんと搾乳機があり、牛乳を殺菌する機械などがあった。使い方の説明書もあり、読んで数人に伝えて試しに搾乳してみた。あまり時間がないので、牛舎や豚舎の掃除の仕方が写真付きで貼ってあり、それを見ながらしてもらう事にした。
ファーナさん達には、公民館のキッチンに大きなTVをだし、料理のDVDを見ながら料理の勉強をしてもらう。材料も揃えて出しておいた。これなら、字が読めなくても大丈夫!私ってば天才かも!!あっ、動物のお世話や搾乳なんかもDVDで見てもらえば理解してもらいやすかった………やっぱり、天才ではないようです。……しゅん。
後の事を頼んで、人探しに出かける事にした。軽トラが先頭で、バス二台が続く。軽トラの荷台には食べ物、服など、ここで暮らしたい!と思ってもらえそうなプレゼン品を沢山用意した。
道中、ダイルさんに色々とこの世界の事について話しが聞けた。
私の家の裏にある山を越えた辺りにドワーフが住んでいて、ドワーフは人間を奴隷にしている事や、奴隷が足りなくなると、夜の間に働き手になりそうな若い男や男の子を拐い、若い女の人を数人置いていくらしい。今住宅にいる人達で若い女の人は奴隷だった人ばかりだという。
ドワーフの奴隷の中に数人の女の人がいて子ども産み、子どもが女の子なら15歳くらいなると奴隷を調達する時に連れて行かれ、男の子は働かされるようだ。今までの家では、拐い放題で寝ている間に、多い時は近くの子ども達がゴッソリ連れて行かれたそうだ。若い男も何人かは残して、連れてきた奴隷の女の子達と結婚して子どもが増えるようにしているらしい。とても気分の悪い話しだ!
エルフも、同じように人間を奴隷にしている。エルフは、ドワーフよりさらに山奥に住んでいる。
そろそろドワーフもエルフも奴隷を探しに来る頃らしい。でも、住宅なら鍵もあるし今までみたいに簡単に人拐いはできないだろう。絶対、皆んなを守ってみせる!!
さらに、ここしばらく全く雨が降らず、作物も育ちにくく、食べ物が無くて困っていたと聞いた。餓死する人も多く、赤ちゃんが産まれてもおっぱいが出ず、代わりになる物もなく、数日で亡くなる事が多かったようだ。
そんな話しを聞いて怒りで軽トラを爆走させていたら、家らしいものが沢山見えてきた。ここも、ファーナさん達の家と同じだった。違うのは、家同士が近く、まぁまぁの数があった。
近くまで行くと、エンジン音にビックリして、固まっている。ここの人達もガリガリだ。
「こんにちは。皆さん、お腹空いてませんか?」
「これ、めっちゃ美味いんだ!食ってみろよ!」
ルイ君、サーフ君がトマトや、りんご、おにぎりなどを渡す。最初に私がしたように食べて見せる。
ダイルさんは、お茶やジュースを紙コップに入れてくれる。
少しづつ近付いてきてくれ、1人の7~8歳位の男の子がトマトを一口食べ
「………んん……んまーーーい!」
夢中で食べ出したのを見ると、我慢の限界だったのか、われ先にと食べ始める。
あちこちから歓声があがり、沢山の人が集まってきた。
少し落ち着いてきたようなので、話しをしてみる。
「あの、ここにいるルイ君達も、皆さんと同じような格好をして、食べる物が足りなくて病気になったり、お腹が空きすぎて倒れたりしてたのですが、私達がいる所に大きな畑を作って、今食べてもらった物を沢山収穫できます。毎日お腹いっぱい食べても、食べ物は無くなりません。病気も治りました。住む家も、雨が入らない綺麗な所が沢山あります。私達と一緒に来ませんか?」
「俺たちは、本当に死にかけてたんだ。でも、こうしてお腹いっぱい食べて、自分達で食べ物を作る事ができるようになった。」
ルイ君も助けてくれる。サーフ君も、
「今、俺たちは仕事が沢山あって、手伝ってくれる人を探してるんだ。助けてくれないか?」
「俺も、最初は怪しいと思った。でも今は、毎日楽しいんだ。産まれた孫に腹一杯乳を飲ませてやれるんだ!ガリガリだった子が、ふっくらしてきたんだ。」
ダイルさんも熱弁してくれる。
それを聞いて、1人の若い女の人が、
「行く!!私は行くよ!」
と前に出てきてくれた。赤ちゃんを抱っこしてるから、この人もおっぱいが出ないのかもしれない。もう1人小さな子を連れたおじいさんが
「わしも行く。この子を守りたい。」
と前に出てきてくれる。
「行きたい人は、荷物をもってここに乗ってください。」
とバスを指差す。
荷物はないのか、そのまま赤ちゃん連れの女の人と、おじいさんと孫?が乗る。私もバスに乗り、椅子に座るよう言い、ミルクを出して赤ちゃんに飲ませる。
「ありがとう………ありがとう……。」
涙を流して女の人がお礼を言ってくれた。
2歳位だろうか、おじいさんと乗ってきた子に、バナナを皮を剥いて渡す。
「甘くて美味しいよ。どーぞ。」
「あいやとう。」
まだ上手く話せないようだ。可愛いなぁ~。
なんだか、ほっこりとして自然と笑顔になった。
ルイ君と、サーフ君にバスを出して運転の練習をしてもらい、ダイルさんには、私の軽トラに乗って道案内してもらえるよう頼んだ。
他の人達は、畑での収穫や、動物のお世話を頼んだ。牛舎には、なんと搾乳機があり、牛乳を殺菌する機械などがあった。使い方の説明書もあり、読んで数人に伝えて試しに搾乳してみた。あまり時間がないので、牛舎や豚舎の掃除の仕方が写真付きで貼ってあり、それを見ながらしてもらう事にした。
ファーナさん達には、公民館のキッチンに大きなTVをだし、料理のDVDを見ながら料理の勉強をしてもらう。材料も揃えて出しておいた。これなら、字が読めなくても大丈夫!私ってば天才かも!!あっ、動物のお世話や搾乳なんかもDVDで見てもらえば理解してもらいやすかった………やっぱり、天才ではないようです。……しゅん。
後の事を頼んで、人探しに出かける事にした。軽トラが先頭で、バス二台が続く。軽トラの荷台には食べ物、服など、ここで暮らしたい!と思ってもらえそうなプレゼン品を沢山用意した。
道中、ダイルさんに色々とこの世界の事について話しが聞けた。
私の家の裏にある山を越えた辺りにドワーフが住んでいて、ドワーフは人間を奴隷にしている事や、奴隷が足りなくなると、夜の間に働き手になりそうな若い男や男の子を拐い、若い女の人を数人置いていくらしい。今住宅にいる人達で若い女の人は奴隷だった人ばかりだという。
ドワーフの奴隷の中に数人の女の人がいて子ども産み、子どもが女の子なら15歳くらいなると奴隷を調達する時に連れて行かれ、男の子は働かされるようだ。今までの家では、拐い放題で寝ている間に、多い時は近くの子ども達がゴッソリ連れて行かれたそうだ。若い男も何人かは残して、連れてきた奴隷の女の子達と結婚して子どもが増えるようにしているらしい。とても気分の悪い話しだ!
エルフも、同じように人間を奴隷にしている。エルフは、ドワーフよりさらに山奥に住んでいる。
そろそろドワーフもエルフも奴隷を探しに来る頃らしい。でも、住宅なら鍵もあるし今までみたいに簡単に人拐いはできないだろう。絶対、皆んなを守ってみせる!!
さらに、ここしばらく全く雨が降らず、作物も育ちにくく、食べ物が無くて困っていたと聞いた。餓死する人も多く、赤ちゃんが産まれてもおっぱいが出ず、代わりになる物もなく、数日で亡くなる事が多かったようだ。
そんな話しを聞いて怒りで軽トラを爆走させていたら、家らしいものが沢山見えてきた。ここも、ファーナさん達の家と同じだった。違うのは、家同士が近く、まぁまぁの数があった。
近くまで行くと、エンジン音にビックリして、固まっている。ここの人達もガリガリだ。
「こんにちは。皆さん、お腹空いてませんか?」
「これ、めっちゃ美味いんだ!食ってみろよ!」
ルイ君、サーフ君がトマトや、りんご、おにぎりなどを渡す。最初に私がしたように食べて見せる。
ダイルさんは、お茶やジュースを紙コップに入れてくれる。
少しづつ近付いてきてくれ、1人の7~8歳位の男の子がトマトを一口食べ
「………んん……んまーーーい!」
夢中で食べ出したのを見ると、我慢の限界だったのか、われ先にと食べ始める。
あちこちから歓声があがり、沢山の人が集まってきた。
少し落ち着いてきたようなので、話しをしてみる。
「あの、ここにいるルイ君達も、皆さんと同じような格好をして、食べる物が足りなくて病気になったり、お腹が空きすぎて倒れたりしてたのですが、私達がいる所に大きな畑を作って、今食べてもらった物を沢山収穫できます。毎日お腹いっぱい食べても、食べ物は無くなりません。病気も治りました。住む家も、雨が入らない綺麗な所が沢山あります。私達と一緒に来ませんか?」
「俺たちは、本当に死にかけてたんだ。でも、こうしてお腹いっぱい食べて、自分達で食べ物を作る事ができるようになった。」
ルイ君も助けてくれる。サーフ君も、
「今、俺たちは仕事が沢山あって、手伝ってくれる人を探してるんだ。助けてくれないか?」
「俺も、最初は怪しいと思った。でも今は、毎日楽しいんだ。産まれた孫に腹一杯乳を飲ませてやれるんだ!ガリガリだった子が、ふっくらしてきたんだ。」
ダイルさんも熱弁してくれる。
それを聞いて、1人の若い女の人が、
「行く!!私は行くよ!」
と前に出てきてくれた。赤ちゃんを抱っこしてるから、この人もおっぱいが出ないのかもしれない。もう1人小さな子を連れたおじいさんが
「わしも行く。この子を守りたい。」
と前に出てきてくれる。
「行きたい人は、荷物をもってここに乗ってください。」
とバスを指差す。
荷物はないのか、そのまま赤ちゃん連れの女の人と、おじいさんと孫?が乗る。私もバスに乗り、椅子に座るよう言い、ミルクを出して赤ちゃんに飲ませる。
「ありがとう………ありがとう……。」
涙を流して女の人がお礼を言ってくれた。
2歳位だろうか、おじいさんと乗ってきた子に、バナナを皮を剥いて渡す。
「甘くて美味しいよ。どーぞ。」
「あいやとう。」
まだ上手く話せないようだ。可愛いなぁ~。
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