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10.男の子
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男の子が食べている間、どうすればいいか考えていた。
ファーナさんとファーファちゃんはやっと落ち着いて朝食を済ませ川へ洗濯に2人仲良く出て行った。
食べ終わって、不思議そうにお茶のペットボトルを見ているからコップを出して注いで渡す。ウッドデッキに腰掛けてお茶をゴクゴク飲む男の子に聞いてみる。
「あなたの名前は?」
「俺は、ルイ。父さんのルダと暮らしてる。」
「お父さんは、さっきの中にいたの?」
「いない。……病気なんだ。熱があって寝てる。母さんは俺を産んですぐに死んだって聞いた。ここら辺の奴は、食べる物が無いし体が弱ってるから熱が出たりしたら、すぐに死んでしまうんだ。子どもも大きくなる前に死んでしまう。産まれてすぐ死ぬのがほとんどだ。いくら頑張っても食べる物が作れるような土じゃないから、なんとか作れる芋を育てて少しづつ食べるんだ。さっきの、おにぎりとか言うの、すげー美味かった!この飲み物も変な臭いもしないし美味いな!」
と、ニコッと笑った。
不覚にも、ちょっとキュンとしてしまった。可愛いじゃねーか!よく見ると顔もジャニーズに入れるほどの可愛い系。ファーファちゃんも可愛いし、ファーナさんも美人。この世界の人は美形ばかりなのかもしれない。……ちょっと凹む。どーせ、中の下くらいの見た目ですよーだ!
まぁこれも何かの縁だし、この辺りに暮してる人達も全員なんとかしないと、さっきみたいな事がまた起こる。よし、腹を括ろう!
「ルイ君、ここら辺に暮らしてる人を一つの家族に1人でいいから呼んで来てほしい。美味しい物が食べられるって言って連れて来て。お願いできる?」
「分かった。みんなにもおにぎりくれるのか?」
「うん。みんなに話しを聞いてほしいから、おにぎり用意して待ってる。あと、お父さんにこれ飲ませてあげて。」
スポーツドリンクを渡してペットボトルの開け方も教え、必ず後からお父さんにも食べ物届ける事を約束すると、おにぎりを食べたからか元気に走って行った。
ここら辺の人が作ってる芋は、じゃがいもでもさつまいもでもなく、なんだかゴツゴツした岩みたいなカボチャ位の大きさの芋らしい。味はほぼ無い。そのまま焼いて食べるらしい。洗濯から帰ってきたファーナさんに聞いた。
洗濯干すのを手伝っていたら、15人の男の人や女の人がルイ君に連れられてやってきた。おどおどしたり、私を睨むように見たりと反応は色々だ。とりあえず用意しておいた、おにぎりやサンドイッチにハンバーガー、お茶、ジュースを紙コップに入れてキャンプ用の大きな机の上に並べてあるのを指差して、
「これを食べたければ、まず、ここで手を洗ってください。手を洗ったら食べてもいいですよ。沢山あるから、独り占めしないように!」
と、大声で言い、ファーナさん所の手洗い場の使い方を教える。
予想通りに、順番に並ぶ事もなく我先にと手を洗おうとする人や、手も洗わず食べようとする人やら……ルイ君や、ファーナさんが手伝ってくれて、なんとか全員手を洗い、これまた我先に食べ物に手を伸ばす。食べ方もルイ君やファーナさんがお手本代わりに食べてくれている。それを見て食べ始めると、無言で一心不乱に全員が食べる。飲み物もコップを2つ持って飲んだり、サンドイッチとおにぎりを交互に食べたりと皆んな夢中な様子。お腹空いてたんだろうなぁ。皆んなガリガリで赤ちゃんを抱いてる人もいるけど、おっぱい出ないのか赤ちゃんもガリガリ。
机の上には、まだ残ってるけど少し空腹が落ち着いたようだ。
ファーナさんとファーファちゃんはやっと落ち着いて朝食を済ませ川へ洗濯に2人仲良く出て行った。
食べ終わって、不思議そうにお茶のペットボトルを見ているからコップを出して注いで渡す。ウッドデッキに腰掛けてお茶をゴクゴク飲む男の子に聞いてみる。
「あなたの名前は?」
「俺は、ルイ。父さんのルダと暮らしてる。」
「お父さんは、さっきの中にいたの?」
「いない。……病気なんだ。熱があって寝てる。母さんは俺を産んですぐに死んだって聞いた。ここら辺の奴は、食べる物が無いし体が弱ってるから熱が出たりしたら、すぐに死んでしまうんだ。子どもも大きくなる前に死んでしまう。産まれてすぐ死ぬのがほとんどだ。いくら頑張っても食べる物が作れるような土じゃないから、なんとか作れる芋を育てて少しづつ食べるんだ。さっきの、おにぎりとか言うの、すげー美味かった!この飲み物も変な臭いもしないし美味いな!」
と、ニコッと笑った。
不覚にも、ちょっとキュンとしてしまった。可愛いじゃねーか!よく見ると顔もジャニーズに入れるほどの可愛い系。ファーファちゃんも可愛いし、ファーナさんも美人。この世界の人は美形ばかりなのかもしれない。……ちょっと凹む。どーせ、中の下くらいの見た目ですよーだ!
まぁこれも何かの縁だし、この辺りに暮してる人達も全員なんとかしないと、さっきみたいな事がまた起こる。よし、腹を括ろう!
「ルイ君、ここら辺に暮らしてる人を一つの家族に1人でいいから呼んで来てほしい。美味しい物が食べられるって言って連れて来て。お願いできる?」
「分かった。みんなにもおにぎりくれるのか?」
「うん。みんなに話しを聞いてほしいから、おにぎり用意して待ってる。あと、お父さんにこれ飲ませてあげて。」
スポーツドリンクを渡してペットボトルの開け方も教え、必ず後からお父さんにも食べ物届ける事を約束すると、おにぎりを食べたからか元気に走って行った。
ここら辺の人が作ってる芋は、じゃがいもでもさつまいもでもなく、なんだかゴツゴツした岩みたいなカボチャ位の大きさの芋らしい。味はほぼ無い。そのまま焼いて食べるらしい。洗濯から帰ってきたファーナさんに聞いた。
洗濯干すのを手伝っていたら、15人の男の人や女の人がルイ君に連れられてやってきた。おどおどしたり、私を睨むように見たりと反応は色々だ。とりあえず用意しておいた、おにぎりやサンドイッチにハンバーガー、お茶、ジュースを紙コップに入れてキャンプ用の大きな机の上に並べてあるのを指差して、
「これを食べたければ、まず、ここで手を洗ってください。手を洗ったら食べてもいいですよ。沢山あるから、独り占めしないように!」
と、大声で言い、ファーナさん所の手洗い場の使い方を教える。
予想通りに、順番に並ぶ事もなく我先にと手を洗おうとする人や、手も洗わず食べようとする人やら……ルイ君や、ファーナさんが手伝ってくれて、なんとか全員手を洗い、これまた我先に食べ物に手を伸ばす。食べ方もルイ君やファーナさんがお手本代わりに食べてくれている。それを見て食べ始めると、無言で一心不乱に全員が食べる。飲み物もコップを2つ持って飲んだり、サンドイッチとおにぎりを交互に食べたりと皆んな夢中な様子。お腹空いてたんだろうなぁ。皆んなガリガリで赤ちゃんを抱いてる人もいるけど、おっぱい出ないのか赤ちゃんもガリガリ。
机の上には、まだ残ってるけど少し空腹が落ち着いたようだ。
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