いきなり異世界って理不尽だ!

みーか

文字の大きさ
上 下
9 / 185

9.軽トラ

しおりを挟む
 朝、目を覚まして、身支度を整えて魔力確認!
「何これ!……すごい数字なんですけど‼︎」
 1人叫んでしまった。パッと数えられる桁ではない。うーん、一・十・百・千………と小学生のように数えていくと75億になっている。もちろんその下の数字もゼロでは無い。1魔力が百円と考えると0を2つ付けたらいいんだよね??えっ?7500億円って事?マジか、大金持ちじゃないか!しかも税金なんてもんはないから使いたい放題!うっひゃーー!

 …とりあえず洗濯機出そう。洗濯機置き場もちゃんとあるから、そこにイメージして出した。
 後は、ファーファちゃん達に家を建てようと思い、とりあえず外に出ると微かに風に乗って悲鳴が聞こえるような気がする。下から風が吹き上げて来た時に、しっかりと悲鳴が聞こえた!ファーナさん?
 どーしよう、ここから走ってもかなりかかるし、何が起きてるか分からない。えーと、えーと、……あっ、私大金持ちだった!大きく深呼吸して落ち着いて、スマホを出して軽トラの画像を出し、しっかりイメージしてから、オートマの軽トラを出した。一応免許は取ったから運転はできるはず。ペーパーだけどなんとなく覚えてる…気がする……。車のキーを挿してエンジンをかける。よし、かかった。サイドブレーキを下ろしてアクセルを踏む。
 う、動いたぁーー!よし、スピードアップだ!
 途中かなりの傾斜で落ちるんじゃないかとヒヤヒヤしながらなんとか近くまで来れた。
 ファーナさんのテントの周りに数人の男の人がいて、テントを揺らしたり叩いたりしている。
 どーしよう、この人達を追い払わないと…、よーし!
『ビーーーーーービーーーー‼︎‼︎』
クラクションを思いっきり鳴らしながら車のまま近づいた。クラクションの音にビックリして大慌てで逃げ出して行く。
 トラックを止めて降りると18歳くらい?の男の子が腰を抜かしてアワアワしている。無視して、テントを開けるとファーナさんはファーファちゃんを抱き抱えて震えていた。
「大丈夫?何もされてない?」
私の顔を見るとホッとしたように体の力が抜けたのが分かった。
「…大丈夫です。突然この家が揺れたり、叩かれたりしてビックリしただけです。」
 良かったぁ~、何もなくて。外で腰を抜かしてる男の子に事情を聞いてみる事にした。
「ねぇ、そこの人、なんでこんなことしたの?」
「…あ……ぁ…、えっ、ゔ……は…」
ダメだこりゃ、相当ビックリし過ぎてまともに話す事も出来ない。
 少し落ち着くのを待って、おにぎりを出して、
「どーぞ。食べてもいいよ。食べ物、おにぎりって言うんだよ。そのままこーやって…パクっ。うん、美味しい。」
一口食べて見せると、怖々しながらも手を伸ばし、ギューっと目をつぶって毒でも食べるかのように一口食べる。
「…………んっ‼︎パクっ、もぐもぐ…パクっ!………ごっくん。……うめーーーー!もっとくれ!」
「話してくれたら、あげる。なんでこんな事になったの?」
「朝起きたら、男達が集まってるから見に来た。変な物が置いてあるから何か分からねーし、とりあえず叩いてみたら中から人の声がするしビックリして……。」
 あぁ、なるほど~。確かに見たこともないような物が急に見えたらビックリするよね。近くに家は無かったけど、ここまで何もない荒れた土地だから離れててもこんな目立つ物が急に出てきたら、遠くても見えるし、ビックリもするだろうな。テント大きいし。
 私の家のある方は、丘になってて草も生えてるけど、ここら辺はまばらに草が生えてるくらい。大きな木も無いし、川の近くがちょっと草が多いかな。地球で言うと、サバンナと砂漠と混ぜ合わせたような、何にも無い平地。
「教えてくれてありがとう、はい、おにぎりとお茶。どーぞ。」
 ペットボトルのお茶を出し、蓋を取って渡す。男の子の目がキラキラして、すごい勢いで食べ始めた。
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

転生貴族のスローライフ

マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である *基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します

怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。 本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。 彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。 世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。 喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

処理中です...