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第二部 絆ぐ伝説
第三話一八章 現れしもの
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「キキィッ!」
「ビーブ!」
ビーブはクマの背から降りてロウワンに駆けよった。頼りになるきょうだい分を、ロウワンは諸手をあげて迎えた。その顔には満面の笑顔があふれている。
「ありがとう! 助けを呼んできてくれたんだな」
「キキキッ」
――こいつらも、妙な連中が自分たちの縄張りをうろついてるのにムカついてたからな。助けを頼んだんだ。
ビーブは自慢げに手話でそう伝えた。同じ獣がロウワンたちの助けとなったことが誇らしいのだろう。
その獣たちはビーブの後ろでチョコンと座り込んでいる。巨大なクマとひときわ大きなハイイロオオカミとが並んで座り、クマの頭にはオオワシがとまっている。
――紹介するぜ。この山の空を支配するオオワシの風切り丸。ハイイロオオカミの群れを束ねるロボ。そして、この山の王にして神、ホラアナグマのバルバルウだ。
ビーブに紹介された三体の鳥獣は、それぞれに誇らしげな表情を浮かべている。ロウワンは頼もしい仲間たちに視線を向けた。
「……そうか。ありがとう。君たちもこの世界を守りたいんだな」
考えてみれば当たり前だ。鳥も、獣も、同じくこの世界に生きる存在。この世界が異界に侵されるとなれば怒りを覚える。立ち向かう。
――そうだ。亡道の司との戦いは人間だけのものじゃない。人間以外にもこんなにも頼もしい仲間たちがいるんだ。
世界中の鳥や獣が共に戦ってくれるならどれほどの戦力になることか。その頼もしさにロウワンは心が弾んだ。そのとき――。
「キキキッ!」
甲高い声がして一頭のサルが飛び出してきた。
そのサルは他には目もくれず、ビーブのもとに駆けよった。ビーブはそのサルを正面から受けとめた。手と手を合わせ、見つめ合う。
「……無事だったのね。よかった」
「当たり前だ。お前を残して死ぬものか」
思わず、そんな台詞を当てたくなるその姿。それを見ればどういう関係かは一目でわかる。
「……なに、これ?」
「……ちゃっかり、嫁さんまで見つけてきたのか」
トウナの言葉に、ロウワンもあきれたような声を出した。
考えてみれば、それがビーブが島を出た理由ではあった。しかし、あれだけ弱っていて、しかも、この短時間で……。
「……あなどれんやつ」
野伏がそう言ったのは、やっかみも含まれていたかも知れない。
一方でそんな話が展開されている間、メリッサと仲間たちは異形の獣たちの死体を調べていた。戦いでは役立たずの足手まといだが、調査・研究となればこちらが本職。役割を果たすことに余念がなかった。
「どうです、メリッサ師?」
話を終えたロウワンが尋ねた。その隣にはビーブがいて、さらにその隣には当然、嫁ザルが立っている。さりげなく肩に腕をまわしているあたり『なかなかやる』ビーブであった。
メリッサは答えた。
「……ええ。やはり、亡道の力を感じる。亡道の力によって生み出された存在であることはまちがいないわ」
それだけなら調べなくてもわかる。幾つもの生物を混ぜあわせ、新しいひとつの生物とするなど亡道の力以外には為し得ないのだから。
「するとやはり、亡道の司が?」
「そうなるわね」
「でも、マークスの記憶のなかで見た亡道のものたちはこんな姿じゃなかった」
ロウワンはマークスの記憶のなかで見た千年前の戦いを思い出しながら言った。
あの戦いにも亡道の力に侵された生物はたくさんいた。しかし、そのどれひとつとしてこんな姿はしていなかった。もっとおぞましい、見るからに異界のものというしかない姿。生物と、腐敗と、汚物とを混ぜあわせたような不気味な姿をしていた。こんな、はっきりした獣の姿をした亡道のものなど少なくともマークスの記憶のなかには存在しなかった。
ロウワンの言葉にメリッサもうなずいた。
「ええ。祖先から伝えられてきた亡道のものたちのなかにも、こんな姿のものはいないわ。それに……」
「それに?」
「亡道の力はたしかに感じる。でも、なにかがちがう。亡道そのものではない。亡道を秩序立てて作り替えたような、そんな感じ。この感じは……むしろ、人間」
「人間⁉」
「ええ。天命の理が亡道の力を利用する業であることは知っているでしょう? それと同じように、亡道の力を術として使えるようにした……そんな感じを受けるの」
「そんな! それじゃ、人間がこんな異形の獣を生みだしたって言うんですか⁉」
「思いたくはないけど……」
さすがにメリッサも顔をしかめ、口を濁した。
「この際、重要なのは……」
野伏が戦闘の専門家らしく肝心な点を指摘した。
「いま、ここに、こいつらがいると言うことだ。ならば、他にもいるはずだ。こいつらが大挙して人間を襲いはじめたらどれほどの被害が出るかわからんぞ」
――たしかに。
ロウワンも、トウナも、メリッサも、同じようにうなずくしかなかった。
自分たちが異形の獣に囲まれても生き残れたのは野伏がいて、ビーブがいて、山の鳥獣たちが援軍として駆けつけてくれたおかげだ。そうでなければ皆殺しにされていた。ロウワンや、『一〇〇年先の技術』をもつ『もうひとつの輝き』の人員がいてもそうなのだ。まして、普通の人間たちが襲われたら……。
「……山の獣たちが警告を発していたのは、こいつらのせいだったのね」
トウナの言葉にビーブが騒ぎ立てた。
「キキィッ、キイ、キイ!」
「えっ? なに? ちがう? 山の鳥獣たちが怖れ、警戒していたのはこいつらなんかじゃない? それじゃ……もっと危険なやつがいるって言うのか?」
ロウワンがそう言ったそのときだ。
ズン!
重々しい音さえ立てて、すさまじい重量が全身にのしかかった
「な、なんだ……⁉」
ロウワンは思わず叫んだ。
突然、重力が三倍にもなったように感じられた。それぐらい、体が重い。体が地面に押しつけられる。ロウワンたちはまだ立っていられたが、研究者である『もうひとつの輝き』の人員たちは全員、立っていることもできずにその場に座り込んでしまった。と言うより、いきなりの重さに押しつぶされていた。
それは気配。
この地に来てからずっと感じていた、大気に満ちる異様な緊張感。
その気配がいま、物理的な重ささえ感じさせるほどの濃密さで、ロウワンたちにのしかかってきたのだ。
「ロ、ロウワン、あれ……」
トウナが呟いた。かの人らしくもない、途方に暮れたかのような声。目は大きく見開かれ、汗がにじんでいる。その視線はロウワンのはるか向こう、山の彼方の空を差していた。
ロウワンはトウナの視線を追った。そして、同じように目を見開き、汗を流した。
「な、なんだ、あれは……」
そこにいたのは異形の胎児。
山ほどもある巨体。
全身の半分を占める巨大な頭部。
虚無を詰め込んだかのようなうつろな目。
風洞のような口。
胴体にはむき出しの心臓がドクドクと脈打っている。
その胴体は先に行くほど細くすぼまり、先端は尻尾のように丸まっている。
肩からは恐ろしく太い腕が伸び、巨大な拳を地面につけて立っている。
それはまさに、未だかつて誰ひとりとして見たことのない、胎児の姿の怪物だった。
「……なんだ。なんなんだ、あいつは」
ロウワンが脂汗をにじませながら呟いた。
いくらなんでも、こんな巨大な怪物が接近してくることに気がつかないはずがない。この巨体である。一歩――いや、一手か――動くだけでも轟音が鳴り響き、大地が揺れるはずだ。それが、まったく気がつかなかった。となれば――。
突如としてその場に現れた。
そう考えるしかなかった。
「……あれが、亡道の司か?」
野伏がそう尋ねたのは、かの人の知識量からすれば当然のことだった。
ロウワンはかぶりを振った。
「ち、ちがう。あれは……ちがう。おれがマークスの記憶のなかで見た亡道の司は人の姿をしていた。人の言葉を話していた。あんな、異形の怪物じゃなかった」
そして、なにより――。
「亡道の司はこの世界を憎んでいたわけじゃない。だけど、あいつは……」
異形の胎児から感じるものは憎悪。
この世界すべてに対する怒り。憎しみ。恨み。この世界すべてを滅ぼしてやろうとの圧倒的な敵意。
それらはいずれも、亡道の司には無縁のもののはずだった。亡道の司とは自然現象の擬人化。人間のような感情などなく、ただ淡々と己のなすべき事をなす、そんな、むしろ機械のような存在なのだから。
この地に満ちる異様な緊張感。それは、この異形の胎児の放つ憎悪であり、山の鳥獣たちを怖れさせていたものだった。
異形の胎児の胸。ドクドクと脈打つ心臓。そこに光が走った。稲妻だった。
――まずい! みんな、やつの放つ気配に押しつぶされて身動きがとれない。いま、稲妻なんか放たれたら……。
全滅する!
そして、身動き出来ないロウワンたちに向かい――。
幾筋もの稲妻が放たれた。
「ビーブ!」
ビーブはクマの背から降りてロウワンに駆けよった。頼りになるきょうだい分を、ロウワンは諸手をあげて迎えた。その顔には満面の笑顔があふれている。
「ありがとう! 助けを呼んできてくれたんだな」
「キキキッ」
――こいつらも、妙な連中が自分たちの縄張りをうろついてるのにムカついてたからな。助けを頼んだんだ。
ビーブは自慢げに手話でそう伝えた。同じ獣がロウワンたちの助けとなったことが誇らしいのだろう。
その獣たちはビーブの後ろでチョコンと座り込んでいる。巨大なクマとひときわ大きなハイイロオオカミとが並んで座り、クマの頭にはオオワシがとまっている。
――紹介するぜ。この山の空を支配するオオワシの風切り丸。ハイイロオオカミの群れを束ねるロボ。そして、この山の王にして神、ホラアナグマのバルバルウだ。
ビーブに紹介された三体の鳥獣は、それぞれに誇らしげな表情を浮かべている。ロウワンは頼もしい仲間たちに視線を向けた。
「……そうか。ありがとう。君たちもこの世界を守りたいんだな」
考えてみれば当たり前だ。鳥も、獣も、同じくこの世界に生きる存在。この世界が異界に侵されるとなれば怒りを覚える。立ち向かう。
――そうだ。亡道の司との戦いは人間だけのものじゃない。人間以外にもこんなにも頼もしい仲間たちがいるんだ。
世界中の鳥や獣が共に戦ってくれるならどれほどの戦力になることか。その頼もしさにロウワンは心が弾んだ。そのとき――。
「キキキッ!」
甲高い声がして一頭のサルが飛び出してきた。
そのサルは他には目もくれず、ビーブのもとに駆けよった。ビーブはそのサルを正面から受けとめた。手と手を合わせ、見つめ合う。
「……無事だったのね。よかった」
「当たり前だ。お前を残して死ぬものか」
思わず、そんな台詞を当てたくなるその姿。それを見ればどういう関係かは一目でわかる。
「……なに、これ?」
「……ちゃっかり、嫁さんまで見つけてきたのか」
トウナの言葉に、ロウワンもあきれたような声を出した。
考えてみれば、それがビーブが島を出た理由ではあった。しかし、あれだけ弱っていて、しかも、この短時間で……。
「……あなどれんやつ」
野伏がそう言ったのは、やっかみも含まれていたかも知れない。
一方でそんな話が展開されている間、メリッサと仲間たちは異形の獣たちの死体を調べていた。戦いでは役立たずの足手まといだが、調査・研究となればこちらが本職。役割を果たすことに余念がなかった。
「どうです、メリッサ師?」
話を終えたロウワンが尋ねた。その隣にはビーブがいて、さらにその隣には当然、嫁ザルが立っている。さりげなく肩に腕をまわしているあたり『なかなかやる』ビーブであった。
メリッサは答えた。
「……ええ。やはり、亡道の力を感じる。亡道の力によって生み出された存在であることはまちがいないわ」
それだけなら調べなくてもわかる。幾つもの生物を混ぜあわせ、新しいひとつの生物とするなど亡道の力以外には為し得ないのだから。
「するとやはり、亡道の司が?」
「そうなるわね」
「でも、マークスの記憶のなかで見た亡道のものたちはこんな姿じゃなかった」
ロウワンはマークスの記憶のなかで見た千年前の戦いを思い出しながら言った。
あの戦いにも亡道の力に侵された生物はたくさんいた。しかし、そのどれひとつとしてこんな姿はしていなかった。もっとおぞましい、見るからに異界のものというしかない姿。生物と、腐敗と、汚物とを混ぜあわせたような不気味な姿をしていた。こんな、はっきりした獣の姿をした亡道のものなど少なくともマークスの記憶のなかには存在しなかった。
ロウワンの言葉にメリッサもうなずいた。
「ええ。祖先から伝えられてきた亡道のものたちのなかにも、こんな姿のものはいないわ。それに……」
「それに?」
「亡道の力はたしかに感じる。でも、なにかがちがう。亡道そのものではない。亡道を秩序立てて作り替えたような、そんな感じ。この感じは……むしろ、人間」
「人間⁉」
「ええ。天命の理が亡道の力を利用する業であることは知っているでしょう? それと同じように、亡道の力を術として使えるようにした……そんな感じを受けるの」
「そんな! それじゃ、人間がこんな異形の獣を生みだしたって言うんですか⁉」
「思いたくはないけど……」
さすがにメリッサも顔をしかめ、口を濁した。
「この際、重要なのは……」
野伏が戦闘の専門家らしく肝心な点を指摘した。
「いま、ここに、こいつらがいると言うことだ。ならば、他にもいるはずだ。こいつらが大挙して人間を襲いはじめたらどれほどの被害が出るかわからんぞ」
――たしかに。
ロウワンも、トウナも、メリッサも、同じようにうなずくしかなかった。
自分たちが異形の獣に囲まれても生き残れたのは野伏がいて、ビーブがいて、山の鳥獣たちが援軍として駆けつけてくれたおかげだ。そうでなければ皆殺しにされていた。ロウワンや、『一〇〇年先の技術』をもつ『もうひとつの輝き』の人員がいてもそうなのだ。まして、普通の人間たちが襲われたら……。
「……山の獣たちが警告を発していたのは、こいつらのせいだったのね」
トウナの言葉にビーブが騒ぎ立てた。
「キキィッ、キイ、キイ!」
「えっ? なに? ちがう? 山の鳥獣たちが怖れ、警戒していたのはこいつらなんかじゃない? それじゃ……もっと危険なやつがいるって言うのか?」
ロウワンがそう言ったそのときだ。
ズン!
重々しい音さえ立てて、すさまじい重量が全身にのしかかった
「な、なんだ……⁉」
ロウワンは思わず叫んだ。
突然、重力が三倍にもなったように感じられた。それぐらい、体が重い。体が地面に押しつけられる。ロウワンたちはまだ立っていられたが、研究者である『もうひとつの輝き』の人員たちは全員、立っていることもできずにその場に座り込んでしまった。と言うより、いきなりの重さに押しつぶされていた。
それは気配。
この地に来てからずっと感じていた、大気に満ちる異様な緊張感。
その気配がいま、物理的な重ささえ感じさせるほどの濃密さで、ロウワンたちにのしかかってきたのだ。
「ロ、ロウワン、あれ……」
トウナが呟いた。かの人らしくもない、途方に暮れたかのような声。目は大きく見開かれ、汗がにじんでいる。その視線はロウワンのはるか向こう、山の彼方の空を差していた。
ロウワンはトウナの視線を追った。そして、同じように目を見開き、汗を流した。
「な、なんだ、あれは……」
そこにいたのは異形の胎児。
山ほどもある巨体。
全身の半分を占める巨大な頭部。
虚無を詰め込んだかのようなうつろな目。
風洞のような口。
胴体にはむき出しの心臓がドクドクと脈打っている。
その胴体は先に行くほど細くすぼまり、先端は尻尾のように丸まっている。
肩からは恐ろしく太い腕が伸び、巨大な拳を地面につけて立っている。
それはまさに、未だかつて誰ひとりとして見たことのない、胎児の姿の怪物だった。
「……なんだ。なんなんだ、あいつは」
ロウワンが脂汗をにじませながら呟いた。
いくらなんでも、こんな巨大な怪物が接近してくることに気がつかないはずがない。この巨体である。一歩――いや、一手か――動くだけでも轟音が鳴り響き、大地が揺れるはずだ。それが、まったく気がつかなかった。となれば――。
突如としてその場に現れた。
そう考えるしかなかった。
「……あれが、亡道の司か?」
野伏がそう尋ねたのは、かの人の知識量からすれば当然のことだった。
ロウワンはかぶりを振った。
「ち、ちがう。あれは……ちがう。おれがマークスの記憶のなかで見た亡道の司は人の姿をしていた。人の言葉を話していた。あんな、異形の怪物じゃなかった」
そして、なにより――。
「亡道の司はこの世界を憎んでいたわけじゃない。だけど、あいつは……」
異形の胎児から感じるものは憎悪。
この世界すべてに対する怒り。憎しみ。恨み。この世界すべてを滅ぼしてやろうとの圧倒的な敵意。
それらはいずれも、亡道の司には無縁のもののはずだった。亡道の司とは自然現象の擬人化。人間のような感情などなく、ただ淡々と己のなすべき事をなす、そんな、むしろ機械のような存在なのだから。
この地に満ちる異様な緊張感。それは、この異形の胎児の放つ憎悪であり、山の鳥獣たちを怖れさせていたものだった。
異形の胎児の胸。ドクドクと脈打つ心臓。そこに光が走った。稲妻だった。
――まずい! みんな、やつの放つ気配に押しつぶされて身動きがとれない。いま、稲妻なんか放たれたら……。
全滅する!
そして、身動き出来ないロウワンたちに向かい――。
幾筋もの稲妻が放たれた。
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