10 / 35
本音
兄妹の気持ち
しおりを挟む
サクラは目を擦り涙を拭って笑顔を作った。キクは「でも・・・」と何かを言いかけていたがツバキが遮って叫んだ。
「お兄ちゃん!私ッお兄ちゃんが背負ってきたもの知らない子供だけど・・どんな悲しい思いも苦しい思いも痛い思いもしてきたんだと思う。私・・お兄ちゃんの気持ち全然気付いてなかった。私がお兄ちゃんの幸せ奪ってたんだね。ごめんなさい。私、ずっとお兄ちゃんに甘えてた。優しくしてくれるお兄ちゃんに縋ってた。・・・・・・ごめんね。ごめんなさい。お兄ちゃんの気持ち理解していなくてごめんね。だから・・教えて欲しいの・・何があって・・どんな気持ちで・・・教えて欲しい・・」
胸に手を置いて身を乗り出して言う。
「・・・・・・・」
「キク・・・」
サクラは手をギュッと握った。
「・・・・・僕は・・・・」
「お兄ちゃんッお願い・・お願いだから・・私に教えて・・」
「・・・・・僕は、僕は・・・・ただ・・・・うんん・・なんでもない。椿。椿に僕から話すことなんって何もないよ。僕にしてきたのだってどうせお父さんが僕のことなんか嫌いだったからしたこと椿が産まれる前までは僕しかいないから仲良く出来たでも椿が産まれて、嫌いな僕にキツくあたるのは無理もない。僕は多分・・椿の言っていた通りお父さんに似ているんだろうね。お父さんが嫌いなお父さんに・・・似ているから見たくないんだよ。お母さんもお父さんと同じで僕のことなんかどうでも良かった。暴力から逃げたいが為に自殺した。弱い人だよ。この家族は・・・いや、家族じゃないか・・・もうね。」
ゆっくりと立ち上がりながらキクは言う。冷めた目でツバキを見下ろす。
「・・・・ッ。・・・・・まだ、まだ家族だよ。お兄ちゃんもお父さんも、お母さんもまだ、家族。」
「・・・いいよ。もう・・椿がなんて言おうと家族は終わったんだ。僕もう泉華じゃない。生まれ変わった。ならもう家族じゃない。本来・・僕の記憶は全部失われているはず。・・・椿だけが家族ごっこをやるなら止めはしないよ。一人遊びになるけどね。」
「お兄ちゃん!なんで・・・・なんでそんな冷たいこと言うの?」
「・・・僕はお前が思ってるほど、綺麗、かっこいいお兄ちゃんじゃない。」
「・・・うんん、お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん・・・何があっても・・・」
「・・・・・・・分かった。もう・・疲れた。サクラ・・ここには他に何か用があるの?」
「・・・・え?、いや、ツバキさんに合わせるのが目的なだけで・・・・・って・・キク!私はここからキクを出す気はありませんから・・・」
ばっと手を前に広げるサクラ・・頭を抑えてため息を吐くキク。
「お兄ちゃん・・なんで・・・お兄ちゃん・・私と居てくれるって・・・私ッ・・・」
「・・・・・」
「・・・・・お兄ちゃん!・・・お兄ちゃん・・・お父さんはお兄ちゃんのこと大好きだよ。言ったでしょう?頭を撫でていたって・・あの日・・お父さんと桜を見に行った日・・・・・・」
ツバキは思い出すように、そしてお兄ちゃんが何処にも行かないように叫びながら言い始めた。
お兄ちゃん・・私は・・何があってもお兄ちゃんと旅することを諦めない。前世では出来なかったこと・・今度はお兄ちゃんの代わりに私が頑張るから・・・・だから・・最後に・・お父さんの本音を聞いて大事なことだから・・・・・
もう・・諦めて・・僕達、都倉家は終わったんだ。もう椿しかいない。僕は名前を捨てた。家族を捨てるために・・だからもう僕を家族に戻さないで・・もう捨てたから・・もう思い出したくない・・・思い出したら全部椿のせいにしてしまう。『お前が産まれたから』『お前が妹だから』って・・・・あ、もう・・してしまっているか・・
お願いします。キク・・ツバキさんを捨てようとしないで・・・捨ててしまったら・・今度こそツバキさんは路頭に迷う。ずっとこの十年待ってくれていたのだから・・・
「お兄ちゃん!私ッお兄ちゃんが背負ってきたもの知らない子供だけど・・どんな悲しい思いも苦しい思いも痛い思いもしてきたんだと思う。私・・お兄ちゃんの気持ち全然気付いてなかった。私がお兄ちゃんの幸せ奪ってたんだね。ごめんなさい。私、ずっとお兄ちゃんに甘えてた。優しくしてくれるお兄ちゃんに縋ってた。・・・・・・ごめんね。ごめんなさい。お兄ちゃんの気持ち理解していなくてごめんね。だから・・教えて欲しいの・・何があって・・どんな気持ちで・・・教えて欲しい・・」
胸に手を置いて身を乗り出して言う。
「・・・・・・・」
「キク・・・」
サクラは手をギュッと握った。
「・・・・・僕は・・・・」
「お兄ちゃんッお願い・・お願いだから・・私に教えて・・」
「・・・・・僕は、僕は・・・・ただ・・・・うんん・・なんでもない。椿。椿に僕から話すことなんって何もないよ。僕にしてきたのだってどうせお父さんが僕のことなんか嫌いだったからしたこと椿が産まれる前までは僕しかいないから仲良く出来たでも椿が産まれて、嫌いな僕にキツくあたるのは無理もない。僕は多分・・椿の言っていた通りお父さんに似ているんだろうね。お父さんが嫌いなお父さんに・・・似ているから見たくないんだよ。お母さんもお父さんと同じで僕のことなんかどうでも良かった。暴力から逃げたいが為に自殺した。弱い人だよ。この家族は・・・いや、家族じゃないか・・・もうね。」
ゆっくりと立ち上がりながらキクは言う。冷めた目でツバキを見下ろす。
「・・・・ッ。・・・・・まだ、まだ家族だよ。お兄ちゃんもお父さんも、お母さんもまだ、家族。」
「・・・いいよ。もう・・椿がなんて言おうと家族は終わったんだ。僕もう泉華じゃない。生まれ変わった。ならもう家族じゃない。本来・・僕の記憶は全部失われているはず。・・・椿だけが家族ごっこをやるなら止めはしないよ。一人遊びになるけどね。」
「お兄ちゃん!なんで・・・・なんでそんな冷たいこと言うの?」
「・・・僕はお前が思ってるほど、綺麗、かっこいいお兄ちゃんじゃない。」
「・・・うんん、お兄ちゃんはお兄ちゃんだもん・・・何があっても・・・」
「・・・・・・・分かった。もう・・疲れた。サクラ・・ここには他に何か用があるの?」
「・・・・え?、いや、ツバキさんに合わせるのが目的なだけで・・・・・って・・キク!私はここからキクを出す気はありませんから・・・」
ばっと手を前に広げるサクラ・・頭を抑えてため息を吐くキク。
「お兄ちゃん・・なんで・・・お兄ちゃん・・私と居てくれるって・・・私ッ・・・」
「・・・・・」
「・・・・・お兄ちゃん!・・・お兄ちゃん・・・お父さんはお兄ちゃんのこと大好きだよ。言ったでしょう?頭を撫でていたって・・あの日・・お父さんと桜を見に行った日・・・・・・」
ツバキは思い出すように、そしてお兄ちゃんが何処にも行かないように叫びながら言い始めた。
お兄ちゃん・・私は・・何があってもお兄ちゃんと旅することを諦めない。前世では出来なかったこと・・今度はお兄ちゃんの代わりに私が頑張るから・・・・だから・・最後に・・お父さんの本音を聞いて大事なことだから・・・・・
もう・・諦めて・・僕達、都倉家は終わったんだ。もう椿しかいない。僕は名前を捨てた。家族を捨てるために・・だからもう僕を家族に戻さないで・・もう捨てたから・・もう思い出したくない・・・思い出したら全部椿のせいにしてしまう。『お前が産まれたから』『お前が妹だから』って・・・・あ、もう・・してしまっているか・・
お願いします。キク・・ツバキさんを捨てようとしないで・・・捨ててしまったら・・今度こそツバキさんは路頭に迷う。ずっとこの十年待ってくれていたのだから・・・
0
あなたにおすすめの小説
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~
存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?!
はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?!
火・金・日、投稿予定
投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』
無属性魔法しか使えない少年冒険者!!
藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。
不定期投稿作品です。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
今日からはじめる錬金生活〜家から追い出されたので王都の片隅で錬金術店はじめました〜
束原ミヤコ
ファンタジー
マユラは優秀な魔導師を輩出するレイクフィア家に生まれたが、魔導の才能に恵まれなかった。
そのため幼い頃から小間使いのように扱われ、十六になるとアルティナ公爵家に爵位と金を引き換えに嫁ぐことになった。
だが夫であるオルソンは、初夜の晩に現れない。
マユラはオルソンが義理の妹リンカと愛し合っているところを目撃する。
全てを諦めたマユラは、領地の立て直しにひたすら尽力し続けていた。
それから四年。リンカとの間に子ができたという理由で、マユラは離縁を言い渡される。
マユラは喜び勇んで家を出た。今日からはもう誰かのために働かなくていい。
自由だ。
魔法は苦手だが、物作りは好きだ。商才も少しはある。
マユラは王都の片隅で、錬金術店を営むことにした。
これは、マユラが偉大な錬金術師になるまでの、初めの一歩の話──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる