キュートなSF、悪魔な親友

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キュートなSF、悪魔な親友

　何度も、何度も交わって。
　鹿倉の宣言通り、律の精力を根こそぎ奪い取っていくような、そんな激しい行為の後。
　くったりと脱力した体を腕の中に預けてくれている。
　その、汗ばんだ体を抱きしめ、乱れた前髪を梳きながら。
「かぐちゃん。一個だけ、訊いていい？」
　律が気になって仕方なくて、でも確かめることができずにいたこと。
「……内容による」
　前にもこんなやり取りしたような。と鹿倉が余韻でとろんとした意識で応えた。
「あのさ……田村んちで、何、やってんの？」
　暗に、こうやって抱かれているのか、と。はっきり問えないから。そう、訊いてみる。
「えー？　マリカーとか？　格ゲーとか」
「ゲームだけ？」
「あとは、栄養補給。俺の体の半分は田村のメシでできてる」
　鹿倉が言って、もぞもぞと動いて腕の中で丸まった。
「もうシないんだったら、俺、寝るよ」
「あ……うん」
「田村は、親友だから」
　おやすみ、と言った声の後、規則的な小さな寝息が聞こえてきた。
　律は鹿倉の小さな頭を撫でながら、額にキスをして。そっと毛布をかけるともう一度ぎゅっと抱きしめて。
　こうやって、この愛しい体を抱きながら眠る幸せを噛みしめる。
　けれど。
　田村の存在が、ずっと引っかかっていて。
　いつだって、ニコイチでいる二人があまりにも自然で。
　阿吽の呼吸でやり取りしている姿を見る度に、どこか、二人が繋がっていると思ってしまうから。
　男としかヤれないという鹿倉が、田村の傍にいる。
　けれど、以前聞いた話なら田村は女性としか付き合ってないハズで。
　鹿倉と田村の間に、肉体関係があることを、疑うけれども信じたくなくて。
　だからこそ、鹿倉の口から聞きたかった答え。
　田村は親友だから。
　だから、そんなことはしないよ、と。
　そんな言葉が続いたように聞こえた。