キュートなSF、悪魔な親友

月那

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キュートなSF、悪魔な親友

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 浴槽の中、後ろから抱かれている鹿倉は、耳の裏側を這う田村の舌を感じて吐息を漏らした。
身じろぎする度に水音が響くから、水面の音なのか耳元で聞こえるリップ音なのかがわからなくなる。
「んっ……」
 二人してシャワーでじゃれながら体を洗って、それだけでもう十分に硬くなっているから、自分の後ろに当たる田村のソレを感じながら白く濁っている湯舟の中で自分のモノを握る。
 田村の指が胸の突起を弄っていて、それもまた見えない中で蠢くからより快感に繋がって。
 鼻の奥で声にならない喘ぎ声を上げながら、田村に寄りかかる。
「きもちイイ?」
 田村が問いながら鹿倉の手に自分の手を重ねてきた。
「自分で扱いてるし」
「だって……」
「俺がしてやるよ」
 鹿倉の手を除けて、田村が握る。お湯の中でゆるゆると握られる感覚は初めてで、入浴剤のせいか少し滑りを持っているお湯がねっとりと絡みつく。
「んんっ……」
 先端を弄られて、声が高くなる。
「やっ……」
「俺のも、触って」
 鹿倉の左手を後ろ手に持ってきて、自身を握らせた。
 お互いのモノを擦り上げる度にちゃぷちゃぷとお湯が音を立てる。
「待って……手だけでイくの、ヤだ」
 素直に鹿倉が言い、手を止めて立ち上がると正面から向き合った。
「ちょっと環境が違うからって、焦り過ぎ」
 唇を重ねて、その隙間で鹿倉が拗ねて言った。
「……ごめん」
 ぬるめに設定と言っていたけれど、二人で高まってくるからお湯の温度なんて関係なく体温は上昇する。
 熱がりな田村の額に汗が浮いていて、鹿倉はそれを拭いながら首筋にキスをした。
「このまま、挿れてイイかなあ?」
 上から田村に跨っているから、猛りを自分の孔に宛がう。
「ちょっと待って。焦ってんのよっくんじゃん。まだ入んないよ」
「でも挿れたい」
 欲望に素直な鹿倉が腰を落とそうとするから、とりあえず抱え上げる。元々田村にとっては軽い鹿倉だけど、お湯の中だから体重なんて全然感じない。
「解さないと入んないって。無理やり挿れたら辛いのよっくんの方だよ」
 そう言って、田村は鹿倉の孔を弄った。
 入口に指を入れようとすると。
「うわ、なんか、変」
 指と同時にお湯が入ってくるようで。
「さすがにお湯の中では難しいね。ちょっと、出よう」
 ざぶん、と田村が立ち上がると鹿倉の上半身を倒して縁に手を付かせ、お尻だけを突きだすようにさせた。
 さすがに入浴剤の微かな滑りでは解せないから、少しだけボディソープを手に取る。
 ぬるぬるとそれで孔を解してやると、鹿倉のモノがびくびくと震えた。ボディソープをローション替わりにしてソレも一緒にぬるぬると扱く。
「やっ……んんっ……」
「気持ちイイ?」
 鹿倉が頷き、田村の指を迎え入れるように腰を振って。
 だからその勢いでつぷ、と指がソコに収まる。
「あんっ……」
 いつもいつも人のことをせっかちだというけれど、鹿倉だって欲しいと思ったらこうやって自分から迎え入れるのだから、負けていないと田村は思う。
 でもそれが可愛くて、鹿倉のイイ所をグリグリと指で弄ってやった。
「あっ……あっ……イイっ……」
 声が反響する。
 そして指が出入りすることで、摩擦でボディソープが泡立って、ソコがぐちゅぐちゅと卑猥に響く。
 その音にどんどん昂ってきた田村のモノが反応して先走りの汗を垂らす。
「あ……やばい」
「んっ? ……んんっ……」
「ごめんよっくん。ゴム、持って入ってない」
「いいよ、ナマで」
 もう、指だけじゃなくて脈打つ太いソレが欲しいから。鹿倉が強請る。
「……ごめん、じゃあ遠慮なく」
 言って、指を抜いて自分のモノを代わりに挿入した。
「はあんっ……ああっ……っ……」
 自らが望んだソレが来て、けれども圧迫感で体が仰け反る。
「キツい?」
 田村の問いには、首を振る。キツいけど、欲しかったし。中に穿たれたソレがどんなに快感なのかを体が知っているから。最初の圧迫感さえ超えてしまえば、後はただただ気持ちよくなるだけだから。
「いいから……動いて。……ナカ、掻きまわして」
 鹿倉の掠れた声が田村のモノに響く。
 お望みのままに、と田村が腰を打ち付けた。
 その動きに合わせて鹿倉の声が上がる。田村の息遣いも荒くなり、汗なのか蒸気なのか、鹿倉の背中にぽたぽたと落ちる。
「ちょ……まって……」
 鹿倉が声を出した。ので、田村が動きを止める。
「どした?」
「これ……俺、体冷える」
 足湯状態ではあるが、上半身がずっと出ているから少し冷たくなっていて。
「……わかった。んじゃ、お湯に入って」
 鹿倉が仰向けにお湯に入り、上から覆い被さるように田村が抱きしめた。
「お湯の中で、入るかな?」
 そう言って、脚を開く。どう受け入れるのが正解かわからない。
 それでも鹿倉の開いた両脚の間に入ると、田村が穴にモノを宛がった。
「……お湯も、入るよね?」
 実際田村がぐい、と体を進めると、モノと一緒に中にお湯が入る。
「きもちわるー」
「……もう! じゃあ、どうすればいいのさ?」
「やっぱ、立ちバックしかないのかな?」
 お湯から出ると体が冷えるという鹿倉のために、シャワーを流す。
 そして壁に手を付いた鹿倉の片方の脚を浴槽の縁にかけると、後ろから挿入した。
 シャワーの水の音の中で鹿倉の声が微かに聞こえる。
 ずぷずぷと中を突き上げるように腰を動かしている田村は、昂った熱と純粋にシャワーの熱で熱くなり、もう汗なのかお湯なのかわからない状態でずぶ濡れで。
「……よっくん、俺……やばい」
 いつもなら、イくことを逃して快感を追うだけの余裕があるけれど、熱すぎてただただ中が気持ちよくて。
「ごめん……先、イくっ……」
 そう言って、引き抜くとその場に放った。
「……まじ、ごめん。俺、全然余裕ない」
「……いいよ、リュウ。これはもう、俺が悪かった。風呂ではもう、ヤんない」
 シャワーの中、当然まだ勃ってはいる鹿倉なのだが、もはやそんな気になれなくて。
「これはこれで、後でゆっくりなんとかするとして。とりあえず、お湯、入ろっか」
 田村が言って、二人で湯舟に戻る。結局一番収まりがいいから、と鹿倉を田村が後ろ抱きにして。
 交わることは諦めたけれど、鹿倉の屹立をお湯の中で田村が手で慰める。
「や……やだ」
「出したくない?」
「……うう……」
 出したいけど出したくない、という鹿倉がくるりと反転すると。
 正面から田村の首に腕を絡ませてぎゅっとしがみついた。
「後でいっぱいしたげるから、とりあえずヌいとこ」
 耳元に囁いた田村が掌で鹿倉のモノを扱き、吐き出させた。
 そしてお互いに熱を持ったままお風呂から上がると、いつものベッドの上で鹿倉を思う存分啼かせて夜を過ごしたのだった。
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