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メールチェックの為にPCを起動して、その前に座る。
と、櫂斗が。
「浮気チェック」
なんて言って、無理矢理朋樹の膝の間に座り込んできた。
「まだ言うか」
「いつもPCでメールのやり取りとかしてんの?」
「ああ、それは今度インターンシップの希望出してる企業とかあるから。そういうトコ相手にはPCメールの方がいんだよ、資料もあるし。まあ、スマホにも転送はかけてるけど」
当たり前に真面目な現状を話す。
三年にもなれば、就職活動も視野に入れないといけないわけで。
年齢的にもただただ遊んでいられる状況では、ない。
「……………ヤバい、トモさんがどんどんオトナに見えてきた」
「櫂斗、俺のことなんだと思ってるわけさ」
「なんかー、もっとこう、ふわふわーってしてる感じ」
「ふわふわしてんのは櫂斗の方じゃん。こんな、可愛い顔して」
膝に乗っている櫂斗の頬をふにふにすると、
「人の浮気疑ってるけど、そっちんが浮気してんじゃないの?」と笑う。
「俺はトモさん一筋。彼女もいたことないし」
という櫂斗の言葉には、鼻白む。
「いや、さすがにそれは信じないし、そんなことないのは俺にもわかる。中学ん時の写真、店にあるじゃん。あれ見たら、絶対女子にモテてるってわかるって」
結局顔さえ良ければ坊主頭だろうがイケメンはイケめてるわけで。
仲間と満面の笑みで写真に納まっている櫂斗はキラキラしていたから、きっと引く手あまたなのは一目瞭然。
それに中学の野球部なんて、モテる代表格だろう。と、朋樹は思う。
「うっわー。イヤミ、返された。俺さ、実は小学校時代はそこそこモテたの。バレンタインとか、結構チョコ貰ってたし。でも中学入った瞬間からは全く。一緒にいた連れがまた、えっらいモテるヤツでさ。俺は完全に引き立て役だったし」
本当にモテるヤツってのは、ピッチャーじゃなくキャッチャーだと櫂斗は思う。
だって、あのポジだけは常に冷静じゃないと務まらないわけで。
あの位置から対面の二塁を刺す投球力があって、その上試合全部を先読みしてピッチャーに的確な指示を出す、なんて。
いや、勿論見た目だって、筋肉あるわシュッとした顔してるわ。そんなヤツが隣にいたら、もお敵うわけがない。
「俺ね、実際“可愛い”ってのは言われ慣れてんの。でもそれって、全然モテには繋がんねーんだよ。同級の女なんか、俺のこと弟だとしか思ってねーし」
ちょっと不貞腐れる。と、朋樹が後ろからきゅっと抱きしめてきた。
「俺が弟って言ったのも、ソッコー嫌がったよね」
「あったりまえじゃん。弟なんか、イヤに決まってる」
「じゃあ、俺が櫂斗のいろんな初めてを貰ってるってことでいいのかな?」
珍しく、朋樹の方から甘い空気を醸し出す。
「ん。トモさんは全俺から絶大なる支持を得てるから、俺の全部をトモさんにあげる」
抱きしめられた腕の中、ちょっとだけ自分が“可愛い”ってサイズ感なことが嬉しくなる。
「櫂斗、一緒にシャワー行く?」
「その提案も嬉しいけど俺、もう風呂入って来た。先にベッド行ってるからさ、トモさんシャワー終わったら裸でベッド入って来てね。ベッドでイチャイチャしよ」
と、櫂斗が。
「浮気チェック」
なんて言って、無理矢理朋樹の膝の間に座り込んできた。
「まだ言うか」
「いつもPCでメールのやり取りとかしてんの?」
「ああ、それは今度インターンシップの希望出してる企業とかあるから。そういうトコ相手にはPCメールの方がいんだよ、資料もあるし。まあ、スマホにも転送はかけてるけど」
当たり前に真面目な現状を話す。
三年にもなれば、就職活動も視野に入れないといけないわけで。
年齢的にもただただ遊んでいられる状況では、ない。
「……………ヤバい、トモさんがどんどんオトナに見えてきた」
「櫂斗、俺のことなんだと思ってるわけさ」
「なんかー、もっとこう、ふわふわーってしてる感じ」
「ふわふわしてんのは櫂斗の方じゃん。こんな、可愛い顔して」
膝に乗っている櫂斗の頬をふにふにすると、
「人の浮気疑ってるけど、そっちんが浮気してんじゃないの?」と笑う。
「俺はトモさん一筋。彼女もいたことないし」
という櫂斗の言葉には、鼻白む。
「いや、さすがにそれは信じないし、そんなことないのは俺にもわかる。中学ん時の写真、店にあるじゃん。あれ見たら、絶対女子にモテてるってわかるって」
結局顔さえ良ければ坊主頭だろうがイケメンはイケめてるわけで。
仲間と満面の笑みで写真に納まっている櫂斗はキラキラしていたから、きっと引く手あまたなのは一目瞭然。
それに中学の野球部なんて、モテる代表格だろう。と、朋樹は思う。
「うっわー。イヤミ、返された。俺さ、実は小学校時代はそこそこモテたの。バレンタインとか、結構チョコ貰ってたし。でも中学入った瞬間からは全く。一緒にいた連れがまた、えっらいモテるヤツでさ。俺は完全に引き立て役だったし」
本当にモテるヤツってのは、ピッチャーじゃなくキャッチャーだと櫂斗は思う。
だって、あのポジだけは常に冷静じゃないと務まらないわけで。
あの位置から対面の二塁を刺す投球力があって、その上試合全部を先読みしてピッチャーに的確な指示を出す、なんて。
いや、勿論見た目だって、筋肉あるわシュッとした顔してるわ。そんなヤツが隣にいたら、もお敵うわけがない。
「俺ね、実際“可愛い”ってのは言われ慣れてんの。でもそれって、全然モテには繋がんねーんだよ。同級の女なんか、俺のこと弟だとしか思ってねーし」
ちょっと不貞腐れる。と、朋樹が後ろからきゅっと抱きしめてきた。
「俺が弟って言ったのも、ソッコー嫌がったよね」
「あったりまえじゃん。弟なんか、イヤに決まってる」
「じゃあ、俺が櫂斗のいろんな初めてを貰ってるってことでいいのかな?」
珍しく、朋樹の方から甘い空気を醸し出す。
「ん。トモさんは全俺から絶大なる支持を得てるから、俺の全部をトモさんにあげる」
抱きしめられた腕の中、ちょっとだけ自分が“可愛い”ってサイズ感なことが嬉しくなる。
「櫂斗、一緒にシャワー行く?」
「その提案も嬉しいけど俺、もう風呂入って来た。先にベッド行ってるからさ、トモさんシャワー終わったら裸でベッド入って来てね。ベッドでイチャイチャしよ」
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