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『春に咲いた花を揺らす胡蝶の如く(08)』
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『春に咲いた花を揺らす胡蝶の如く(08)』
「ほ、本当!? あ、ありがとう、宮城君、私、私、なんでもするからね! 宮城君に嫌われないように何でもするから!」
「そうだね。春日井さんは何でも言う事を聞いてくれるセフレだものね?」
私は何度でもうなずく。
セフレ? ええ、セックスフレンド! 犬でも猫でもセフレでもなんでもいいわ!
「ええ、ええ。私はもう宮城君のセックスフレンドだから。もちろん何でも言う事を聞くわ。あ、そうだわ。ならさっそく明日から首輪をつけて学校に……」
あ、けど待って。
私は自分で願っておいて、首輪を購入したり、そういった準備を怠っていたわ。
今日の帰りにでもそういうお店に寄っていかないと。
確か商店街の奥の方にオバちゃんがやっている小さなお店があったわね。
けれど。
「何でもいう事を聞いてくれるセフレの春日井さんに最初のお願いだよ。学校で首輪はやめようね」
首輪は宮城君の好みじゃないないらしい。
少し残念だけど、やめておこうかしら。
私の趣味をおしつけるのも良くないわ。
「それとも春日井さんは首輪をしたいのかな? 例えばこんな人気のない公園なんかで露出をさせられた上に、首輪にリードをつけられて散歩したい、とか?」
え。
残念がっていた私の心と欲望を見透かしたように、宮城君が小悪魔のように笑った。
いいえ、小悪魔なんてとんでもない。
やっぱり天使、この人は私の天使。
「……いいの? そんな事もしてくれるの?」
私はつい宮城君に抱き着いてしまった。
「私! 私、うれしい! こんなおかしい私に合わせてくれる人が本当に現れるなんて……ッ」
涙が止まらない。
宮城君はそんな私を抱き返し、背中に手をまわしてくれる。
「春日井さん」
そして私の耳元で名を呼びながら、その指先で耳を撫でてくれる。
硬い、指先が私の耳の輪郭にそって優しく伝っていく。
宮城君が自分から私に触れていると思うだけで、どうにかなりそうなほどの幸せと感じる。
触れられているのは耳だけなのに、まるで乾いて割れた心のヒビをなぞられてるよう。
「ねえ。春日井さんは今すぐボクが欲しい?」
「え?」
子供たちの声もいつの間にか聞こえなくなっていた。
無音の中にあるのは、私たちの吐息と声だけ。
だから彼の声はとても響いた。
すぐに私は応える。
「え、ええ! わ、私は、今すぐにでも……ひやっ!」
「ふふ、かわいいね、ボクのセフレの春日井さんはとってもかわいいね」
「ひうっ!」
噛まれた!
耳元でささやいていた宮城君の唇が、私の耳たぶを歯ではさむようにしている!
「あっ、あっ、あっ、み、宮城君!」
歯ではさまれた耳たぶは、当然、宮城君の口の中。
その温かい呼気の中で、さらに宮城君の舌先が私の耳をつつき始める。
男の人の濡れた舌の柔らかさ。
人生で初めての感触。
背骨に電流が走ったようで、つい抱きしめていた宮城君の体をさらに強く抱いてしまった。
それがいけなかった。
宮城君は私を強引に振りほどいたのだ。
「ほ、本当!? あ、ありがとう、宮城君、私、私、なんでもするからね! 宮城君に嫌われないように何でもするから!」
「そうだね。春日井さんは何でも言う事を聞いてくれるセフレだものね?」
私は何度でもうなずく。
セフレ? ええ、セックスフレンド! 犬でも猫でもセフレでもなんでもいいわ!
「ええ、ええ。私はもう宮城君のセックスフレンドだから。もちろん何でも言う事を聞くわ。あ、そうだわ。ならさっそく明日から首輪をつけて学校に……」
あ、けど待って。
私は自分で願っておいて、首輪を購入したり、そういった準備を怠っていたわ。
今日の帰りにでもそういうお店に寄っていかないと。
確か商店街の奥の方にオバちゃんがやっている小さなお店があったわね。
けれど。
「何でもいう事を聞いてくれるセフレの春日井さんに最初のお願いだよ。学校で首輪はやめようね」
首輪は宮城君の好みじゃないないらしい。
少し残念だけど、やめておこうかしら。
私の趣味をおしつけるのも良くないわ。
「それとも春日井さんは首輪をしたいのかな? 例えばこんな人気のない公園なんかで露出をさせられた上に、首輪にリードをつけられて散歩したい、とか?」
え。
残念がっていた私の心と欲望を見透かしたように、宮城君が小悪魔のように笑った。
いいえ、小悪魔なんてとんでもない。
やっぱり天使、この人は私の天使。
「……いいの? そんな事もしてくれるの?」
私はつい宮城君に抱き着いてしまった。
「私! 私、うれしい! こんなおかしい私に合わせてくれる人が本当に現れるなんて……ッ」
涙が止まらない。
宮城君はそんな私を抱き返し、背中に手をまわしてくれる。
「春日井さん」
そして私の耳元で名を呼びながら、その指先で耳を撫でてくれる。
硬い、指先が私の耳の輪郭にそって優しく伝っていく。
宮城君が自分から私に触れていると思うだけで、どうにかなりそうなほどの幸せと感じる。
触れられているのは耳だけなのに、まるで乾いて割れた心のヒビをなぞられてるよう。
「ねえ。春日井さんは今すぐボクが欲しい?」
「え?」
子供たちの声もいつの間にか聞こえなくなっていた。
無音の中にあるのは、私たちの吐息と声だけ。
だから彼の声はとても響いた。
すぐに私は応える。
「え、ええ! わ、私は、今すぐにでも……ひやっ!」
「ふふ、かわいいね、ボクのセフレの春日井さんはとってもかわいいね」
「ひうっ!」
噛まれた!
耳元でささやいていた宮城君の唇が、私の耳たぶを歯ではさむようにしている!
「あっ、あっ、あっ、み、宮城君!」
歯ではさまれた耳たぶは、当然、宮城君の口の中。
その温かい呼気の中で、さらに宮城君の舌先が私の耳をつつき始める。
男の人の濡れた舌の柔らかさ。
人生で初めての感触。
背骨に電流が走ったようで、つい抱きしめていた宮城君の体をさらに強く抱いてしまった。
それがいけなかった。
宮城君は私を強引に振りほどいたのだ。
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