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『春に咲いた花を揺らす胡蝶の如く(07)』
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『春に咲いた花を揺らす胡蝶の如く(07)』
「子供たちは元気だね」
遠くから聞こえる子供たちの声をよそに、宮城君の指が私の薄い下着越しにもぞもぞと動く。
「ひっ、ひうっ!?」
反射的に足を閉じる。
宮城君の硬い指の感触が太ももの内側でうごめく。
「ダメだよ。ボクのいう事を聞いて? さ、もっと足を広げて?」
「み、宮城君、……ど、どうしたの、急に!?」
「春日井さんが言ったんでしょう? セフレになりたいって」
「え、ええ、確かに……けれど……」
「色々な言葉でボクを誘ってくれたよね? 犬になるとかまで言ってさ?」
保健室で私がつい口走った言葉だ。
やっぱり宮城君は私の全てを覚えている。
ならばもう、誤魔化す意味もない。
「……ええ。私、知っているの。そういう本を読んだことがあるから」
「本?」
「好色漢の男性は、女を従えたい、好きにも弄びたい、そういう性的嗜好があるって。ペットのように女を扱う事にとても性的興奮を得るとも書いてあったわ。だから私、がんばってアピールしていたの」
「ちなみにどういう本?」
「その女性向けの……なんていうか、その、ね。週刊誌って、色々と男の人の事が書いてあって……」
男性モデルがいつも表紙の、パっと見はファッション雑誌のアンアアンとか……男性は知らないわよね。
「じゃあ、春日井さんは今からボクのペット、それでいいんだね?」
「いいの? 私をペットにしてくれるの?」
「もちろん。ボクだって若い男だからね。女のコに迫られたらやっぱり、ね? だけど」
「……だけど?」
「ボクは春日井さんの言葉を借りれば、まさに好色漢なんだ。春日井さん以外にもペット……セフレを作るつもりだし、すでに他にもいるかもしれない」
「え……え!?」
冬原先生の言葉が、本人の口から肯定された。
どこか信じられないようで、だからこそ私なんかを受け入れてくれる人、と納得できた。
だからと言って、宮城君への恩や恋慕が消えるわけでもない。
「嘘じゃないよ? ボクはそんな男。春日井さんはそんな男のペットになりたい?」
「……え……その……」
もちろん。
そんなの当然。
けれど、私は欲張りだから。もう少しご褒美が欲しい。
「……わ、私のお願いも聞いてくれるなら」
「ああ、そう言えばペットになるかわりにお願いがあるって言っていたね。ボクにできる事かな?」
「子供が欲しいの。できれば学校を卒業する頃に……ううん、もちろん宮城君の都合でいいんだけど、できれば、その、学生生活はまっとうしたいから」
これさえ叶えば、私は犬でも猫でも、なんにでもなる。
叶わなくてもペットにはして欲しいだけれど、女としても側にありたい。
願うように宮城君を見つめる。
彼の口が開くまでの無言の時間が、永遠にも感じられた。
そして。
「……卒業したら、ね」
私の視界は一瞬で涙に埋もれた。
「子供たちは元気だね」
遠くから聞こえる子供たちの声をよそに、宮城君の指が私の薄い下着越しにもぞもぞと動く。
「ひっ、ひうっ!?」
反射的に足を閉じる。
宮城君の硬い指の感触が太ももの内側でうごめく。
「ダメだよ。ボクのいう事を聞いて? さ、もっと足を広げて?」
「み、宮城君、……ど、どうしたの、急に!?」
「春日井さんが言ったんでしょう? セフレになりたいって」
「え、ええ、確かに……けれど……」
「色々な言葉でボクを誘ってくれたよね? 犬になるとかまで言ってさ?」
保健室で私がつい口走った言葉だ。
やっぱり宮城君は私の全てを覚えている。
ならばもう、誤魔化す意味もない。
「……ええ。私、知っているの。そういう本を読んだことがあるから」
「本?」
「好色漢の男性は、女を従えたい、好きにも弄びたい、そういう性的嗜好があるって。ペットのように女を扱う事にとても性的興奮を得るとも書いてあったわ。だから私、がんばってアピールしていたの」
「ちなみにどういう本?」
「その女性向けの……なんていうか、その、ね。週刊誌って、色々と男の人の事が書いてあって……」
男性モデルがいつも表紙の、パっと見はファッション雑誌のアンアアンとか……男性は知らないわよね。
「じゃあ、春日井さんは今からボクのペット、それでいいんだね?」
「いいの? 私をペットにしてくれるの?」
「もちろん。ボクだって若い男だからね。女のコに迫られたらやっぱり、ね? だけど」
「……だけど?」
「ボクは春日井さんの言葉を借りれば、まさに好色漢なんだ。春日井さん以外にもペット……セフレを作るつもりだし、すでに他にもいるかもしれない」
「え……え!?」
冬原先生の言葉が、本人の口から肯定された。
どこか信じられないようで、だからこそ私なんかを受け入れてくれる人、と納得できた。
だからと言って、宮城君への恩や恋慕が消えるわけでもない。
「嘘じゃないよ? ボクはそんな男。春日井さんはそんな男のペットになりたい?」
「……え……その……」
もちろん。
そんなの当然。
けれど、私は欲張りだから。もう少しご褒美が欲しい。
「……わ、私のお願いも聞いてくれるなら」
「ああ、そう言えばペットになるかわりにお願いがあるって言っていたね。ボクにできる事かな?」
「子供が欲しいの。できれば学校を卒業する頃に……ううん、もちろん宮城君の都合でいいんだけど、できれば、その、学生生活はまっとうしたいから」
これさえ叶えば、私は犬でも猫でも、なんにでもなる。
叶わなくてもペットにはして欲しいだけれど、女としても側にありたい。
願うように宮城君を見つめる。
彼の口が開くまでの無言の時間が、永遠にも感じられた。
そして。
「……卒業したら、ね」
私の視界は一瞬で涙に埋もれた。
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