【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

文字の大きさ
134 / 437

『冬原美雪(前)』

しおりを挟む
『冬原美雪(前)』

「……ん?」

私が目を覚ましたのはベッドの上だった。

だが隣にいるべき宮城の姿がない。

「帰ってしまったか?」

いや時間も遅かったし、男の一人歩きが危ない事くらいあの世間ズレしている宮城でもわかる事だろう。

そもそも電車もバスも動いていない時間だ。

寝室を出て他の部屋を見て回ると、リビングのソファで眠っている宮城の姿があった。

スボンとTシャツを着た上に学生服を毛布代わりにするようにして眠っている。

「……一緒に眠ればいいのに」

と思ったがそういえばシーツはとてもひどい有様だった。主に私のせいで。

きっと宮城はシーツの無事な部分に私を寝かせて、ベッドをゆずってくれたのだろう。

本来であれば女の私がベッドを譲らなければならないというのに。

年上としても教師としても女としても、まるでいい所なしだな。

私は寝室に戻ると、手早くシーツを交換した。

用意がいい? 当然だ、用意していたんだから。

後は床に転がっていたグラスやブラックサンダーを仕舞って、散乱していた私の服や下着、あとは宮城の白いカッターシャツも回収する。

再びリビングに戻り、眠っている宮城を起こさないように肩から抱きかかえる。

男の体は重く、私でも簡単には背負ったりはできないが、相当に眠りが深かったのか半分ひきずって運んでも目を覚ます事はなかった。

ベルトを抜いてズボンのホックをはずし、ラクにさせる。

そうして取りかえたシーツの上に寝かせて上から毛布をかけてやる。

以前の私であれば据え膳食わねばとか、無防備の男に手を出さないとか考えられない事だったのだろうが。

「ふふん」

眠っていれば年相応のあどけなさが残る美少年の寝顔を見て、私は余裕の笑みを浮かべた。

加減は覚えて欲しいが、この子は私のセフレ。

頼めばいつでもヤレる男であり、来年の夏以降には妊活相手でもある。

……他に女を作る宣言もされているので若干不安な部分もあるが、約束は破らないタイプと信じて私はこの関係を了承したのだ。今さら迷いはしない。

時計を見れば朝の六時を過ぎている。

「腹も減ってるだろうからな」

昨晩、あれだけ激しい運動をしたんだ。

そもそも女が動くならともかく、宮城は自分からガンガン動いていたし、私は終始圧倒されていただけだった。

「……筋力も体力も上の男が本気になると、手が付けられんな」

もっとも他の男が女に対して、ここまで積極的になるなんて聞いた事もないが。

「さて。こいつは甘い物は好きかな?」

私はシュガートーストでも作るべく、キッチンに向かう。

そのさい、手にもっていた宮城のカッターシャツを少し拝借する事にした。

「ど、どうせ洗濯するし、少しくらいいいさ」

誰にともなく言い訳するように、私は素肌に袖を通す。

やはり少し大きいが……男物の衣服を身に着けるというのはなんとも言えない気分になる。

変態的男装趣味というわけではなく、夜を共に過ごした相手の持ち物というのがなんとも愛しいのだ。

私は他にショーツだけを身に着け、すぐに朝食の用意を始めた。

そうして出上がったものをトレーに乗せて寝室をのぞくと、ちょうど宮城が目を覚ましていた。

「起きたか」
「あ」

折角の男とのモーニングコーヒー。

できれば先生と呼ばれるよりは名前で呼んで欲しい所だが、名前で呼ばれる時はアッチのプレイという約束だしなぁ。

いかんともしがたい。

贅沢な悩みとわかっていても、人の欲とは無限なのだ。

「おはようございます、美雪さん」

と思ってたのに、名前で呼ばれた。

別段、宮城に欲情した雰囲気はいな。

つまり。

私の夢の欠片をまた一つ、拾い上げてくれたというわけだ。

昨晩は悪魔と思ったが、コイツはやっぱり天使だった。

「う、うむ、おはよう、京」

私も照れを隠しつつ、なんとか挨拶を返した。

宮城の視線は私の体に向いていた。

「すまん、少し借りた」
「いえ。よくお似合いですよ、というのも変ですかね? チラチラ見える太ももとお尻がかわいいです」
「そ、そうか?」

別に狙っていたわけじゃないが、下にズボンをはいていないのがお気に召したらしい。

さわやかな笑顔で言う事は変態のそれだ。朝から絶好調だな、まったく。

「こんなものしかないが、用意してきた」

私は性欲ではなく、親愛から隣に座り、肩をくっつけてトレーを差し出す。

「あれ? ボクの分だけですか?」

トレーの上には一人分しか用意されていない。

厚めのシュガートーストとコーヒーだ。

「ああ。私は休日の朝はあまり食べないんだ」

実際、食べない事が多い。朝食をとる時間を少しでも睡眠にあてたい派なのだ。

「そうですか。いただきます」
「……待て」

私の欲は無限大。

昨晩も焼き肉屋でさせてもらったが、今度は手ずから食べさせてやりたい。

トーストを一口大に指でちぎる。

溶けた砂糖とバダーが私の指にからみつく。

「ほら、京。あ……あーん」

ほほが熱くなっているのを感じる。

年甲斐もなく、こんな事ばかりする私を宮城はいい加減、呆れられないかと不安もあるが、止められない、止まらない。

だけどやっぱり。

宮城はいつも私を満足させてくれるのだ。

「いただきまーす!」

躊躇なく口を大きく開けて、私の手からトーストを食べてくれた。
しおりを挟む
感想 49

あなたにおすすめの小説

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

私の推し(兄)が私のパンツを盗んでました!?

ミクリ21
恋愛
お兄ちゃん! それ私のパンツだから!?

貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら

普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。 そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。

お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?

すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。 お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」 その母は・・迎えにくることは無かった。 代わりに迎えに来た『父』と『兄』。 私の引き取り先は『本当の家』だった。 お父さん「鈴の家だよ?」 鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」 新しい家で始まる生活。 でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。 鈴「うぁ・・・・。」 兄「鈴!?」 倒れることが多くなっていく日々・・・。 そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。 『もう・・妹にみれない・・・。』 『お兄ちゃん・・・。』 「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」 「ーーーーっ!」 ※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。 ※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 ※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。 ※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)

処理中です...