【R18】転生先は男女比1:30の貞操逆転世界~ビッチを夢見る三十路の魂~

尾和 ハボレ

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『冬原美雪(後)』

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『冬原美雪(後)』

「き、京……」
「らんれすか?(なんですか?)」

つい礼を言おうととして、それは何か違うなと思い直して口をつぐむ。

すると宮城が口の中のトーストを飲み込んですぐに。

「あーん」

私に向かって口を開けた。

ん?

何だ?

「あーん?」
「……あ、ああ!」

次を催促されているのか!?

私のこんなたわむれにまだ付きあってくれると!

あわてて次を用意する。

「さ、さあ。あーん、だ」
「あーん」

パクリとかぶりついた宮城は、私の指ごと口にふくんだ。

そして指についていた砂糖とバターをなめとっていった。

「ひぁ!」
「ふふ。指が油まみれでしたよ?」
「まったく……」

びっくりするからそういう可愛い事はやめてほし……くはないが、事前に言って欲しい。

私はベトベトになった指を近くのティッシュでぬぐおうとして。

「……」

チラリと宮城を見る。

この指、私も舐めたらやっぱり変態度がまた上がってしまうだろうか?

宮城のエロさ基準だと、もはや何がセーフで何がアウトなのかわからなくなってくる。

「どうしました? 自分で舐めないなら、ボクがもう一度舐めましょうか?」

ペロリと舌を出す宮城。

お前はどうしてそう、いちいちエロいんだ!

「ふ、ふん! 余計なお世話だ!」

私は何でもないように装って、その指をペロリと舐めた。

顔の熱がますます増していく。きっとさぞ真っ赤にになっている事だろう。

「美雪さん、次ー」

そんな私の慌ただしい胸中など知った事ではないとばかりに、宮城が次を要求してくる。

「あ、ああ、待て待て」

ああ。

どれだけ金を積んでも得られない幸せというものは、確かに存在する。

今、まさに私がそれだ。

そんな幸せに浸っている中ですら。

「美雪さんは優しいですね」
「ひふっ!?」

ほほに軽いキスが飛んでくる。

宮城に顔を触れられると、私の体はおかくしなってしまう。

体に悦びが走り、いまだ慣れない快感に指先が痺れて、つい手に寺持っていたトーストを落としてしまった。

「あら」
「あ、すまない! というか、男の子はトースト一枚で足りるはずもないな」

むしろ、こんな事ができるなら、もっとたくさん用意すればよかった。

あーん、するにも量が少ない。

回数を少しでも増やそうと、ついついちぎっていくパンの大きさが小さくなってしまったのも仕方ない事だ。

「昨日は体力を消耗しましたからね。お肉のエネルギーも全部、消化しちゃいました」
「バ、バカ者……」

あえて言わなかったというのに。

あ。

まずい。

少し濡れてきた。

「と言っても美雪さんが途中で泣いて、止めて、許して、というので不完全燃焼なんですけど」
「泣いても止めなかったじゃないか……って、あれで不完全燃焼だと?」

あれだけ泣いて頼み込んだのに、コイツは私を好き放題って……。

不完全燃焼? 私は完全に消し炭になっていたのに!?

「言ったでしょう? 二回や三回では終わりませんって」
「う、うむ……だが、てっきり冗談かと……かと……」

確かに冗談ではなかった。

私は昨晩、それを身を見をもって感じた。

そして不完全燃焼という言葉を照明するかのように、宮城のおチンチンは天を衝いている。

……いや、さすがに昨日はあれだけしたんだ。

コレは朝勃ちといいうヤツに違いない

いや、どう違うかはわからないが、多分、本質的な何かが違うんだろう。きっと。多分。

「……それは、朝の生理現象、だよな?」
「そうですね」

やはりそうだった。

「そ、そうか」
「けど勃起は勃起ですよ。朝からまた泣かされたいですか? それとも後からワンワンされたいですか?」

勃起に違いはないようだ。

つまり宮城は、その気になれば今からでも昨日のような悪鬼羅刹と化すらしい。

この愛らしい顔をした少年が笑顔を浮かべて年上の女をヒイヒイ泣かせるのだ。

それを鬼と言わずなんといおうか。

「どうしました?」
「あ。うん、いや。やっぱり昨晩の出来事は頭のどこかで夢だったのではないかと自信がなかったんだすが、やっぱり現実だったんだな」
「濡れていたシーツを変えたのは先生でしょう?」
「うむ。だが……夢のような夜を本当に過ごしたという実感がなくてな」

ひどい目にあった、それは間違いないんだが。

それ以上に夢のような時間であった事も間違いない。

「たった一晩でそんな大げさですね。これから先生はボクのセフレですよ? 昨晩みたいに、止めて、とお願いしてもボクはききませんし、早く慣れてくださいね?」
「……う、うむ、そうだ。私達はセックスフレンドなんだな……」

その言葉で、いつでもこの子を自由にできるという幸福と同時に、セフレという条件付きの関係のさみしさも感じる。

「妊娠前提のセフレですけどね」
「そ、そうだな。私はいつかお前の子を産めるんだな!」

そうだ。

何をさみしがる必要があるのか。

そうさ。

そう遠くない未来、私はきっと子を作れるのだから。

宮城は息を飲むほどの美少年だ。さぞ美形が生まれるだろう。

できれば男の子がいいが、女の子も可愛いだろうし。

元気な子を授かれればそれ以上の幸せはないか。

まだ子種の宿っていない腹を意識してしまう。

いつかこのお腹が大きくなる日が待ち遠しい。

「美雪さん」
「ん?」

宮城が優しい笑顔を浮かべていた。

また甘い言葉をかけるつもりか?

いい加減、私の心が糖分過多でオーバーヒートしてしまうぞ、ふふふ。

私は笑顔の宮城に笑顔を返して、言葉を待った。

魂まで溶けてしまうような甘いひと時。

だが、それは唐突に終わりを迎えた。

「朝勃ちがツライいのでお尻を向けて四つん這いになってください」

――次に私が目覚めたのは昼も回った頃だった。
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